イスラエル、ガザ難民キャンプ空爆 死者50人から拡大も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR31EC20R31C23A0000000/
『【ブリュッセル=辻隆史、テヘラン=福冨隼太郎】イスラエルが攻撃するパレスチナ自治区ガザで、民間人の犠牲が増え続けている。中東の衛星放送局アルジャズィーラは31日、イスラエルがガザ北部の難民キャンプを空爆し少なくとも50人が死亡したと伝えた。イスラエル側も米CNNに対し、キャンプ付近への攻撃を認めた。
イスラエル軍の報道官はCNNとのインタビューで、イスラム組織ハマスの司令官が民間人のなかに隠れて…』
『イスラエル軍の報道官はCNNとのインタビューで、イスラム組織ハマスの司令官が民間人のなかに隠れていたと主張して空爆を正当化した。民間人の犠牲について「これが戦争の悲劇なのだ」などと話した。ハマス側は通信アプリのテレグラムで、現場付近に司令官がいたとのイスラエルの主張を「根拠のない嘘だ」と否定した。
キャンプでの死者数はさらに増える可能性がある。ハマス側はがれきの中に多くの人が埋まっていると主張する。ガザの人道危機がより深刻化する懸念が高まっている。
トルコのエルドアン大統領は同日、イスラエルが「人道に対する罪を犯している」と強く非難した。「ガザでの戦争犯罪の加害者が責任を問われるよう、議論している」とも述べた。国連のグテレス事務総長はX(旧ツイッター)に「戦闘の激化を深く懸念している。エスカレーションは民間人の苦しみを増やすだけだ」と投稿した。
イスラエルに対する攻撃も広がりをみせている。
イエメンのイスラム教シーア派武装組織フーシは31日、イスラエルに向けて弾道ミサイルやドローン(無人機)を発射したと明らかにした。フーシの軍報道官は「イスラエルの侵略が終わるまで作戦を継続する」と述べ、ガザへの攻撃を強めるイスラエルに対して攻撃を続ける考えを示した。
ロイター通信などによると、同報道官は攻撃を「パレスチナ人を勝利に導くためだ」などと説明した。
これに先立ちイスラエル軍は同日、紅海沿岸からイスラエルに向けて発射された地対地ミサイルやドローンを迎撃したと発表した。イスラエルメディアによると、同日午前には紅海の北、アカバ湾に面する同国南部エイラートで警報が鳴り響いたという。
フーシはイスラエルと敵対するイランが後ろ盾となっている。米国防総省は19日、フーシが複数の巡航ミサイルや無人機を放ち、紅海に展開する米艦船が撃墜したと明らかにしていた。』