【随時更新】イスラエル軍 数日以内に地上侵攻か 緊迫度増す
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231013/k10014223621000.html
※ 今日は、こんな所で…。


『2023年10月13日 15時15分
イスラエル軍は、イスラム組織ハマスが実効支配するガザ地区への地上侵攻も辞さない姿勢を強めている一方、ハマスは、イスラム教徒が集団礼拝を行う金曜日にあわせて抗議行動を呼びかけています。
緊迫の度合いが増すなか、フランスやアメリカなど各国がチャーター機などで自国民の退避を進めています。
※13日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
目次
イスラエル軍 ガザ市の全民間人にガザ地区南部への退避を通告
専門家「地上侵攻は準備が整い次第始まるだろう」
ハマスが今月7日にイスラエル側に大規模な攻撃をしかけたことを受け、イスラエル軍は報復作戦として、ハマスが実効支配するガザ地区への激しい空爆を続けていて、双方の死者があわせて2700人を超えました。
こうした中、イスラエル軍は、ガザ地区の周辺に大規模な部隊を展開させ、地上侵攻も辞さない姿勢を強めています。
一方、ハマスはこれまでにイスラム教徒が集団礼拝を行う金曜日にあわせてパレスチナ人や周辺のアラブ諸国を含め、世界の人々に対し、連帯を示して抗議行動に加わるよう呼びかけています。
緊迫の度合いが増すなか各国がチャーター機などを用意して自国民をイスラエルから国外に退避させる動きもでています。
ロイター通信によりますとフランス政府は、国外への退避を希望したフランス人およそ380人をチャーター機で退避させ、12日、パリに到着しました。
また、アメリカ・ホワイトハウスも退避を希望する自国民のために13日からチャーター機を用意すると発表しました。このほか、車や船などを使った退避についても検討しているとしています。
イスラエル軍 ガザ市の全民間人にガザ地区南部への退避を通告
イスラエル軍は13日午前7時すぎ、日本時間きょう午後1時すぎに声明を出し、ガザ市に住むすべての民間人に、ガザ地区の南部に退避するよう通告したことを明らかにしました。
声明ではイスラエルとの境界のフェンスには近づかないよう警告するとともに、今後、数日間、イスラエル軍はガザ市で大規模な作戦を継続し、民間人に危害を加えないよう努力を続けるなどとしています。
国連のデュジャリック報道官によりますとガザ地区にある国連の事務所は12日、イスラエル軍から、ガザ地区北部にいるパレスチナ人などすべての住民が24時間以内に地区の南部に退避する必要があるとの通知を受けたということです。対象となるのは国連のスタッフや、国連の施設に避難している人々を含むおよそ110万人にのぼるとしています。
これについてアメリカのメディア、ブルームバーグはイスラエル軍による報復のための地上侵攻がまもなく行われることを示唆していると報じています。
国連のデュジャリック報道官は「このような移動は、破滅的な人道上の問題なしに不可能だと考えている」としてイスラエル側に退避通知の撤回を求めるとしています。
専門家「地上侵攻は準備が整い次第始まるだろう」
イスラエルの安全保障に詳しいエルサレム戦略安全保障研究所のエフライム・インバール所長は12日、NHKの取材に対し「地上侵攻は準備が整い次第始まるだろう」と述べ、早ければ数日以内に地上侵攻が始まる可能性があると指摘しました。
《各国の反応》
日本政府 邦人の国外退避支援 チャーター機手配へ
イスラエル・パレスチナ情勢が緊迫の度合いを増していることを受け、アメリカなど各国では、イスラエルから自国民を退避させる動きが出ています。
松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で、日本政府としても、イスラエルにいる日本人の国外退避を支援するため、14日に現地のテルアビブを出発し、UAE=アラブ首長国連邦のドバイに向かうチャーター機1機を手配することを明らかにしました。
その上で「現地の情勢は非常に流動的で、この機会に改めて希望する方に早期に出国いただくよう呼びかける。政府としては、関係国や関係機関と連携しつつ引き続き邦人の安全確保に万全を期したい」と述べました。
また、今後、自衛隊機を派遣する可能性については「状況の推移を見極めながら適切に対応していく」と述べました。
これに加え、政府は、チャーター機の運航が滞るなどの不測の事態に備えて、対応に万全を期したいとして、周辺国で自衛隊の拠点があるジブチに自衛隊機を派遣することも検討しています。
