女の子同士のいじめはどういうルールで行なわれているのか?

女の子同士のいじめはどういうルールで行なわれているのか? – 橘玲 公式BLOG
https://www.tachibana-akira.com/2023/11/14951

 ※ こりゃ相当に参考になった(おもしろい…。不謹慎だが)。

 ※ いじめ問題もさることながら、女の人の「攻撃性」は、男とは「ちょっと違う」ということが論じられている…。

 ※ 「裏攻撃(alternative aggressionの訳)」と呼称しているようだ…。

 ※ 結局、男も女も、「人間」である限り、その「攻撃性」の性(さが)からは、逃れられない…、ということか…。

 『じつはノルウェーの社会心理学者カイ・ビョークヴィストが、1990年代に「女の子の攻撃性」を精力的に調べ、男の子の「直接的攻撃」に対して女の子は「間接的攻撃」を多用すると論じている。

その後、ミネソタ大学のグループがこれを「人間関係を用いた攻撃」「間接的攻撃」「社会的攻撃」に分類し、以下のように定義した。

人間関係を用いた攻撃:「人間関係、つまり、他人に受け入れられているという感覚、友情、グループの一員であるという意識にダメージを与える行為によって、他人を傷つけること」。無視する、仲間外れにする、嫌悪を示すしぐさや表情を見せる、相手とほかのひととの関係をこわす、自分の要求に応えないならつきあいをやめると脅すなど

間接的攻撃:こっそりふるまい、相手を傷つける意図などまったくないかのように見せる。噂を流すなどして、他人を使う

社会的攻撃:自尊心やグループ内の社会的ステイタスを傷つける。噂を流したり、社会的に排除したりする

シモンズはこれらを「裏攻撃alternative aggression」としてまとめたうえで、「女の子のいじめは、結束のかたい仲よしグループの内部で起こりやすい。そのため、いじめが起こっているとは外にはわかりにくく、犠牲者の傷もいっそう深まる」とする。』

 ※ 『アメリカの10代の女の子の理想は“アンチ・フェミニズム”

日本でもアメリカでも、女の子たちには理想像、すなわち「なりたい自分」がある。それと同時に、「あんなふうにはなりたくない」という女の子像もあるだろう。シモンズはそれを、10代へのインタビューをもとに“IDEAL GIRL(理想の女の子)”と“ANTI-GIRL(なりたくない女の子)”に整理している。興味深いリストなので紹介しておこう。

●理想の女の子             ●なりたくない女の子

とてもやせている             意地悪
かわいい                 醜い
ブロンド                 陽気すぎ
嘘っぽい                 運動が得意
頭が悪い                 頭がいい
背が高い                 頑固
青い目                  強情
胸が大きい                肌が浅黒い
健康                   やせていない
高価な服                 誰とでもつきあう
アンバランス               独断的
飾らない                 不安定
流行に敏感                やぼったい
人気がある                不幸そう、憂うつ
ボーイフレンドがいる           男性的
にこにこしている             まじめ
幸せそう                 強い
頼りない                 自立している
電話でよく話す(友だちが多い)      レズビアン
表面的ないさかい(すぐ解決)       芸術家気どり
大人びてみえる              いらいらして人に当たる
女の子っぽい               抑制されてない
人に頼る                 自己中心的
実用的でない服              社交性がない
人を操る                 つきあいづらい
セックス=パワー             本好き
金持ち
歯がきれい、肌がきれい
りこう
恋人はステイタスがある人

この調査が行なわれたのは1990年代後半から2000年代はじめだが、驚いたことに、アメリカの10代の女の子の理想はバービー人形(ブロンドで青い目、背が高く痩せていて胸が大きい)であり、キューティブロンド(かわいげのある、頭が悪くて頼りなさそうな金髪娘)なのだ。

それの一方で「なりたくない女の子(ANTI-GIRL)のなかには、「頭がいい」「強い」「自立している」などが入っている。フェミニストが理想とする女性像は、10代の女の子たちにとって「いけてない女」の典型とされているのだ。

シモンズが注目するのは、「理想の女の子」に要件に「嘘っぽい」「人を操る」があり、「なりたくない女の子」に「強情」「独断的」「まじめ」が挙げられていることだ。

これは、「裏攻撃」が得意だと女の子集団のなかで高く評価され、不得手な女の子は避けられるということだろう。10代の女の子たちにとっての理想は、「自分の感情を抑え、他人を操作することで自己表現できる子」なのだ。

シモンズはそれを、「頭が悪く、それでいて人を操れる。人に依存して頼りないが、セックスと恋愛を利用して力を得る。人気があるが、踏みこまない。健康的だが、運動はしないし頑丈でもない。幸せだが、陽気すぎない。真実味が薄い。自動警報装置がないぎりぎりのラインで爪先立ちして歩いている」ようなタイプだという。これが「リベラル」な女性たちが“toxic femininity(毒々しい男らしさ)”と見なすものだろう。』