ウクライナ各地で動員解除を求めるデモ、国民全員が勝利に責任を負うべき
https://grandfleet.info/european-region/demonstrations-calling-for-demobilization-across-ukraine-all-citizens-must-take-responsibility-for-victory/
『ウクライナの総動員は服務期間が定められていないため「手足を失うなど服務に適さない体」になるまで動員解除が認められず、兵士の親族らはウクライナ各地でデモを行い「最初から動員に応じて戦い続けてきた者の交代」や「国民全員が勝利に責任を負うべき」と訴えた。
参考:“Требуем сроков демобилизации”: на Майдане митинговали около сотни человек
参考:«Вимагаємо строків демобілізації». Рідні військових вийшли на мітинг у Києві
参考:В українських містах вдруге відбулися мітинги на підтримку демобілізації
デモの参加者が求めているのは最初から動員に応じて戦い続けてきた者の交代
ゼレンスキー大統領はロシア軍の侵攻に対応するため昨年2月24日に厳戒令を発令、この枠組みの中でウクライナは総動員を実施し「約100万人の国民が軍、国家親衛隊、国境警備隊、沿岸警備隊、国家警察で働いている」と推定されているのだが、現行法は「厳戒令中の動員者に関する服務期間」を特に定めておらず、基本的に大統領令によってのみ動員解除が可能だ。
出典:Zelenskiy Official
あとはウクライナ法第26条に定められた「60歳に達した者」「軍事医療委員会が医学的に不適合と判定した者」「裁判所から自由や権利の剥奪を伴う判決を下された者」「近親者を介護する必要性があると認められた者」「妊娠した者」などの特定条件に当てはまる者は動員解除(もしくは動員の猶予)が認められるが、前線勤務で負傷しても治療後に「軍事医療委員会が服務可能」と判断すると動員は解除されない。
要するに「厳戒令中に動員されたウクライナ人には服務期間に定めがないため動員解除が見込めない=いつ家族の元に帰れるのか分からない」という状況で、今年3月「兵役条件の改正法案=動員から18ヶ月後の動員解除(満了者に対する再召集の猶予期間は5年間)」が最高議会に提出され、軍関係者の親族は10月「他の人間が戦争に行く時が来た」「勝利の責任(負担)は平等であるべきだ」「軍人にも家族がいる」「1人だけで戦争に勝つことはできない」と訴えるデモを行い注目を集めたが、再び動員解除を求めるデモが行われた。
出典:Генеральний штаб ЗСУ
複数の現地メディアは12日「再び動員解除を求めるデモがキーウ、フメリニツキー、ドニプロ、テルノーピリ、リヴィウ、チェルニウツィーなどの都市で行われた」と報じ、デモの参加者は中々興味深いことを主張している。
ある参加者はメディアの取材に「我々は降伏を求めているのではない。我々が求めているのは最初から動員に応じて戦い続けてきた者の交代だ。彼らは戦いに疲れ果てて服務からの解放を望んでいる。彼らは許可なく部隊から去ったり、仲間を見捨てたりしたくないので公平な動員解除を待っているのだ。大怪我をしたときだけ服務から解放されるということは許さない。全員が勝利に責任を負うべきだ」と主張。
8歳の娘をもつ母親は「私の娘が『どうして私のパパは20ヶ月間も戦争に行っているのに友達のパパは家にいるの?』『いつになったらパパは家に帰ってくるの?』と尋ねてくる」と涙ながらに訴え、彼女の手には「父親を抱きしめるのは私達の番だ」と書かれたポスターが握りしめられている。
さらに今回のデモには両足を失った兵士も参加し「兵士には休息が必要だ。最初から戦いに参加した者は後に続く者が準備を整える時間を十分稼いだ。前線の兵士は疲れ果ててもう動くことができない。1度もローテーションが行われていない部隊もあるし休暇を許されない部隊も存在する。私の兄も未だに前線で戦っている。だからこそ期限を設けてやるべきことはっきりさせなければならない」と訴えており、ウクライナ軍がローテーションを行っていないという噂はもう事実だと認識した方がよさそうだ。
出典:hromadske
ウクライナ人ジャーナリストのユーリイ・ブトゥソフ氏は最近「第110機械化旅団の英雄的な行為を表現する言葉が見つからない。この旅団は1年半の間1度もローテーションを行わずアウディーイウカを守り続けている」と指摘、米POLITICOも今年2月「急増するウクライナ軍兵士の軍紀違反はロシア軍と戦う負担を兵士に押し付け、司令部が約束したローテーションを守っていないのが原因だ」と報じたことがあり、この手の指摘が海外メディアやウクライナメディアで報じられたのは1度や2度ではない。
勿論、数的に不利なウクライナ軍が「戦争終了まで動員解除に応じたくない」と考えるのは理解できるものの、手足を失うなど服務に適さない体になるまで「動員解除が認められない」という状況は兵士のモチベーションを下げる要因となり、戦いが長期化すればするほど「動員に応じた国民」と「動員されていない(もしくは動員を回避した)国民」の間の溝は深まっていくだろう。
出典:Генеральний штаб ЗСУ
果たして「最初から動員に応じて戦い続けてきた者の交代」は実現するのだろうか?それとも「過酷な現実を無視した絵空事」に過ぎないのだろうか?
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
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投稿者: 航空万能論GF管理人 欧州関連 コメント: 33 』