欧州初のリチウム工場、ドイツ北部に建設へ 脱中国戦略

欧州初のリチウム工場、ドイツ北部に建設へ 脱中国戦略
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR04CZV0U3A001C2000000/

『【フランクフルト=林英樹】欧州で初となるリチウムの精製工場がドイツ北部で立ち上がる。ルクセンブルクの化学新興リビスタ・エナジーが4日までに、工場建設に関する土地のリース契約を結んだ。欧州は電気自動車(EV)向け車載電池に欠かせない重要鉱物を中国からの輸入に頼っており、経済安全保障の観点から域内調達の拡大を進めている。

リチウム精製工場は独北部の港湾都市エムデンに建設予定で、2026年に稼働を始め…

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『リチウム精製工場は独北部の港湾都市エムデンに建設予定で、2026年に稼働を始める。リビスタは32ヘクタールの干拓地をリースで利用する契約を結び、年最大4万トンの車載電池性能の精製リチウムを加工する。一般的なEVで85万台分の供給量に上る。

当初はオーストラリアやアフリカなどで採掘されたリチウムの精製が中心となる。EVが普及する30年までには「工場の生産能力の50%は(廃棄された車載電池から取り出した)リサイクル原材料が占めることになる」(同社)。将来的には2倍の年8万トンへの能力拡張も検討する。

国際エネルギー機関(IEA)の試算では、世界のリチウム加工・精製の65%を中国が占めている。一方、EVの販売増から22年のリチウム需要はその5年前と比べ3倍に急伸した。同じく車載電池材料として使われるコバルトやグラファイトの加工でも中国のシェアは高い。

EVの本格普及に備え、欧州連合(EU)は中国以外の国からの代替調達と域内生産に本腰を入れる。

ただ課題もある。リビスタは今回の計画で「よりクリーンで持続可能な供給網と回復力をつくりあげる」とするが、リチウムの精製には大量の水に加え、有害な副産物の処理が必要になるため、水不足や土壌汚染など環境負荷への懸念は消えていない。

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