調整がつけば、外務省が防衛省に派遣を要請し、具体的な準備に入ることにしています。
政府によりますと、これまでにイスラエルにいる日本人の生命や身体に被害が及んでいるとの情報は入っていないということで、関係国や関係機関とも連携しながら、引き続き邦人の安全確保に全力を挙げる考えです。
帰国した駐在員「これまでとは違う危険度の高さを感じた」
JETRO=日本貿易振興機構によりますと、イスラエルに日本から駐在員を派遣している企業はおよそ30社あり、13日時点で1人の駐在員を除いて、国外に退避したということです。
このうちおととしから南部の商業都市テルアビブに駐在していた東京のコンサルティング会社に勤める男性は、11日、家族で帰国しました。
男性は「地上戦になる可能性があるということで、日本企業もかなり危機感を高めています。現地の同僚の中にも軍に招集された人がいて、これまでとは違う危険度の高さを感じました」と話しました。帰国直前のテルアビブは多くの商店が営業が取りやめ、街は閑散としていたということで、今後はオンラインで現地とつなぎながら、仕事を続けていくということです。
男性は「軍に招集された同僚の1人は北部の前線のレバノンの国境のほうに行くと話していました。2年半滞在し、多くの友人や同僚もいるので本当に無事でいてほしいという気持ちです。とにかく早く戦闘が収まりイスラエルに戻って仕事をしたり、お酒を飲んだりして友人と再会できる日が来ることを祈っています」と話していました。
また長期出張で先月からテルアビブに滞在していた金融関係の会社に勤める男性も11日、予定を切り上げて、帰国しました。
男性は「現地の人から、今はこの10年で経験したことのない状況なので帰れるなら帰った方が良いと言われ、帰国することになりました。こんなことが同じ世界で起こるなんて、ひと言では言えない感覚です。早く争いが終わって日常に戻ってほしいです」と話していました。
イギリス空軍 P8哨戒機が監視活動 航空支援艦を派遣へ
イギリス政府は、イスラム組織ハマスとの戦闘を続けるイスラエルを支援するため、13日から周辺上空で空軍のP8哨戒機が監視活動にあたるほか、来週から東地中海に海軍の揚陸艦と、ヘリコプターが発着できる航空支援艦を派遣すると発表しました。
地域の安定を脅かすテロ組織への武器の移転などを監視するとともに、イスラエルや友好国に抑止力と安心感を与えるとしています。
このほか、キプロスなど周辺地域に駐留・展開しているすべての部隊に、イスラエルでの不安定な状況が近隣諸国に波及した場合の備えを強化するよう指示したということです。
スナク首相は「わが国の軍隊と外交チームは、国際的なパートナーたちが安全を再び確保するとともに、ハマスのテロリストの野蛮な攻撃による、罪のない何千人もの犠牲者に人道援助を確実に届けられるよう支援していく」とコメントしています。
東地中海には、すでにアメリカが空母打撃群を派遣していて、イランや、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラをけん制するねらいもあるとみられています。
米 ブリンケン国務長官 アラブ5か国訪問へ
中東を訪問中のアメリカのブリンケン国務長官は、イスラエル・パレスチナ情勢が緊迫の度合いを増す中、衝突が拡大するのを防ぐため、アラブの5か国を訪れると発表しました。
アメリカのブリンケン国務長官は12日、訪問先のイスラエルで記者会見し、このあと15日にかけてヨルダンやサウジアラビア、UAE=アラブ首長国連邦、エジプト、カタールの5か国を訪問すると明らかにしました。
このうちヨルダンでは、パレスチナ暫定自治政府のアッバス議長とも会談するとしています。
イスラエル軍が、イスラム組織ハマスが実効支配するガザ地区への地上侵攻も辞さない姿勢を強めるなど、緊迫の度合いが増す中、衝突が拡大するのを防ぐとともに、ハマスに捕らえられた人質の解放に向けて各国が影響力を行使するよう働きかけるためだとしています。
また、ブリンケン長官は、ハマスが大規模な攻撃に踏み切った理由について問われると「明確な答えはない」としながらも「われわれはイスラエルとサウジアラビアの国交正常化に向けて支援してきた。誰が正常化に反対しているのか。ハマスと、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ、それにイランだ」と述べ、イスラエルとサウジアラビアの国交正常化の妨害をねらった可能性があるという見方を示しました。
一方、アメリカ国防総省の高官は記者団に対し、イスラエルの安全への関与を示すため、オースティン国防長官が13日にイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相やガラント国防相と会談すると明らかにしました。
