不満が高まっていた動員問題、ゼレンスキー大統領が動員者の復員を決断

不満が高まっていた動員問題、ゼレンスキー大統領が動員者の復員を決断
https://grandfleet.info/european-region/regarding-the-mobilization-issue-where-dissatisfaction-was-growing-president-zelenskiy-decided-to-demobilize-the-mobilized-personnel/

『ウクライナ人兵士の親族らは「勝利の責任(負担)は平等であるべきだ」と訴えて「動員から18ヶ月間が経過した人々の動員解除」を要求していたが、ウクライナメディアは24日「大統領が動員に応じた人々の復員(動員解除)を決定した」と報じて注目を集めている。

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恐らく「動員者の復員」を実現するには「追加の動員」が必要なので動員強化は避けられないだろう

ゼレンスキー大統領はロシア軍の侵攻に対応するため昨年2月24日に厳戒令を発令、この枠組みの中で18歳~60歳までの男性を動員しているものの「現行法は厳戒令中の動員者に関する服務期間」を定めていないため、ウクライナ法第26条に定められた「60歳に達した者」「軍事医療委員会が医学的に不適合と判定した者」「裁判所から自由や権利の剥奪を伴う判決を下された者」「近親者を介護する必要性があると認められた者」「妊娠した者」などの特定条件に当てはまる者以外は動員解除が認められていない。

出典:hromadske

シンプルに言えば「動員されると五体満足の状態では家族の元にいつ帰れるのか分からない=手足を失うなど服務に適さない体にならないと動員が解除されない」という状況が続いており、ウクライナ各地では兵士の親族らが「他の人間が戦争に行く時が来た」「勝利の責任(負担)は平等であるべきだ」「軍人にも家族がいる」「1人だけで戦争に勝つことはできない」と訴えて動員解除を求めるデモを何度も行っている。

今月12日にもキーウ、フメリニツキー、ドニプロ、テルノーピリ、リヴィウ、チェルニウツィーなどでデモが行われ、ある参加者はメディアの取材に「我々は降伏を求めているのではない。我々が求めているのは最初から動員に応じて戦い続けてきた者の交代だ。彼らは戦いに疲れ果てて服務からの解放を望んでいる。彼らは許可なく部隊から去ったり、仲間を見捨てたりしたくないので公平な動員解除を待っているのだ。大怪我をしたときだけ服務から解放されるということは許さない。全員が勝利に責任を負うべきだ」と主張。

デモに参加した母親の手には「父親を抱きしめるのは私達の番だ」と書かれたポスターが握りしめられ「どうして私のパパは20ヶ月間も戦争に行っているのに友達のパパは家にいるの?、いつになったらパパは家に帰ってくるの?と8歳の娘が尋ねてくる」と涙ながらに訴え、両足を失った兵士も「最初から戦いに参加した者は後に続く者が準備を整える時間を十分稼いだ。前線の兵士は疲れ果てており、1度もローテーションが行われていない部隊もあるし休暇が許されない部隊ある。私の兄も未だに前線で戦っている。だからこそ期限を設けてやるべきことはっきりさせなければならない」と訴えた。

ウクライナ人ジャーナリストのユーリイ・ブトゥソフ氏も最近「第110機械化旅団の英雄的な行為を表現する言葉が見つからない。この旅団は1年半の間1度もローテーションを行わずアウディーイウカを守り続けている」と、BBCも最近「18歳~60歳のウクライナ人男性は出国が禁止されているにも関わらず、Eurostat(EUの統計機関)のデータによれば65万人もの動員対象者が侵攻後に出国してEU域内に滞在している」と指摘。

出典:Генеральний штаб ЗСУ

オーストリアのExpress紙も「ドイツ当局による最新の統計によれば侵攻後に登録された18歳~60歳までのウクライナ人男性は18万9,484人で、当局は『これ以外にも未登録の不正入国者が10万人ほどいる』と推定している」と報じており、ゼレンスキー大統領は「求心力を失いつつある動員体制の改善」を迫られていたのだが、ウクライナメディアは24日「大統領が動員に応じた人々の復員(動員解除)を決定した」と報じて注目を集めている。
ゼレンスキー大統領は24日「最高司令部会議で動員に関する課題と解決策の報告を聞いた。新たな動員に関する包括的な計画は来週中にまとまるだろう」と言及、会議に参加した国家安全保障・国防会議のダニロフ書記も「戦争遂行に必要な人材採用の公平を保つため大統領から動員された人々について要請があり、対象者を近いうちに復員(動員解除)させることで軍と合意した。我々は復員させる人数が膨大であることを理解しているが、これは公平な措置だ」と說明。

出典:Генеральний штаб ЗСУ

今年3月「兵役条件の改正法案=動員から18ヶ月後の動員解除」が最高議会に提出されているため、ゼレンスキー大統領は「18ヶ月間の服務後に動員者を復員(動員解除)させる」と決断した可能性が高く、ウクライナ軍は交換要員の確保と訓練に取り組む必要がある。

恐らく「動員者の復員」を実現するには「追加の動員」が必要なので動員強化は避けられないだろう。

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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
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投稿者: 航空万能論GF管理人 欧州関連 コメント: 17  』