ハマスのイスラエル攻撃「断固非難」 G7が共同声明

ハマスのイスラエル攻撃「断固非難」 G7が共同声明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA12DJW0S3A011C2000000/

『【マラケシュ=スレヴィン大浜華】主要7カ国(G7)は12日、財務相・中央銀行総裁会議を開き、共同声明を発表した。中東情勢を巡り「(イスラム組織)ハマスによるイスラエルに対するテロ攻撃を断固として非難し、イスラエル国民との連帯を表明する」と明記した。

日本は2023年のG7議長国を務める。日本からは鈴木俊一財務相と日銀の植田和男総裁が出席した。鈴木氏は会議後の記者会見で、イスラエル情勢について日本から深刻な憂慮を表明したと明らかにした。多くの国からも懸念や非難が表明されたと説明した。

植田氏は世界経済に与える影響について「新たな不確実性が付け加わった。現状では世界経済の見通しに大きな変更を迫るようなところまではいっていない」との見方を示した。
会議にはウクライナのマルチェンコ財務相も参加した。共同声明にはウクライナに対する財政支援を継続する方針を記した。

ロシアへの制裁として凍結した資産をめぐっては、欧州連合(EU)で資産から生じる利子をウクライナの復興費用として活用する案が浮上している。国際法に抵触する恐れがないかなど慎重な検討を要している。

共同声明では「どのようにウクライナ支援と復旧・復興に向け得るか、適用可能な法令に適合するかたちで探求する」と盛り込んだ。ロシアがウクライナ侵攻で生じた損害分を支払うまでロシアの国家資産の凍結を続ける方針を改めて確認した。

中所得国として初めて債務不履行(デフォルト)状態に陥ったスリランカの債務再編にも触れた。再編条件の調整を進める債権国会合について「大きな進展を歓迎し、迅速な解決を期待する」と言及した。

11日には同国の債権国会合の議長を務める日本、フランスとインドが会合を開いたが、再編条件の合意には至らなかった。

11日に発足した脱炭素分野のサプライチェーン(供給網)強化に向けた新枠組みについて「成功裏の立ち上げを歓迎する」と盛り込んだ。同日時点では日英韓、カナダ、イタリアが参加し、計4000万ドル超の貢献を表明している。日本の財務省は参加国は今後も拡大する見込みとしている。

G7は9日から開かれている国際通貨基金(IMF)・世銀の年次総会に合わせて開催した。12日の会議では世銀の改革やIMFの出資割当額(クオータ)見直しについても意見を交わした。

共同声明はモロッコとアフガニスタンの地震、リビアで起きた洪水にも触れ「犠牲者と家族に深い哀悼の意を表明する」と記した。必要な支援の提供にコミットするとした。』