バイデン政権、議会にウクライナ向け経済支援として118億ドルを要請
https://grandfleet.info/us-related/biden-administration-asks-congress-for-11-8-billion-in-economic-aid-for-ukraine/
『バイデン政権は7日「ウクライナ向けの経済支援(118億ドル)を承認して欲しい」と議会に要請、これが通らないとウクライナ政府は来年度予算の「非軍事支出」を確保するため「軍事支出」を削減するか、他の国が米国分の経済支援を肩代わりしなければならない。
参考:Secretaries Yellen, Austin, Blinken and Administrator Power Urge Congress to Back Direct Budget Support for Ukraine
参考:Top Biden Officials Press Congress for More Economic Aid to Ukraine
参考:У Байдена призвали Конгресс поддержать бюджетную помощь Украине почти на $12 млрд
600億ドルに含まれている経済支援分=118億ドルだけでも先に承認して欲しいと議会に要請
バイデン政権は先月20日「米国の安全保障ニーズに資金を供給するため緊急予算を議会に要請する」と発表、この内訳はウクライナ支援に600億ドル、イスラエル支援に140億ドル、ウクライナ・イスラエル・ガザに対する人道支援に90億ドル、米原潜の即応性を高めるためのインフラ整備に30億ドル、インド太平洋地域の同盟国支援に20億ドル、国境警備と移民問題に110億ドル、発展途上国支援に20億ドル、フェンタニル対策に10億ドル、移民支援に10億ドル、児童労働対策に1億ドルで、緊急予算の総額は1,000億を越えている。
出典:Office of Speaker Mike Johnson Public Domain ジョンソン下院議長
バイデン政権はウクライナ支援をイスラエル支援など他の要求に混ぜたワンパッケージで議会を突破し「大統領選挙が終わるまでウクライナ支援資金の問題から解放されたい」と考えていたのだが、下院の共和党はイスラエル支援法案(143億ドル)のみを可決、上院が同法案を可決するのかどうかは定かではないものの、マイク・ガルシア下院議員は共和党議員7人と共にバイデン大統領へ書簡を送り「12の条件(過去記事を参照)」が十分満たされるまで「ウクライナへの追加資金を議会は検討すべきではない」と主張。
この状況を受けてバイデン政権の財務長官、国防長官、国務長官、国際開発庁長官は「ウクライナに118億ドルの予算支援を行うことを承認して欲しい」と議会に要請、ウクライナ政府は税収以上の資金を軍事分野の支出に割り当てているため、政府機能の維持や経済分野など「非軍事分野への支出」は米国、カナダ、EU諸国からの金融支援(2024年度の米国負担は1/4)で賄われており、IMFのウクライナ向け融資も米国を含む同盟国からの継続的な援助を前提に設計されているらしい。
出典:Сухопутні війська ЗС України
要するに「米国が突然支援を停止すればウクライナは軍事支出から非軍事支出への資金転用を迫られる」という意味で、このような事態に陥ればロシア軍の戦いに影響を及ぼすため「600億ドルに含まれている経済支援分=118億ドルだけでも先に承認して欲しい」と議会に要請したのだ。
因みに下院がウクライナへの予算支援を承認するかどうかは不明だが、ホワイトハウスの関係者も「ウクライナへの支援資金の管理、資金の使用用途に関する説明責任、汚職撲滅を目的とした改革を進めている」と訴えている。
参考:US Senate Democrats block Republican bid to aid Israel, not Ukraine
追記:上院は下院が可決したイスラエル支援法案(143億ドル)を阻止した。
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※アイキャッチ画像の出典:PRESIDENT OF UKRAINE
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投稿者: 航空万能論GF管理人 米国関連 コメント: 7 』
『 たむごん
2023年 11月 08日
返信 引用
ウクライナの資源は、ドンバス地域・黒海沿岸・アゾフエ海沿岸にあります。
重化学工業の基盤も、ドンバス地域に集中していますね(戦闘で巨大工場が破壊されたりしていますが…)。
アメリカ・EUが、ウクライナを支え続けるのであれば、どうやって経済を軌道に戻して、どこまで投資を行うのか検討する必要があります(戦争3年目が目前ですからね)。
ウクライナ東部(ロシア占領地域を除く地域)も、アゾフ海や黒海へのアクセスが絶たれていては、重化学工業への投資は見込めません(国境に近すぎるからです)。
アメリカ議会が、ある程度の腰を据えて議論していくのも、納税者への説明義務を考えれば妥当と思います。
共和党の立場で考えれば、仮に与党に返り咲いた際に(現実的になってきています)、ウクライナ戦争後の道筋作りの責任を丸投げされる事にも繋がりかねないですからね(民主党が野党として批判していく構図)。
8
Easy
2023年 11月 08日
返信 引用
現実問題、本来の予定では「ウクライナがハイテク西側装備で華麗にロシア軍を撃破!敗走して涙目のプーチンは屈辱的な講和条約で多額の賠償金をロシア資源で払うことになり。その莫大な資源でウクライナをV字復興させて栄光のEU入り」だったんですよ。だから各国も戦勝後に巻き上げるロシア資源の分配に与ろうと、我先にと支援を打ち出したんですね。
ところが、ちょっとだけ歯車が狂ってしまったんですね。
供与される型落ちの旧式西側装備ではロシア軍に勝てず、このままでは膠着して停戦です。そうなると賠償で取ろうと思っていたロシア資源が取れないことになり。
賠償金が入って来ず、しかも国土は荒廃したまま。
GDPは4割吹き飛んで経済は崩壊。
この莫大なツケと後始末を誰がやることになるのか。
もはやアメリカ側から見ると、「ウクライナがロシアに全面降伏して復興費用をロシアに被ってもらった方がマシ」という状況です。
が、それは流石に出来ないので、ウクライナの生活費1兆円をめぐり、西側諸国でババ抜きババの押し付け合いを始めるしか無さそうです。
8
tk
2023年 11月 08日
返信 引用
共和党は党利党略のためにイスラエルのみに肩入れしている
米国民の大半、特に若年層は高齢を理由としてバイデン氏、問題の多いトランプ氏の再選も望んでいない
民主党はバイデン氏でとりあえずまとまっているが共和党はトランプ氏が熱狂的な支持を集めつつも内部からの批判は絶えない
来年は史上最低の大統領選になる予感がする
共和党が与党に返り咲いたと仮定してもトランプ氏ではくだらない罵り合いで終始し世界を混乱に貶めるだけだろう
2 』