プーチン政権、アフリカで外せぬ「ワグネル」ブランド
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR28DOE0Y3A920C2000000/
※ ああ、思い出した…。
※ この記事だ…。

『ロシアのプーチン政権が民間軍事会社ワグネルのアフリカでの扱いに苦慮している。中東などで組織解体を進めるが、最大の資金源であるアフリカでは創設者エフゲニー・プリゴジン氏の死後も側近が活動を続ける。ワグネルが現地に定着し、複雑な利権構造に手をつけるのが難しいことが背景にある。
「戦闘員の同志たちと関係を維持している」。9月28日、プーチン大統領はモスクワでワグネル元幹部と会合を開いた。大統領府の発表…
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『大統領府の発表ではプーチン氏はウクライナへの志願兵部隊の結成を指示したが、アフリカに残った戦闘員の扱いには触れなかった。
プリゴジン氏がロシアで武装蜂起してから3カ月が経過し、同氏の事故死から40日たった現在もワグネルはアフリカでの活動を継続している。オースティン米国防長官は9月下旬、訪問先のジブチで記者団に「ワグネルは依然として(アフリカ)大陸で重要な存在感を持っている」と語った。
米CNNによると、同行した国防当局高官は「ロシアがアフリカ大陸でワグネルの活動を(正規軍に)吸収している兆候はみられない」と指摘した。「ロシア軍の代表団が多くの国に出向き、正規軍が活動できる機会があるか調べている兆しがある」とも述べた。
アフリカに残存する勢力の扱いを決めるのに時間がかかっているのは、現地に安定をもたらす存在としてワグネルのブランド価値が高まっているためだ。
ワグネルはプーチン政権のために偽情報の拡散など反西側のプロパガンダを手掛ける企業を傘下に持つ。アフリカでもロシア寄りの指導者の支援や世論工作を担い、フランスが近年、各国で駐留部隊の撤退を迫られた要因となった。
こうした工作が最も効果を上げているのは中央アフリカ共和国だ。同国では昨年末に駐留仏軍が撤退した。ロシアでの武装蜂起の失敗後もワグネルの戦闘員がトゥアデラ大統領ら要人の護衛を続けており、7月の任期延長に向けた国民投票に絡む警護にもあたった。
ワグネルのアフリカ利権や宣伝活動を取り仕切ってきたのが34歳とされる若手幹部ドミトリー・シティ氏だ。
パリのビジネススクールを卒業し複数の外国語を使いこなす同氏はプリゴジン氏の側近として知られ、現在も多くのフロント企業を束ねる。中央アフリカの首都バンギではシティ氏の顔をあしらったTシャツを着る若者が増えているという。
アフリカの資源ビジネスに深く食い込み、プーチン政権が再編に二の足を踏む理由とされる。ワグネルはアフリカ各国で反体制派の弾圧を支援する見返りに金やダイヤモンド鉱山の利権を獲得し、軍事作戦の資金源にしてきた。
敵対勢力の小包爆弾で負傷し入院したシティ氏(プリゴジン氏の広報担当のテレグラムチャンネルから)
アフリカのエリート層や軍閥も絡む資源ビジネスの構造はマフィアのような犯罪組織の利権分配との類似性が指摘される。「ビジネスに詳しく、現地の指導者の信頼を得ているシティ氏は代えが利かない存在になっている」(アフリカ駐在の西側外交筋)
プーチン氏が「裏切り者」であるワグネルのアフリカでの存在を長期にわたって許すかは不透明だ。オースティン氏も「ロシア政府がワグネルを他の分子に置き換えるか、大陸での活動を支援するためにロシア軍を利用しようとする可能性がある」との見解を示す。
シティ氏は昨年末、小包爆弾による暗殺未遂事件で数本の指を失った。ロシアメディアの取材に最近、事件後もアフリカに戻った理由について「我々が撤退を始めれば、これまで築き上げたすべても崩れ去る」と発言した。自身を排除しようとする動きをけん制する狙いとみられる。
同氏はプリゴジン氏が事故死する数日前にアフリカで行動を共にしていたとされる。アフリカの指導者にとって反体制派弾圧に便利な汚れ役であり、ロシアの資源獲得や影響力拡大のツールになってきた雇い兵のグループを誰が引き継ぐのか。暗闘が激しくなるのは間違いない。
(ウィーン=田中孝幸)
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