国家分裂のリビアで露とトルコが対立 代理戦争深刻化も

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https://www.sankei.com/article/20191229-TU7ZAMY3AZJQLNK4CQAVJFLQDM/

『2019/12/29 18:34

国際
中東・アフリカ

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国家分裂のリビアで露とトルコが対立 代理戦争深刻化も
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 国家分裂状態のリビアでロシアとトルコの対立が激しさを増している。東部を拠点とする有力軍事組織「リビア国民軍」(LNA)がロシアの民兵部隊の支援を受け、西部の首都トリポリを統治するシラージュ暫定政権への攻勢を強めたのに対し、トルコはリビアに送る兵力や武器を増強して暫定政権側を支援する方針を示した。両国のほか周辺国も加わるリビアの代理戦争が深刻化しかねない情勢だ。(カイロ 佐藤貴生)

 トルコのエルドアン大統領は26日、暫定政権側から正式な要請が来たとして、国会の承認をへて来月上旬にも軍事支援を拡大すると述べた。エルドアン氏はロシアのプーチン大統領の側近が率いる露民間軍事会社ワグナー・グループの名を挙げ、リビアには「2000人(の雇い兵)がいる」と批判した。

 LNAは今春、トリポリに向けて進撃を開始したが暫定政権側の抵抗に遭い、戦局は膠着(こうちゃく)していた。英誌エコノミストなどによると、ワグナーは兵器や戦車、無人機などをリビアに搬入して現地で活動。最近、LNAの無人機による攻撃が増しているとの情報もある。

 トルコやカタールはイスラム色が濃い暫定政権側を支援。これに対し、イスラム過激派の勢力拡大を警戒する隣国エジプトやアラブ首長国連邦(UAE)はハフタル司令官率いるLNAを支援しており、ロシアもこちらの立場に立つ。』

『トルコが暫定政権の支援強化に意欲を示す背景には、東地中海で発見された天然ガス田の採掘をめぐる争いもからんでいる。ガス田はトルコが国家承認していない「キプロス共和国」の南側沿岸にあり、採掘から締め出されたトルコは11月下旬、暫定政権側と海の境界を定める協定を締結。排他的経済水域(EEZ)を設定し、周辺国の採掘活動やパイプライン建設を阻止する狙いとされる。

 エネルギーを輸入に頼るトルコが、暫定政権への軍事支援強化と引き換えにガス田開発に横やりを入れた形で、ギリシャやイスラエル、エジプトなどが反発している。

 一方、ロシアとトルコの対立はシリアでも深刻化している。ロシアは今月中旬、支援するアサド政権とともに北西部イドリブの武装勢力への攻撃を強化し、国連によると民間人23万人以上が家を捨てて避難、国境を接するトルコに殺到している。すでに370万人のシリア難民を抱えるトルコは、ロシアに攻撃停止を求めている。

 ロシアとトルコは来月8日、首脳会談を行い、リビアやシリアなどの情勢を協議する見通しだ。』