国連軍司令部の解体を目論むムン・ジェイン政権下で出てきた「国連軍には族譜がない」との言葉……

国連軍司令部の解体を目論むムン・ジェイン政権下で出てきた「国連軍には族譜がない」との言葉……この韓国語がすごい理由とは?: 楽韓Web
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『【コラム】国連軍司令官はなぜ文在寅政権に不快感を表したのか(中央日報)

北朝鮮と中国を過度に意識するという指摘があった文在寅(ムン・ジェイン)政権当時、国連軍司令部は招かれざる客のように扱われた。3つ星将軍だった国会国防委員長、韓起鎬(ハン・ギホ)議員側によると、第20代大統領選挙の前日だった昨年3月8日、北朝鮮の軍人6人と民間人1人が乗った船が西海(ソヘ、黄海)北方限界線(NLL)を越えてくる事件があった。北朝鮮の警備艇が船を追ってNLLを侵犯すると、韓国海軍高速艇が40ミリ艦砲で警告射撃した。

船を白翎島(ペクリョンド)龍機浦(ヨンギポ)に曳航すると、海兵隊と軍事安保支援司令部(現国軍防諜司令部)が簡単な調査だけをし、国家情報院が主導する関係部処合同尋問もなく国防部の指示で大統領選挙当日の午後2時に北朝鮮に帰した。北朝鮮警備艇がNLLを侵犯した挑発行為は2018年9月の南北首脳会談での9・19軍事合意を初めて違反した事例だったが、うやむやになった。

当時の事情に詳しい軍事専門家A氏は「北の停戦協定違反かどうかを確認するために国連軍司令部が合同尋問をしようとしたが、文在寅政権の反対でなくなった」とし「国連軍司令部を無視するものであり、国連軍司令官(ポール・ラカメラ氏)側が強い不快感を表したという話が広まった」と伝えた。その事件の影響か、国連軍司令部は参謀部に派遣された韓国軍の領官(佐官)級将校40人を突然送りかえした。将校らは国連軍司令部幹部と交流して関係を築き、停戦協定関連の動向を把握しながら韓国の国家安全保障の大きく寄与してきたが、国連軍司令部を刺激したことでそのチャンネルが遮断されたのだ。

国連軍司令部の不満の背景について、軍事専門家A氏は「文在寅政権時代、国連軍司令部を露骨に無視する事例が相次いで発生し、累積した不満が爆発したようだ」と診断した。これに先立ち2019年11月には北朝鮮の青年漁民2人が東海(トンヘ、日本名・日本海)のNLLを越えて亡命したが、板門店(パンムンジョム)を通じてこっそりと強制送還した事実が明らかになり、衝撃を与えた。文在寅政権は板門店を管轄する国連軍司令部に強制送還の事実を知らせず、当時の国連軍司令官(ロバート・エイブラムス)側が強い不満を表示したという。北朝鮮の挑発の脅威が強まり、国連軍司令部が戦闘指揮機能の回復など再活性化を推進した当時にも、文在寅政権が繰り返し反対し、葛藤が深まった。韓国戦争当時の医療支援国だったドイツとデンマークが国連軍司令部に会員として参加しようとすると、文在寅政権の国防部は「戦闘兵派兵国でなければいけない」として拒否した。文在寅政権は終戦宣言に執着し、北朝鮮は国連軍司令部の解体を執拗に主張していた。

2020年8月、民主党議員だった宋永吉(ソン・ヨンギル)国会外交統一委員長は「国連軍司令部というものは族譜がない。これが我々の南北関係に干渉できないよう統制しなければいけない」と述べ、波紋を呼んだ。このように国連軍司令部を無視する言動が続くと、国連軍司令部側は「国連安保理の決議に基づいて活動する国連軍司令部は、韓国政府が国内の政治的理由でむやみに扱える存在ではない」という強いメッセージを発信したという。
(引用ここまで・太字引用者)

 ムン・ジェイン政権……というか、ムン・ジェイン本人はなんとかして自分の任期中に米軍に韓国からの撤退をさせようと躍起になっていた部分があります。
 なによりも北朝鮮の意向を大事に考え、北朝鮮からの指令であればなにひとつ漏らさず実現しようとしていたのですから。
 北朝鮮側が望む米軍撤退、および国連軍解体はムン・ジェインにとっても重要な政策のひとつとなったのです。

 ま、そもそも北朝鮮からの指令がなくても「586世代」、「運動圏」と呼ばれたムン・ジェイン世代の左派にとっては米軍が撤退してこそ南北融和の道がある、という深い信仰があったので。
 同様の行動に走っていたことは間違いないですけどね。
 左派がさかんに叫ぶところの「自主国防」っていうのは要するに朝鮮半島から米軍を排することが前提となっている話ですから。

 ムン・ジェイン政権にはその一環として……というか、まずその端緒として国連軍解体を狙っていた部分があります。

 ムン・ジェイン政権時代に漁船で脱北してきた北朝鮮のふたりを確保し、有無を言わさずに板門店経由で北朝鮮側に送還したという事件がありました。
 嫌がるふたりを強制的に排除する映像が公開されたこともありますね。

ムン・ジェイン政権のやった北朝鮮漁師送還事件、送還時の映像が公開される。強制送還を避けたくて座りこむ男を引きずって北朝鮮に向かわせる韓国当局者たち……超弩級の国際法違反です(楽韓Web過去エントリ)

 この事件そのものも相当の衝撃を与えるものだったのですが、この時に板門店の警備を担当する国連軍に対してムン・ジェインがどのように対応していたのかが後に判明しています。
 「完全に無視していた」でした。

北朝鮮漁師を板門店経由で強制送還したムン政権、軍事境界線の国連軍の許可を取らずに強行突破していた……国連軍司令官は激怒(楽韓Web過去エントリ)

 んで、今回のコラムではその結果として国連軍から排斥された韓国軍佐官級幹部が、ユン政権では戻ることになりそうだ……とするものなのですが。
 それよりも太字部分に注目したいですね。当時、このニュースをキャッチアップすることができていなかったのが悔やまれます。

 族譜とは韓国の家系図で自分たちの親戚がどのくらいに及ぶのかとするものと、大木図全体像を記したものに分かれています。
 どちらにしても韓国人のアイデンティティのひとつといえる重要なもの。
 「日本人は族譜を持たない」ことを下に見る要因のひとつとするほどです。

   さて、太字部分の「国連軍司令部には族譜がない」というこの言葉。かなり味わい深いです。

 この「族譜がない」とする言葉には「韓国に存在する由縁、根拠がない」といった意味が多分に含まれています。
 「国連軍が韓国にいてはいけない」とする言葉そのものですね。
 外国人である国連軍司令にこの意味が通用しないであろうということまで含めて考えると、本当に味わい深い言葉だなと感じます。

 やっぱりすごかったな、ムン・ジェイン政権。
 あれをリアルタイムで体感できたのは韓国ウォッチャーとして誉れと言うべきか。悲しみとするべきか。

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