米下院議長に共和ジョンソン氏、3週間超の空席解消
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN170860X11C23A0000000/
『【ワシントン=坂口幸裕】米連邦議会下院は25日、新しい議長に野党・共和党のマイク・ジョンソン氏を選出した。下院で多数派を握る共和の賛成多数で当選に必要な過半数を獲得した。共和の内紛によるマッカーシー前議長の解任から3週間超に及んだ空席を解消した。
マッカーシー氏が3日に解任された後、下院共和は所属議員の投票で計4人の議長候補を選んだ。ジョンソン氏に先立つ3人の候補は下院採決で過半数を獲得するメド…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
『ジョンソン氏に先立つ3人の候補は下院採決で過半数を獲得するメドが立たず議長就任を断念。24日に4人目の候補になったジョンソン氏がようやく下院採決で過半数を得る異例の展開をたどった。
ジョンソン氏は南部ルイジアナ州選出で現在51歳。弁護士を経て、16年の連邦議会下院選で初当選した。現在4期目。米メディアによると、米政府が議会に早期可決を求める対ウクライナ追加予算案には消極的な姿勢を示している。
トランプ前大統領に近く、2020年大統領選での敗北を認めない前大統領に同調して選挙結果の認定に異議を唱えた。前大統領は25日、自身のSNS(交流サイト)で共和所属議員に「マイク・ジョンソンと共に歩み、なし遂げることを強く促す」と投稿した。
下院議長は大統領の継承順位が副大統領に次ぐ2位の要職だ。①議員の委員会配置②採決する法案の委員会への送付③可決された法案や決議に署名――などの権限を持つ。上院や政府との交渉も担い、議会で優先処理する法案を決められる立場にある。
現在の下院(定数435)の構成は共和が221、民主党が212、空席が2。25日の投票の結果、ジョンソン氏が当選に必要な半数を超える220票を獲得した。民主党のジェフリーズ院内総務は209票だった。
機能不全に陥っている米議会は処理すべき課題が山積する。バイデン政権は年内の枯渇が指摘される対ウクライナ向けと、イスラム組織ハマスから攻撃を受けたイスラエルなどへの追加予算を一体で可決させるよう議会に要請した。
9月末に成立したつなぎ予算は11月中旬までしか予算執行を継続できないため、政府閉鎖を回避するには新たな予算措置が必要になる。
下院の議長選では過半数を得る候補が出るまで投票を繰り返すルールがある。1月の議長選では造反を続けた共和保守強硬派との条件闘争の末、マッカーシー氏が15回目の投票で過半数を獲得。同氏は9月末に成立したつなぎ予算を巡る対応に党内から不満が出て、3日に米国史上初めて下院議長を解任された。
【関連記事】
・米議長解任から10日、権力空白続く 議長候補に強硬派
・米下院、党利優先で空転 初の議長解任で経済・安保に影
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
上野泰也のアバター
上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
コメントメニュー
ひとこと解説 保守派というより「トランプ派」の米下院議長が誕生したと言える。トランプ前大統領に同調し、20年大統領選の選挙結果認定に異議を唱えた。下院議長を選ぶ投票の前にトランプ氏がジョンソン支持を強く打ち出したほか、「2016年に初当選したジョンソン議員は、ここ数十年で最も経験の浅い下院議長となる。このため政敵が少なかったことも、議長選出の一助となった」(ロイター通信)。下院議長が決まらないままでは対イスラエル支援に動くことができないという焦りも、ジョンソン氏支持で共和党が団結することにつながったとみられる。
2023年10月26日 8:02』