アメリカ 自国民退避にチャーター機を用意
イスラエルで各国の航空会社が相次いで欠航を決める中、アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は12日、イスラエルにいるアメリカ人のうち国外への退避を希望する人たちのために、13日からチャーター機を用意すると発表しました。
このほか、車や船などを使った退避についても検討しているとしています。アメリカ国務省は、11日にイスラエルへの渡航の安全度を示す情報を、4段階で2番目に厳しい「渡航の再検討を求める」に引き上げていました。
EU委員長らイスラエル訪問へ
EU=ヨーロッパ連合はフォンデアライエン委員長とヨーロッパ議会のメツォラ議長が13日、イスラエルを訪れると発表しました。
イスラム組織ハマスによる攻撃の犠牲者への連帯を示し、イスラエルの政権幹部と会談するためだとしています。
《外国人の死者・人質の状況》
アメリカ 27人の死亡確認
アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は12日、ハマスによる攻撃で、これまでにアメリカ人27人の死亡が確認されたと発表しました。
フランス 13人死亡 子ども含む17人行方不明
フランスのマクロン大統領は12日、地元のテレビ局の番組での演説で、ハマスの攻撃でこれまでにフランス人13人が死亡し、子どもを含む17人が行方不明となっていると明らかにしました。その上で、行方不明者について、「イスラエル当局や関係国とともに、彼らが安全に帰還できるよう全力を尽くす」と述べました。
イスラエルの専門家「人質は二の次にすぎない」
イスラエルの安全保障に詳しいエルサレム戦略安全保障研究所のエフライム・インバール所長は、イスラエル軍が地上侵攻に踏み切るタイミングについて「侵攻の規模にもよるが、準備が整い次第始まるだろう。奇襲をかけるかもしれないし、ハマスを緊張させるために時間をかけるかもしれない」と述べ、早ければ数日以内にも始まる可能性があると指摘しました。
また、ハマス側が捕らえている多くの人質については「軍事作戦の観点からは、人質は二の次にすぎない。人質の救出に小規模な部隊が動くかもしれないが、主な目標はハマスの軍事能力の消滅だ」と述べ、人質の存在がイスラエル側に地上侵攻をためらわせることは考えにくいと分析しています。
さらに、イスラエルが封鎖を続けるガザ地区の人道状況が悪化し、国際社会が懸念を示していることについては、「私たちはこうした事態をこれまでも経験している。国際社会はいつも受け身で、ガザに対して同情を示すが、何も行動は起こさない。国際世論には限界があると思う」と述べ、イスラエル側の判断に影響しないだろうと指摘しました。
そして「中東では、弱いと見なされると侵略を招く。ハマスがイスラエルをいま攻撃した理由のひとつは、われわれの内政の混乱にある。ハマスはイスラエルが弱いと評価し、だからこそ攻撃してきたのだ。抑止力を回復させることが、イスラエルが生き残るための鍵だ」と述べ、今回の報復作戦はイスラエルの自衛のためにも必要だと主張しました。
ICRC 「ハマスと連絡取っている」
多くの人が人質になっていることについて、ICRC=赤十字国際委員会のカルボーニ中東事業局長は12日、スイスでロイター通信の取材に応じ「現在、ハマスと連絡を取っていて、人質を人道的に扱う義務があると呼びかけている」と明らかにしました。
その上で「ICRCは中立的な仲介者の役割を果たさなければならない」と述べ、人質の無条件の解放に向けてハマスに働きかけていく考えを示しました。
一方、カルボーニ氏はガザ地区の人道状況について「最悪の事態に備えている。ただ、どこまで悪くなるのかもわからない」と述べ、イスラエル側が地上侵攻に踏み切ることに懸念を示しました。
人質の家族が悲痛な思い明かす
イスラム組織ハマスへの軍事作戦を続けるイスラエルがガザ地区への地上侵攻も辞さない姿勢を強める中、ハマスに捕らえられた人質の家族がNHKの取材に応じ、悲痛な思いを明かしました。
取材に応じたのは、エルサレムに住むカリーナ・アリエブさんの家族です。
19歳のカリーナさんは、去年10月に徴兵され、ことし1月からガザ地区との境界沿いにあるイスラエル軍の基地で任務にあたっていましたが、今月7日に基地がハマスによる襲撃を受け、カリーナさんは拘束されたとみられています。
家族がSNSで見つけた、ハマスによる襲撃のあとの様子を撮影したとみられる動画には、カリーナさんがほかの女性2人とともに、車の中でぐったりと横たわる姿が映っていました。
