次の戦争までに残された準備期間、ドイツは5年、ポーランドは3年を予想
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『ドイツ外交問題評議会は11月に発表したレポートの中で「ロシアはNATOを直接攻撃する可能性があり、我々に残された準備期間は5年から9年だ」と指摘したが、ポーランドは「DGAPの時間枠は楽観的過ぎる。本当に戦争を回避したいなら3年という時間枠を採用すべきだ」と主張した。
参考:Preventing the Next War (#EDINA III)
参考:Liczna armia jest potrzebna
参考:Polish official: Russia could attack NATO within 3 years
DGAPは次の戦争に備える時間が5年から9年はあると予測したがポーランドは3年と主張
ドイツのシンクタンク(DGAP=ドイツ外交問題評議会)は11月に発表したレポートの中で「ロシアはNATOを直接攻撃する可能性がある。我々に残された準備期間は5年から9年で、この期限内にドイツとNATO加盟国はロシアと戦える軍事力を整備しなければならない。そうしてこそ欧州での戦争リスクを減らすことができる」と指摘した。
出典:Kremlin.ru/CC BY 4.0
“プーチン大統領やクレムリンのエリート・知識人達は長年、強力なロシア帝国を復活させてNATOやEUの影響力を西に押し返すという野望を温めてきた。彼らが考える歴史的勢力圏はツァーリズム帝国とソ連に類似し、プーチン大統領もソ連解体後に設定された国境を拘束力があるものとは考えていない。彼らの考えるロシアは現在の国境を遥かに越えて存在し、ロシア人が居住していた場所やロシア帝国やソ連が支配していた場所に及ぶ”
“プーチン大統領のイデオロギーと歴史的解釈は既にチェチェンとグルジア(ジョージアのこと)の戦争を動機づけている。ロシア憲法もベラルーシの再統合に関する条項が含まれており、2014年にウクライナ東部で戦争を、2022年に全面的な侵攻を開始した。今日に至るまで戦争の目標を何一つ達成できていないにも関わらずロシアは戦争をエスカレートさせ続けてきた。さらにロシアはNATO加盟国やNATO全体に対して核兵器使用による威嚇も繰り返している”
出典:Минобороны России
“2年近いウクライナとの戦争を経てロシア陸軍は人的にも物資的にも大きな損害を被ったが、空軍の損耗(15%以下)は軽微で、海軍も黒海艦隊を除くバルチック艦隊、太平洋艦隊、北方艦隊を使用でき、戦略ミサイル部隊やサイバー・宇宙部隊も無傷で残っている。
さらにロシアは年間約28万人もの新兵(年2回の義務的徴兵のこと)を訓練することが出来るため、6年後までに約170万人、10年後までに約280万人ものロシア人が軍事訓練を受ける計算(義務的徴兵を終えた予備役が増えるという意味)で、ここにはウクライナでの戦闘経験が反映されるだろう”
“ロシアは石油と天然ガスの収入を防衛産業や関連産業の拡張に投資して生産量を引き上げており、関連分野の労働者も生産現場にとどまり続けている。
同時にマイクロチップやベアリングなど戦争に不可欠な部品や原材料への制裁回避にも成功し、イランや北朝鮮といった同盟国から武器・弾薬を輸入している。
ウクライナとの戦争で25万人以上の死傷者を出しているにも関わらずロシア社会に大きな変化はないため、人的損失を受け入れる社会の意志は西側に比べて遥かに大きく、経済的にもロシアは戦費を調達し続けられる可能性が高い”
出典:Минобороны России
“諜報機関や専門家は「ロシアがNATOを攻撃できるレベルまで軍を再建するのに6年から10年はかかる」と推定している。この時計の針はウクライナとの激しい戦争が停止すれば動き出すだろう。
つまりNATOはロシアが次の戦争準備を整える1年前までに戦力を整え、クレムリンに攻撃が成功しないと認識さえなければならない。ロシアの再建スピードを考えるとNATOに残された時間は5年から9年だ”
以上がDGAPのレポートの主要ポイントだが、ポーランドのヤチェク・シウィエラ国家安全保障局長は「5年から9年というDGAPの時間枠は楽観的過ぎる。本当にロシアとの戦争を回避したいなら東欧のNATO加盟国は3年以内という時間枠を採用すべきだ。この短い期間でロシアに対する明確な抑止力を開発しなければならない」と主張し、自国の軍事力について「ポーランド軍の規模をもっと拡張する必要がある」と指摘した。
出典:Ministerstwo Obrony Narodowej
ポーランドは軍を14万人から30万人に拡張中で、米国から調達中のM1A1 FEP×166輌、M1A2 SEPv3×250輌、HIMARS×506輌、F-35A×48機、AH-64E×98機、韓国から調達中のK2×180輌、K2PL×820輌、K9×218輌、K9PL×606輌、Chunmoo×288輌、FA-50GF×12機、FA-50PL×24機、国内企業から調達中のKrab×170輌、ボルスク×1,000輌などが揃えば「欧州最強の陸軍」を手に入れると予想されており、国内では「軍を30万人から40万人に拡張すべきだ」という意見も出ている。
但し、野党連合の連立政権が成立する見通しなので「PiS政権時代の安全保障政策」も先行きは不透明だ。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army photo by Charles Rosemond, Training Support Team Orzysz
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投稿者: 航空万能論GF管理人 欧州関連 コメント: 77 』