ニュージーランド、連立政権発足へ 経済優先で中国重視
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGS227090S3A121C2000000/
『【シドニー=赤間建哉】ニュージーランド(NZ)最大野党の中道右派・国民党のラクソン党首は24日、右派の少数政党2党と、連立政権を発足させる方針で合意したと発表した。27日にも同氏が首相に就任し、6年ぶりに政権交代する。経済政策を最優先に、最大貿易国である中国との関係強化を前政権から引き継ぐ。
国民党、少数野党のACT党、NZファースト党の3党は24日、首都ウェリントンで連立政権の樹立で合意した。…
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『新首相に内定したラクソン氏は記者団に「歴史的な合意だ。包括的かつ野心的な政策を実行する」と述べた。週明けの27日にも新首相に就任し、正式に政権を発足させる見込みだ。
10月に実施した総選挙(一院制、定数123)では、当時の与党・労働党が物価高対応などで批判が高まり、大敗した。国民の人気が高かったアーダーン元首相が1月に突如辞任したことも逆風となった。
一方で、2020年に経済界から政界に転身したラクソン氏の経済手腕への期待などから野党・国民党が最多の48議席を獲得した。ただ単独で過半数には届かず、他の少数野党ACT党(11議席)とNZファースト党(8議席)との連立協議を進めてきた。
ラクソン新政権の最優先課題は経済の立て直しだ。特に輸出全体の約4分の1を占め、14年以降にオーストラリアを抜いて最大の貿易相手国となった中国との関係強化の重要性が増している。
ラクソン氏も広域経済圏構想「一帯一路」政策を通じた中国のインフラ投資を歓迎する姿勢を示すほか、副首相兼外相には労働党政権時代に外相経験があるNZファースト党の党首、ウィンストン・ピーターズ氏を任命した。中国を過度に刺激せず、経済的な恩恵を享受する外交路線を継承する見込みだ。
カンタベリー大学のアン・マリエ・ブレイディ教授は「豪州や米国などとの戦略的な関係に加え、中国とも思慮深く関係を構築する外交姿勢が継続されるだろう」と指摘する。
国内経済では政策金利は年5.5%と高止まりし、住宅ローン負担の増加や燃料など輸入品の高騰により、国民生活は逼迫している。国民党は150億NZドル(約1.3兆円)に相当する減税策を公約に掲げており、新政権では中所得層に有利な税制改革などを実施する見込みだ。
ラクソン氏の初当選は20年と政治経験は少ないが、英ユニリーバのカナダ法人社長やNZ航空の最高経営責任者(CEO)を務めるなど大手企業を率いた経営者としての手腕が期待されている。』