米国とサウジ、防衛条約を協議 日米・米韓同盟モデルに
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN19C4W0Z10C23A9000000/
『ワシントン=坂口幸裕】米紙ニューヨーク・タイムズは19日、米政府がサウジアラビアと防衛条約の締結を協議していると報じた。米国が東アジアの同盟国である日本や韓国と結ぶ条約を参考に条件を話し合っているもようだ。
米国はイランを中東での共通の脅威と位置づけ、サウジを含むアラブ諸国とイスラエルの連携を志向する。イスラエルはパレスチナ問題で対立してきたアラブ諸国と手を組むが、3月に中国の仲介でイランと外…
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『イスラエルはパレスチナ問題で対立してきたアラブ諸国と手を組むが、3月に中国の仲介でイランと外交関係を正常化させたサウジとの交渉は暗礁に乗り上げた。
ニューヨーク・タイムズは米政府関係者らの話として、サウジの実力者ムハンマド皇太子は米国がめざすイスラエルとの関係構築を巡り、米国との防衛条約締結を「最も重要な要素」とみなしていると伝えた。米サウジの新協定の協議では現在2700人ほど駐留する米軍の増派は現時点で想定していないとみられる。
バイデン政権は現在の国際秩序を変更する能力を持つ「唯一の競争相手」とみなす中国を抑止するため、インド太平洋地域に戦力をシフトする方針を掲げてきた。欧州や中東から軍事資源を振り向ける想定だったが、ウクライナ紛争で目算が狂った。さらに中東への関与強化は対中シフトに影を落とすおそれもある。
米国とサウジが話し合う防衛条約は米国と日韓それぞれとの関係がモデルになる。日米安保条約は米国に基地を提供する見返りに日本への防衛義務を負う。共同対処するのは日本の施政下にある領域に限り、領域外で日本が米国支援のため戦う義務はない。米韓相互防衛条約もいずれかへの攻撃に対する共同対処をうたう。
米欧の軍事同盟「北大西洋条約機構(NATO)」の根幹である北大西洋条約第5条は加盟国への攻撃を全加盟国に対する攻撃とみなすと規定し、集団的自衛権の発動を義務付ける。
一方、サウジとの条約締結は米連邦議会が壁になる。人権を重視するバイデン政権は2018年にトルコで起きたサウジの著名ジャーナリスト殺害事件に皇太子が関与したと結論づけた。与党・民主党内にも皇太子が強い影響力を持つサウジと結びつきを強めることに慎重な意見がある。』