米国「米朝対話の突破口の兆しない」 米兵解放も未接触
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN27DIH0X20C23A9000000/
『【ワシントン=坂口幸裕】米国務省のミラー報道官は27日の記者会見で、同日に北朝鮮が米兵を解放したのを受け「(米朝の)外交関係の突破口となる兆しがあると思えない」と述べた。北朝鮮は米国からの呼びかけには応えず、仲介したスウェーデンを通じて解放交渉を続けてきたと明かした。
解放されたトラビス・キング米陸軍2等兵は7月、許可なく韓国と北朝鮮の軍事境界線を越えて北朝鮮に入った。ミラー氏はキング氏が北朝鮮…
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『ミラー氏はキング氏が北朝鮮に入国後、「何度も接触を試みた。北朝鮮は米国の直接の申し出を拒否し、スウェーデンと話した」と明言。北朝鮮との直接のやりとりはなかったという。
米国務省によると、27日未明に米国のバーンズ駐中国大使が北朝鮮との国境にある中国の遼寧省丹東市に出向き、米兵の身柄が引き渡された。空路で同省瀋陽市を経由し、韓国・ソウル南方にある烏山米空軍基地に到着。その後、米本土に向かった。
ミラー氏はキング氏の解放にあたり「北朝鮮に何も与えておらず、(米政府として)いかなる譲歩もしなかった」と説明した。解放を決めた北朝鮮の判断が「他の分野に影響を及ぼすような外交的進展の予兆になるとは考えていない」とも語った。
2021年1月に発足したバイデン政権は前提条件なしの対話を求めてきたが、北朝鮮は拒んでいる。米政府は改めて北朝鮮に直接対話を促す一方、核・ミサイル開発をやめない北朝鮮に対し「攻撃的な行動をとらないように韓国や日本と協力していく」(ミラー氏)構えだ。』