米国務長官、ガザ統治「パレスチナ人中心に」

米国務長官、ガザ統治「パレスチナ人中心に」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR095Z80Z01C23A1000000/

『2023年11月9日 20:00

【テルアビブ=木寺もも子】米国のブリンケン国務長官は8日、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が終結した後のパレスチナ自治区ガザについて「パレスチナ人が統治の中心になる」と述べた。イスラエルによる再占領は否定した。パレスチナ自治政府の統治能力は不透明で、暫定的な国際社会の関与が必要だとの指摘もある。

ブリンケン氏は8日、東京で開かれた主要7カ国(G7)外相会合後の記者会見で「ハマスがガザを統治し…

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『ブリンケン氏は8日、東京で開かれた主要7カ国(G7)外相会合後の記者会見で「ハマスがガザを統治し続けることはできない。イスラエルが占領できないことも明らかだ」と語った。パレスチナ人による統治が実現するまで「移行期間」を要する可能性にも言及した。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官も8日、イスラエル軍が「紛争直後のしばらくの間」はガザに駐留する可能性があると説明したうえで、長期の駐留は容認できないと強調した。

イスラエルのネタニヤフ首相は6日の米ABCテレビのインタビューで、イスラエルがガザについて「無期限」で「全般的な安全保障の責任を担う」と述べた。米国には、パレスチナやアラブ諸国の反発を招きかねないネタニヤフ氏の発言を軌道修正する狙いがあるとみられる。

パレスチナ自治区は、自治政府の主流派ファタハが治めるヨルダン川西岸地区と、ハマスが支配するガザ地区に分裂している。イスラエルの存在自体を認めないハマスに対し、ファタハはイスラエルとの2国家共存を支持する。

自治政府系メディアによると、アッバス議長は5日にブリンケン氏と会談した際、ガザがパレスチナ国家の「不可欠な一部」だと述べた。西岸に加え、東エルサレムとガザ地区について「包括的な政治的解決の枠組みの中で、責任を十分に果たす用意がある」とした。
自治政府の統治能力には疑問符もつく。パレスチナ人の間ではファタハが海外からの援助で私腹をこやしているとの疑念が強く、人気は低い。2006年にハマスに敗北して以降、選挙も行っていない。アッバス氏は87歳と高齢で、有力な後継候補はみえない。

一方、イスラエル国内でもガザ再占領には否定的な声が強く、戦後統治はなお手探りだ。戦時内閣に加わったガンツ前国防相はハマスの関与を否定したうえで「我々が適切と判断すればいかなるメカニズムもあり得る」と述べた。

国際社会の関与が現実的だとの指摘は多い。イスラエルのオルメルト元首相は日本経済新聞の取材に対し、欧米が主体の「国際部隊に任せるべきだ」と語った。対内情報機関シンベトのアヤロン元長官はサウジアラビア、エジプト、ヨルダンなど「安定を望む地域諸国」が加わる必要があるとの見方を示した。

トルコのフィダン外相は、欧米のほかアラブ諸国や自国が「保証国」となり、将来の和平合意の履行を担保する案を提唱している。

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