侵攻587日目、戦場に目立った動きはなくウクライナ支援は変化の兆し

侵攻587日目、戦場に目立った動きはなくウクライナ支援は変化の兆し
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/there-is-no-noticeable-movement-on-the-battlefield-but-support-for-ukraine-is-a-sign-of-change/

 ※ 『多くの加盟国は「660億ユーロに含まれるウクライナへの追加財政支援は合理的だが、他の要素(高額な金利支払いをカバーする費用190億ユーロ、EU職員の給与引き上げ費用20億ユーロ、移民対策費用150億ユーロなど)はEUの予算管理問題の結果をカバーするためのもので資金拠出に値しない」と反対している。』…。

 ※ ここいら辺は、EUという組織に内在する問題で、ずーっと言われ続けてきたことだ…。

 ※ ブレグジット賛成派の、主張したところでもある…。

 ※ 下の方の「コメント」では、「ウクライナ、終わりの始まり」論が多いようだ…。
 ※ しかし、「戦況分析」「軍事分析」では、スロビキンラインの「一次防衛線」の一部を突破して、「二次防衛線」に取りついている…。
 二次、三次は、「一次」よりも防御力が低いハズなので、「機甲師団」「機械化師団」を投入できれば、「一気に」突破も可能のハズ…、という分析が多いように見受けられる…。

『ウクライナ軍とロシア軍の戦いは約2週間ほど「決定的な動き」が観測されていないものの、ウクライナ支援を取り巻く環境には大きな変化が見られ、EU外相会談の参加者は「将来起こりうることの前兆かもしれない」と心配している。

参考:Wallace told Sunak to give £2bn more to Ukraine
参考:Britain has ‘run out of arms to send to Ukraine’
参考:Why the EU frets over the prospect of fading support for Ukraine
参考:EU’s €86bn budget battle casts shadow over Ukraine funding
参考:Brussels to unfreeze Hungary funds as it seeks help for Ukraine
参考:США присылали Украине призыв усилить борьбу с коррупцией

EUも全会一致という問題に直面しているため、欧米のウクライナ支援は機能不全に陥りつつある

ウクライナ軍とロシア軍の戦いは約2週間ほど「決定的な動き」が観測されていないものの、ウクライナ支援を取り巻く環境には大きな変化が見られ、米下院は連邦政府機関の閉鎖を回避する「つなぎ予算(短期資金調達法案)」を成立させるため「ウクライナ支援資金=60億ドル」を除外、スロバキアでも「もうウクライナに1発の弾薬も送らない」と約束したSMERが選挙で勝利し、2週間後に選挙を控えるポーランドでも穀物問題で対立するウクライナへの政治的攻撃を強めているが、英国や欧州でも変化が観測されている。

出典:UK Ministry of Defence

8月末に国防相を辞任したウォレス氏は1日「これまでに計46億ポンド(2022年と2023年に23億ポンドづつ)の支援をウクライナに約束したが、もう英国は欧州最大の支援国ではなくなっており、その地位はドイツのものになっている。そのため辞任前にウクライナ支援の増額(最低でも23億ポンド=約4,000億円)を首相に要請した」と明かしたため、Telegraph紙は「ウォレス氏の発言を踏まえてスナク首相はウクライナ支援に対するコミットメントが揺らぐことはないと口にしなければならなかった」と報じたが、英国軍関係者は「もう支援できるモノが残っていない」と訴えた。

Telegraph紙の取材に応じた英国軍関係者は「我々も提供できるものは全て提供したが、ウォレス氏が要求した数十億ポンドの追加支援は英国の責務ではない。我々の役割はより多くの資金と武器をウクライナに提供するよう他国に促すことにある。英国も引き続きウクライナに提供する装備品の調達を続けるつもりだが、我々は彼ら真に必要としている防空システムや大砲の砲弾を(過去の支援で)全て使い果たしてしまった」と述べ、もうチャレンジー2を提供するつもりはないと付け加えている。

出典:bundesregierung

Financial Times紙も2日「フランスとドイツの間には政策上の相違が存在する上、マクロン大統領とショルツ首相の個人的な相性も良くないためEUの重要政策に関する決定に遅れが生じている。

この中にはウクライナ向けの財政支援に関する交渉も含まれており、EUの関係者は『マクロンとショルツが答えを出さないと残りの国がどれだけ話し合っても無意味だが、2人の話し合いは上手く行っていない』と述べている」と、別の記事でも「キーウで開催されたEU外相会議はウクライナ支援を表明する集まりと想定されていたが、実際にはウクライナ存続に関する疑問が支配していた」と指摘。

