拡大ASEAN国防相会議開幕 米中交え南シナ海を協議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM15DFR0V11C23A1000000/
『【ジャカルタ=押切智義】東南アジア諸国連合(ASEAN)に加え、日米中など8カ国が参加する拡大ASEAN国防相会議が16日、インドネシアの首都ジャカルタで始まった。米中対立を受けインド太平洋地域で緊張が増す中、南シナ海や台湾周辺を巡る情勢の安定化に向けて議論が交わされる予定だ。
議長国インドネシアのプラボウォ国防相は会議の冒頭、「アジア地域の複数の安全保障上の問題は、オープンで国際的な協力によっ…
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『議長国インドネシアのプラボウォ国防相は会議の冒頭、「アジア地域の複数の安全保障上の問題は、オープンで国際的な協力によってのみ解決できる」と語った。
会議の参加国はASEAN加盟国や日米中に加え、韓国やロシア、インドなどで構成される。米国からはオースティン国防長官、日本からは宮沢博行防衛副大臣が参加した。国防相が不在の中国の参加者は、同国軍の景建峰・統合参謀部副参謀長となった。
中国とASEAN加盟国の一部は南シナ海の領有権を巡って対立を続けてきた。10月にフィリピンの補給船が中国船舶と衝突するなど小競り合いも頻発している。台湾でも中国の軍事侵攻のリスクが高まる中、米国はこれら地域での関与を強めている。
米国は同会議に合わせ、中国高官との会談を打診していたが、14日には見送ると発表した。中国が同格の高官を派遣しなかったのが理由という。両国の国防対話が停滞する中、南シナ海や台湾などを巡り、どんな議論が交わされるかが注目される。
会議ではパレスチナ自治区ガザを巡る情勢、ロシアによるウクライナ侵攻についても意見が交わされる可能性がある。プラボウォ氏は15日、ガザ情勢について「停戦を実現させるための努力を続けなければならない」と訴えていた。』