米国、イスラエルの戦線拡大を警戒 高官「空母で抑止」

米国、イスラエルの戦線拡大を警戒 高官「空母で抑止」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1001Q0Q3A011C2000000/

『【ワシントン=中村亮】米国防総省高官は9日、レバノンの親イラン武装勢力ヒズボラがイスラエルでの戦闘に加わるシナリオに懸念を示した。米軍の空母打撃群が長距離攻撃の役割を担うと明言し、戦線拡大を防ぐ考えを強調した。

高官は記者団に対し、パレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスによるイスラエル攻撃に関して過激派組織「イスラム国」(IS)に匹敵する残忍さと非難した。「オースティン国防長官はイスラエルの自衛権を明白に支持する」と話した。

東地中海に展開する予定の原子力空母ジェラルド・フォードを中心とする空母打撃群に関し「イランやヒズボラなどへの抑止のシグナルだ」と説明した。「この戦闘に参加して緊張を拡大させようとする敵はそれを再考すべきだ」と明言した。

イスラエル軍は9日、ガザへの地上侵攻に向けて境界に10万人を待機させていると明らかにした。ヒズボラがイスラエル北部から砲撃を拡大したり、越境攻撃をしたりすれば、イスラエル軍は2面作戦を強いられる。

国防総省高官は空母打撃群について「情報収集や海洋支配、長距離攻撃といった幅広い任務をこなせる」と話した。戦線が拡大する場合などを念頭に米軍がイスラエル防衛に直接関与する可能性を排除しない構えを見せた。

空母ジェラルド・フォードは9日、X(旧ツイッター)で「船員はいつでも、どんなものに対しても準備が整っている」と発信した。船員が艦載機を整備する様子を示し、即応態勢が整っているとアピールした。

国防総省高官はイスラエルに弾薬を早期に供給するとも重ねて言明した。「極めて重要になる多くの種類の弾薬やその他の装備品を可能な限り早く送るために取り組んでいる」と述べた。防空弾などを送る見通しだ。

バイデン政権はロシアと戦うウクライナ軍にも大規模な武器支援をしている。高官は「ウクライナとイスラエルを支援しつつ、我々の世界での即応性も維持できる」と訴えた。

中東地域で戦線が拡大してイスラエル支援が長引けば、ウクライナ支援に影響が及ぶシナリオは排除できない。米国は弾薬を中心に武器の増産を急いでいる。』