ある参加者は会議の雰囲気について「(参加者達は)今回の件を将来起こりうることの前兆かもしれないと非常に心配している。

EUは米国が見送った60億ドルを穴埋めすることが出来ないので、米国自身が解決策を出してくるか見守るしかない」と述べており、

Financial Times紙は「米国がウクライナに対する軍事支援の大部分を引き受け、EUがその他の財政支援の大部分を引き受けているため、ロシアと戦うウクライナを維持していくには両方の支援が必要だ」と報じているが、EUも全会一致という問題に直面しているため欧米の支援は機能不全に陥りつつある。

出典:President.gov.ua/CC BY 4.0

EUはウクライナを財政的に支えるため加盟国に「4年間の追加融資パッケージ」を提案、この資金を捻出するため通常予算外に「660億ユーロの上乗せ枠」を設定して加盟国から資金を集めようしているのだが、

多くの加盟国は「660億ユーロに含まれるウクライナへの追加財政支援は合理的だが、他の要素(高額な金利支払いをカバーする費用190億ユーロ、EU職員の給与引き上げ費用20億ユーロ、移民対策費用150億ユーロなど)はEUの予算管理問題の結果をカバーするためのもので資金拠出に値しない」と反対している。

さらにハンガリーのオルバン首相は「法の支配への懸念からブロックされているハンガリー向け資金の開放がなければEUの予算増額には応じない」と主張、

EUは660億ユーロの上乗せ枠を確保するため「ブロック解除」を進めているものの、オルバン政権を厳しく非難してきた欧州議会が反対(ブロック解除を決定する権限はないもののEUの予算増額に関する合意に影響力をもつ)しているため、もう身動きが取れない状況だ。

出典:European Parliament/CC BY-NC-ND 2.0 DEED

EU外務・安全保障政策上級代表のボレル氏も「ウクライナへ軍事支援を提供するため200億ユーロ(年間50億ユーロ×4年)の資金確保したい」と加盟国に訴えているが、

これもハンガリーの同意が必要なため実現できるか怪しく、ここに「もうウクライナに1発の弾薬も送らない」と約束したスロバキアの新政権が加わると全会一致のプロセスは更に複雑になるだろう。

因みに米当局者は「ウクライナが汚職克服に向けた努力を怠れば軍事支援を除く『あらゆる米国からの支援』が危機に晒されるだろう」と警告しており、

米政府はウクライナ政府に対して「汚職克服に向けた目標」を文書で通知、

ウクライナメディアは「もはや支援は一方的なものではなく何かと引き換えでなければ得られない」と報じており、

米政府がウクライナ政府に突きつけた目標の文書は公開されているものの管理人には難しい過ぎて内容が良くわからない。

追記:ウクライナのEU加盟交渉が12月までに開始されると報じらている。

関連記事:ポーランド外相、ウクライナとの2ヶ国関係は衰退期に突入しつつある
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
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投稿者: 航空万能論GF管理人 ウクライナ戦況 コメント: 13 

『 匿名
2023年 10月 04日

返信 引用 

ウクライナの終わりの始まりだな
せめて日本はバスを降りるタイミングを間違えないでくれ
取り残されて国外へ無駄に血税を垂れ流す羽目にだけはならないで欲しい
15

XYZ
2023年 10月 04日

返信 引用 

ウクライナが見捨てられたら中国は台湾侵攻に自信を深める事になるでしょうね。

EUはウクライナ以上に関係ありませんし、アメリカも防衛義務がありません。
更に近隣の日本は専守防衛、韓国は忠犬、ロシアは味方ときています。

不動産バブルが崩壊しつつあり、急速な少子高齢化の進行など中国は今を逃すと台湾侵攻は困難になり、内政失敗を誤魔化す為にも外敵を作る必要もあります。
動機だらけです。

成功すれば次は尖閣諸島、沖縄です。
11

    名無し太郎
    2023年 10月 04日
    返信 引用 

そうかな?時間は中国に味方をするから、時間が経てば経つほど中国は有利になって行くと思う。
今は科学技術の発達が行き詰っているので、アメリカの軍事力は伸び悩んでいる。だから追い上げをかけている中国の方が、圧倒的に有利なはず。差は時間の経過と共に縮まり、いくかは追い付く。
そして中国は専制国家なので、民意を無視して予算を必要なところに集中できる。それにアメリカと違って誤爆を気にしないので、AIに完璧を求めない。これは軍事技術の発達、特に無人機の開発においてはアメリカよりも有利じゃないだろうか?
    名無し
    2023年 10月 04日
    返信 引用 

おっしゃるとおりで、ウクライナを防波堤として世界への波及を防ぐ第一次防衛線が、ついに崩壊したので、
各国が次々と第一次防衛線を放棄して後退し、第二次防衛線の強化に走っているという大局でしょう。
我々も、自国の防衛を強化するために、より第二次防衛線を強化していく必要に迫られてると思います。』