人質一部解放と4日間の戦闘休止へ イスラエルがハマスとの合意案を承認
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『イスラエル政府は22日、パレスチナ自治区ガザ地区でイスラム組織ハマスに拘束されている人質の解放に関する、ハマスとの合意案を承認した。少なくとも人質50人が解放され、戦闘が4日間休止される見通し。イスラエルは休止後に戦闘を続けるとしている。
イスラエルの首相官邸は声明を発表。少なくとも50人の人質(女性と子供)が4日間にわたって解放され、その間に戦闘が休止されるとした。
また、追加で人質10人が解放されるごとに、戦闘休止が1日延長されるとした。
その上で、「イスラエル政府、IDF(イスラエル軍)、治安部隊は、人質全員を帰還させ、ハマス壊滅を完了させ、ガザからイスラエルへの新たな脅威がなくなることを確実にするため、戦闘を継続する」とした。
合意案の承認に先立ち、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は21日、たとえ人質の解放が実現してもハマスへの攻撃はやめないと表明した。
ネタニヤフ氏は同日夜、戦時内閣や全閣僚による会議を開催。首相官邸は「人質解放問題の進展に鑑みたもの」と説明した。
人質解放に関する合意案を実施に移すには、ネタニヤフ氏がこの夜に協議する3グループすべての承認が必要だった。
ネタニヤフ氏は閣議の前に録画されたビデオ声明で、人質が解放されればハマスとの戦争が停止になるといった話は「ナンセンス」だと説明。「すべての目標を達成するまで」戦争は続けると述べた。
また、人質の帰還は「神聖かつ最高の目標」だとした。
さらに、「戦争では段階があり、人質の帰還にも段階がある。しかし私たちは完全に勝利し、人質全員を帰還させるまでやめない」、「それが私たち全員の神聖なる義務だ」と主張。
ハマスの排除も目標の一つであり、「ガザにイスラエルを脅かすものは何もなくなる」とした。
イスラエルの内閣は38人の異なる政党のメンバーで構成されている。極右政党は人質解放の合意案を強く批判していた。
ベザレル・スモトリッチ財務相も、閣議前の声明で合意案について、「イスラエルの安全保障にとっても、人質にとっても、イスラエル軍の兵士にとっても悪いものだ」と述べた。
現地メディアは、取引に賛成する政党もある一方、態度を明らかにしていない政党もあると報じた。
イスラエルの激しい攻撃続く
人質解放と戦闘休止をめぐる交渉が続けられる間も、戦闘や空爆は続いた。
イスラエル軍は21日、ガザ北部の都市ジャバリアを包囲したと発表した。ジャバリアはガザ市の北に位置し、激しい戦闘が繰り広げられてきた。
イスラエル軍はまた、戦闘機と「遠隔有人操縦機」を使って、この1日でハマスの標的250カ所を攻撃したと説明。ジャバリア地域のトンネルの縦穴3カ所も含まれ、それらの場所ではハマス戦闘員数十人を殺害したとした。
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イスラエル軍はさらに、ガザ南部でのハマスに対する作戦の強化を予定しているとした。南部には北部から多くの民間人が避難している。
ハマスが運営するガザ地区当局は21日、今回の戦争が始まってから地区内で殺害された人が1万4128人に上ったと発表した。 うち5840人は子どもだとした。
レバノンにも攻撃、4人死亡
イスラエル軍は21日、レバノンとの国境付近でも作戦を実施した。同国メディアは、イスラエル軍の攻撃でジャーナリスト2人を含む4人が殺害されたと伝えた。
レバノンのナジブ・ミカティ首相は、テイル・ハルファ村が「攻撃」されたと非難した。この攻撃では、放送局アル・マヤディーンの記者とカメラマン、別の男性一人が死亡したとされる。
イスラエル軍は、同村がある地域で「脅威に対する作戦を実施した」と発表した。
一方、同村の東のクファルケラでも高齢女性が殺害されたと報じられている。
国連職員らにさらなる死者
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は21日、ガザで職員の1人が殺害されたとX(旧ツイッター)で発表した。
職員のディマ・アルハジ氏は、生後6カ月の赤ちゃんと夫、きょうだい2人とともに、家に避難していたところを殺害されたという。
テドロス氏は、「私たちの悲しみは言葉で言い表せない」、「この恐怖は終わりにしなければならない」とした。
一方、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長は同日、イスラエルがガザで作戦を開始して以来、同機関の職員108人が殺害されたと話した。
「私たちが得た情報では、ほとんどは子どもを含む家族とともに殺された」とラザリーニ氏は話した。
ラザリーニ氏はまた、UNRWAの施設67カ所近くが攻撃され、うち17カ所は直接攻撃を受けたと語った。その上で、「ほとんどは安全が約束されていた(ガザ地区の)中部と南部にあったものだった」とし、「私たちは国連の旗の下で人々を守ることすらできない」と述べた。
国境なき医師団(MSF)によると、ガザ北部で機能している数少ない医療施設のアル・アワダ病院が攻撃され、MSFの医師2人と、別の医師1人が殺されたという。
MSFは声明で、200人の患者を治療している同病院の3階と4階が攻撃されたとした。MSF関係者を含む医療スタッフらが重傷を負ったという。
(英語記事 LIVE Israel’s cabinet approves deal to release hostages during pause in fighting/Lebanon PM says Israeli strikes killed journalists)