米海兵隊・即応部隊もイスラエル沖へ 地上作戦可能に

米海兵隊・即応部隊もイスラエル沖へ 地上作戦可能に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN171VS0X11C23A0000000/

『【ワシントン=中村亮】米海兵隊の即応部隊がイスラエル沖に展開することが16日、分かった。米政府当局者が日本経済新聞の取材で明らかにした。イスラエルでの地上作戦が可能になり、イランや親イラン勢力への抑止力を強める。

第26海兵遠征部隊がイスラエル沖に展開する。米海軍協会によると、同部隊が乗船する強襲揚陸艦バターンは16日時点でオマーン沖に展開している。米政府当局者は詳細な配備先について言及を避けたが、紅海を通って東地中海に向かう可能性がある。

第26海兵遠征部隊は有事の最前線で活動する部隊の一つと位置づけられている。上陸作戦が可能で、敵の攻撃下で活動して後続部隊が作戦に参加する環境をつくる役割を担う。2000人程度で構成し、大規模な退避作戦も実行できる。

米政府当局者は「任務は現時点で決まっていない」と話し、イスラエル情勢の変化に応じて柔軟に任務を決める方針を示唆した。

米軍は地上で活動できる海兵隊の部隊も待機させて、イスラエルをめぐる軍事作戦の選択肢を増やす。これまで空母ジェラルド・フォードとドワイト・アイゼンハワーを東地中海に展開し、F15戦闘機やA10攻撃機の中東地域への配備も決めていた。

これとは別に国防総省は17日、オースティン国防長官が約2000人の人員に中東への派遣準備を進めるよう指示したと発表した。ジェラルド・フォードについて6カ月間を予定していた活動期間の延長を決め、東地中海への配備が続く見通しだ。

パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスは7日、イスラエルに奇襲攻撃を仕掛けた。

米国防総省のシン副報道官は16日、記者団に「国防総省は紛争をガザにとどめて他者の介入を抑止することなどに重点を置いている」と話した。

米軍が東地中海や中東地域で戦力を増強するのは、イランやレバノンの親イラン武装組織ヒズボラがイスラエルでの戦闘に加わらないように抑える狙いが大きい。ヒズボラが本格参戦すればイスラエルはガザと合わせて二正面作戦を強いられる。

イスラエル軍はガザへの地上侵攻を準備するが、米軍は加わらない方針だ。米国はハマスが連れ去った人質を解放するため、イスラエル軍へのアドバイスを担う専門家をイスラエルに派遣している。 』