EU、ウクライナ支援で亀裂 スロバキアが支援停止を通告
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR26DKY0W3A021C2000000/
『【ブリュッセル=林英樹】ウクライナ支援をめぐって欧州連合(EU)に亀裂が生じている。EU首脳会議は27日、ウクライナに対し「強力な財政的、経済的、人道的、軍事的、外交的支援を続ける」ことで合意した。ただスロバキアは武器供与を停止し、ハンガリーは金融支援に難色を示しており、「支援疲れ」が域内の不協和音を高まらせている。
「これ以上、ウクライナに軍事支援はしない」。26日に始まったEU首脳会議で、ス…
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『26日に始まったEU首脳会議で、スロバキアのフィツォ首相はフォンデアライエン欧州委員長と面談し、支援停止の意向を伝えた。フィツォ氏が率いる左派スメルは9月30日のスロバキア国内の総選挙で第1党となり、同氏は10月25日、自身4度目となる首相に再就任した。
2022年2月のロシアによる侵攻後、先んじてウクライナに防空ミサイルと戦闘機を供与したのがスロバキアだった。その後は目立った支援はなかったが、ウクライナに隣接するスロバキアを通って供与される他国の武器をどう取り扱うかなど、新たな問題が生じることになる。
EUは27年までの長期予算計画の中で、新たにウクライナへの500億ユーロの金融支援などを盛り込むことを検討している。EUのミシェル大統領は27日未明の記者会見で「難しい議論になるが、優先事項については共通認識がある」と述べ、23年末までに計画見直しの合意を目指す考えを示した。
フィツォ氏はウクライナの汚職問題を理由に金融支援に難色を示している。ハンガリーのオルバン首相も「健全な提案でない限り、ウクライナに資金を配分するつもりはない」と記者団に語った。
EU予算計画の修正には、加盟27カ国すべての同意が必要になる。首脳会議にオンライン形式で参加したウクライナのゼレンスキー大統領は「国内公職者の財務状況を監視する法律に署名した」と汚職対策の強化をアピールしたが、難航は避けられない見通しだ。
一方、17日の訪中時にロシアのプーチン大統領と会談したオルバン氏に対する不信感も広がる。オルバン氏は自身の行動について「誇りに思っている」と弁明しているが、リトアニアのナウセーダ大統領は「間違ったメッセージを送ることになる」と批判した。
エストニアのカラス首相は「EUはなんとか団結を維持してきたが、ハンガリーについては間違いなく(団結が)難しくなっている」と述べ、オルバン氏と直接協議する考えを示した。支援疲れに加え、イスラエル支援との同時進行によるかじ取りの難しさから足並みの乱れが目立ち始めている。』