[新連載]OpenAI、アルトマンCEO電撃復帰 Microsoftの「実質支配」浮き彫り
同僚は生成AI(1)
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00537/112200044/?n_cid=nbpds_top3
『2023.11.24
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佐藤 浩実 他1名
ChatGPTの開発企業である米オープンAIは11月21日(米国時間)、サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が復帰すると発表した。同社取締役会は17日に同氏を電撃的に解任。異を唱えるオープンAIの従業員の大半が、取締役会メンバーに辞職要求を突きつけていた。世界の将来を変えるとまで言われるテック企業を巡る前代未聞の騒動で浮き彫りになったのは、特異なガバナンスの機能不全と、営利部門に49%出資する米マイクロソフトが実質的に生殺与奪権を握る構図だった。
企業経営をはじめ社会の隅々に浸透し始めた生成AIの実相を追う連載「同僚は生成AI」。第1回は、世界中を驚かせたオープンAIの「混乱の5日間」と、その根本原因に迫る。
■連載予定 ※内容や順番は予告なく変更する場合があります
(1)OpenAI、アルトマンCEO電撃復帰 Microsoftの「実質支配」浮き彫り(今回)
(2)GAFAM・アドビが踊る3大トレンド 生成AI大競争時代が始まった
(3)生成AIで窮地、絶望する画家の卵と闘う俳優たち
(4)「摂食障害の相談は生成AIで代替できる」 職失った米心理カウンセラーの葛藤
(5)あなたは何社知っている? 新興勢が爆速成長 生成AIの旗手25選
(6)あなたも知らねばオワコンに 「ワード」も「パワポ」も生成AIで一変
(7)Slack・Notion・GitHubの経営者に聞く 「私のAI活用術」
(8)第一生命、サイバーエージェントなど 先進企業で進む「生成AIありきの経営」
11月21日、米サンフランシスコのミッション地区。深夜になっても、3階建ての古い木造ビルには明かりがともっていた。突然のトップ解任騒動に揺れるオープンAIの本社だ。
そして、待望のニュースが入ってきた。アルトマン氏のCEO復帰だ。「サムが戻ってくる、オープンAIは続くぞ」。従業員たちは喜びを爆発させた。
オープンAIの幹部たち。左からミラ・ムラティ氏、サム・アルトマン氏、グレッグ・ブロックマン氏、イリヤ・サツキバー氏(写真:The New York Times/Redux/アフロ)
発端は17日昼すぎに取締役会が突如公表したアルトマンCEOの解任だ。同時に取締役を解任されたグレッグ・ブロックマン社長も退社を表明した。
寝耳に水の出来事に驚いた関係者らが、取締役会に決議の見直しを働きかけたが、協議は難航。19日夜には資本・業務提携先である米マイクロソフトがアルトマン氏と、追随して辞める従業員を雇う意向を示す。(関連記事:OpenAI、CEO解任騒動 ナデラ氏の「妙手」で強まるMicrosoftの存在感)
そして、オープンAIは文字通り崩壊の瀬戸際に追い込まれた。20日、770人に上るオープンAI従業員の大半が団結し、現在の取締役らが退陣しなければ従業員側が辞職すると表明したのだ。
事態が進展したのは21日。終日続いた議論を経て、午後10時すぎにアルトマン氏のCEO復帰と取締役会の刷新を公表した。質問サイト「クオラ」のアダム・ディアンジェロCEOが残留し、米セールスフォースの元共同CEOのブレット・テイラー氏と、ローレンス・サマーズ元米財務長官を新取締役として迎える。
米国で重視される感謝祭休暇の前に混乱収束への道筋を付けられたこともあり、従業員からメディア報道まで大団円ムードが漂う。復帰決定直後、アルトマン氏はX(旧ツイッター)に投稿し「私はオープンAIを愛しており、チームと使命を守り続けるためにこの数日を過ごしてきた」と強調した。
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