自宅のカリーナさんの寝室のベッドには、本人の写真や、安否を気遣う友人からの手紙などが置かれていて、姉のサーシャさんは、カリーナさんのお気に入りのぬいぐるみを抱いて無事を祈っていました。
サーシャさんは「ガザ地区の近くでの任務は怖かったと思うが、妹は責任感が強く、国のためだと考えていました。動画を初めて見たときは信じられない気持ちでしたが、間違いなく妹でした」と話していました。
行方不明になってから5日がたってもカリーナさんの安否は分からず、家族3人は食事がのどを通らず、夜も満足に眠れないと言います。
自宅では一日中テレビをつけて、カリーナさんら人質についての新たな情報が入るのを待ち続けています。
一方で、イスラエル政府がハマスに対し地上侵攻など強硬な軍事作戦を進めようとしている現状を、悲痛な思いで見ています。
父親のアルベルトさんは「地上侵攻を進めることがよいことなのか、私には分かりません。私が望むのは娘が無事に帰ってきてくれることだけです」と、涙を浮かべながら話していました。
また、サーシャさんは「ガザ地区を空爆し封鎖を進めるだけでなく、市民のことを考えるべきで、まずは人質の解放のための交渉を始めるべきです。政府は作戦のことばかり話し、人質のことを忘れています」と話し、国際社会がイスラエル政府に対し、人質解放に向けた行動をとるよう呼びかけてほしいと訴えていました。
イギリス 人質の家族が会見“人質解放と事態打開を”
イスラエルでは、ハマスの攻撃で外国人を含む100人以上が人質になっていて、イギリスの公共放送BBCは、子どもを含むイギリス人17人が死亡したり行方不明になったりしていると伝えています。
こうした中、家族を人質にとられたというイギリス国籍の2人が12日、ロンドン市内のホテルで記者会見しました。
このうち、80代の両親がハマスに連れ去られたというシャロン・リフシッツさんは「彼らは私たちから多くのものを奪った。私の85歳の母は、バイクか何かに乗せるために酸素を吸入する装置をはずされベッドから連れ出された」と涙ながらに話しました。
また、75歳の母親が人質になっているというノーム・サギさんは「私がここにいるのは、子どもや母親、それにお年寄りの解放のため助けを求める必要があるからだ」と述べ、国際社会の支援を求めました。
サギさんは、記者会見のあとNHKのインタビューに応じ、各国政府に望むことについて「状況がエスカレートすれば人質の解放はうまくいかないと思う。交渉によって事態を打開する方法が見つかることを願っている」と話していました。
英 BBC「テロリスト」表現で論争
イギリスでは、ハマスによるイスラエルへの攻撃でイギリス人17人が死亡、または行方不明になっていると報じられ、スナク首相など政府高官はハマスを「テロリスト」と呼んで非難しています。
こうした中、BBCは「『テロリスト』ということばは理解の助けよりも妨げになる可能性がある」などとする編集ガイドラインに基づき、発言を引用する場合を除いて「武装勢力」などという表現にとどめています。
これに対してシャップス国防相は11日のラジオ放送で「ハマスはイギリスで違法なテロ組織に指定されている。武装勢力などではなく、まさしくテロリストだ」と批判しました。
12日には、家族を人質にとられている男性が会見でBBCの記者に「テロリスト」ということばを使うよう求めたほか、BBCに出演したイスラエルの代理大使もキャスターに強い口調で迫りました。
BBCはホームページで「私たちの役割は、視聴者がみずから判断できるよう、現場で何が起きているか正確に説明することだ」などと編集方針を説明しています。
NATO イスラエルへの連帯示すも 釣り合いを求める
NATO=北大西洋条約機構は12日、ベルギーの本部で国防相会議を開き、イスラエルのガラント国防相からオンラインで、イスラム組織ハマスによる攻撃やイスラエルの報復作戦の状況について説明を受けました。
NATOによりますと、会議の中でストルテンベルグ事務総長は、ハマスによる攻撃に対し、NATOとして最も強いことばで非難するとした上で、イスラエルへの連帯を示したということです。
一方、会議のあとの記者会見で、イスラエルの報復作戦についての認識を問われたストルテンベルグ事務総長は「戦争にはルールがあり、釣り合いをとることが求められる。加盟国の多くが、ハマスによる虐殺と暴力を明確に非難すると同時に、この点を強調した」と述べました。
ストルテンベルグ事務総長は前日の記者会見でも、イスラエルの対応をめぐって「罪のない民間人の命が失われることを防ぐため、できるだけの手段を尽くすことが重要だ」と述べていて、自衛する権利を認めながらもイスラエルに自制を求めています。』