ベネズエラ大統領「勝利」主張 隣国の領有権で国民投票
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN04CHP0U3A201C2000000/
※ またゾロ、「武力侵攻」か…。
『【サンパウロ=宮本英威】南米ベネズエラで3日、隣国ガイアナの国土の約7割の領有権が自国にあるとの主張への賛否を問う国民投票が行われた。選挙管理当局によると95%以上が同主張に賛成した。反米左派で強権体制を築いているマドゥロ大統領は「ベネズエラ国民の勝利だ」と主張した。
ベネズエラは16万平方キロメートルの「エセキボ地域」について領有権を主張している。1899年のパリ仲裁協定では当時英領のガイアナ…
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『1899年のパリ仲裁協定では当時英領のガイアナ側の領土となったが、ベネズエラは「無効な判断」と訴えてきた。
今回はパリ仲裁協定の是非、国際司法裁判所(ICJ)の関与の是非、係争地を最終的にベネズエラ領にすることに賛成かなどの5つの質問で投票が行われた。ベネズエラが領有権を主張する方向への賛成が、いずれも95%以上となった。
選管当局によると、賛成への投票は1055万票に達したという。ただ投票者数については言及していない。ベネズエラには2000万人以上の有権者がいる。
ガイアナは近年、産油国として台頭している。2015年には米エクソンモービルが同国沖で超大型の海底油田を発見した。ベネズエラがここに来て領有権への関心を強めている背景とみられる。
国民投票の結果を受けてマドゥロ政権がどのように動くかは見通しにくい。ガイアナのアリ大統領は「今後数日、数カ月の間、恐れることは何もない」と指摘するが、両国の緊張状態は続きそうだ。
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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説 石油資源という利権がなければ、「エキセボ地域」の領有権をベネズエラ・マドゥロ政権が国民投票まで持ち出して、強く主張することはなかったのではないか。
日本の外務省のホームページに掲載されているミリタリー・バタンスの数字によると、ベネズエラ軍の兵力は12万3000人(21年)、ガイアナ軍は3400人(22年)。ベネズエラが軍事侵攻を決断すれば、この地域の占領は容易だろう。ウクライナ、パレスチナで米欧が手一杯であるだけに、要注意だとみている。
2023年12月5日 7:45 (2023年12月5日 7:45更新) 』