英高速鉄道計画を縮小 費用膨張、財源をバスなどに転用

英高速鉄道計画を縮小 費用膨張、財源をバスなどに転用
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR040FJ0U3A001C2000000/

『【マンチェスター=江渕智弘】スナク英首相は4日、イングランドの南北をつなぐ高速鉄道計画を縮小すると表明した。費用が想定より大きく膨らんだため、一部区間の建設を断念する。浮いた財源を別の鉄道や道路、バスなどの地方交通の充実に充てる。

計画は次世代高速鉄道「ハイスピード2(HS2)」と呼ばれる。南東部ロンドンと中南部ウェストミッドランズのバーミンガム、さらに中部マンチェスターといった都市を最高時速3…

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『南東部ロンドンと中南部ウェストミッドランズのバーミンガム、さらに中部マンチェスターといった都市を最高時速360キロメートルで結ぶ予定だった。

車両製造は日立製作所の鉄道子会社の日立レールとフランスの鉄道大手アルストムが共同で担う。

2029〜33年の開業をめざしてロンドン―バーミンガム間の工事が進む。スナク氏は4日、マンチェスターでの与党・保守党大会の演説で「HS2の残りの計画を中止する」と述べ、マンチェスターまでの延伸を取りやめると表明した。

土地取得や環境、安全対応などの費用が膨らんでいたところにインフレによる資材高や人件費の高騰が重なった。想定をはるかに超えるコストが問題視されていた。

見直しで浮いた360億ポンド(約6兆5000億円)を北部や中部など全国の新たな交通プロジェクトに再投資すると話した。

集まった支持者からは巨額の再投資を評価する声が多い一方、地方を軽視しているとの意見もあった。英国は日本以上に首都と地方の経済格差が大きいとされる。保守党政権はこれまでHS2を地域活性化の柱のひとつに位置づけてきた。

演説では喫煙者人口を減らすため、たばこを買える年齢を毎年1歳ずつ引き上げることを提案した。「現在14歳の人は(大人になっても)買えない」と説明した。

学校教育などについても新たな政策を相次いで打ち出した。25年1月までに実施する次期総選挙で保守党は苦戦が予想される。

ジョンソン政権の不祥事やトラス政権の減税表明による混乱などの印象が残る。1時間におよぶ演説で保守党の刷新を印象づけることを狙ったとみられる。 』