今の時代に装甲列車で外遊する金正恩
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『自身は戦争犯罪人として国際指名手配されている為、国外に出る事も叶わず、国内で国際フォーラムを開いても、首脳レベルは誰も会いに来てくれなくなったプーチン氏ですが、枯渇してきた武器を調達する目的で、わざわざ極東まで出迎えに出て、北朝鮮の金正恩氏と会談しました。旧ソ連の傀儡国家として誕生した北朝鮮には、古い旧ソ連製武器の備蓄が大量にあるとされていて、規格レベルで互換性があります。ただし、製造されてから年数が経過しているので、劣化が酷く、不発弾の割合が相当数あるようです。
暗殺を恐れて父親の金正日と同じく必ず列車で移動する金正恩氏は、今回の会談でも列車で移動しました。ちなみに、2019年にベトナムで当時のトランプ大統領と会談した時には、中国国内を4500Kmも列車で移動して会談に望みました。で、この列車なんですけど、装甲列車なんですよね。見た目は、普通の客車に見えるのですが、耐爆床と言って、線路で爆発物が起爆しても、車両の中の安全が確保できる構造になっています。当然ながら、物凄く車両の重量が増すので、牽引する機関車は、3両連結で引っ張る必要があります。
金正日が最後には、列車で移動中に亡くなった事からも、列車での移動というのは、金一族の家訓のようなものです。あれだけ強固な独裁体制の中でも、暗殺の恐怖から逃れる事ができなかったのですね。なので、絶対に航空機は使いませんでした。そして、このハリネズミのような威嚇をしないと、外国に出れない状況というのが、独裁国家の哀れを示しています。交渉しに出る時でも、全身の針を立てて威嚇しないと安心できないのですね。
実際、航空機で移動中に謀殺された国家の重要人物は多いです。中国だと林彪事件が有名です。これは、もともとは毛沢東のお気に入りで、後継者と目されていた副主席の林彪と、政策面での不一致で不仲となり、ついには毛沢東暗殺を計画するに至り、失敗して航空機で国外逃亡する途中で墜落した事件です。共産思想というベールをまといつつ、実は皇帝に成りたかった毛沢東と、あくまでレーニンの共産思想に傾倒していた林彪との確執が生んだ事件です。権力の権化になったスターリンと、あくまで思想に拘って暗殺された理論派のトロツキーの関係に似ていますね。この事故も、真相が闇に葬られた事件として有名です。
列車ごと吹っ飛ばされた事件としては、満州国の張作霖の爆殺事件が有名ですね。また、外遊している間に、無力化された事例も多々あります。独裁を布いていると自覚している権力者にとって、外遊は諸刃の剣で、油断すると全てを失う可能性のある大事という事です。なので、その恐怖が、そのまま態度に現れます。世界中を探しても、防弾の特別仕様車で移動する首脳はいても、装甲列車で移動する首脳は皆無でしょうねぇ。
実は、この恐怖心については、中国の習近平氏も負けていません。南アフリカで開催されたBRICS会議に出席した際、現地のホテルを2棟貸し切りにして、200名の随行員が宿泊しました。その時に、家具一式も輸送して、ホテルの宿泊室の中に現地の物は、何一つ無く、内装が入れ替わっていたそうです。これも、万が一の自身の暗殺を警戒する恐怖心の現れと思われます。この当たりが、この小粒の独裁者二人のカリスマが無いところで、自分が整えたわけでもない権力に自分が居座る事にキュウキュウとして、周りから見て見苦しいのですね。
ロシアのプーチン氏は、この二人に比べれば、実に上手く自身を演出していました。これ、何もプーチン氏がナルシストだと言うつもりはなく、実はロシア国民も望んでいる事なんですね。強権の指導者の健康が国家の隆盛と等しいという、一つの常識が出来上がってしまっているのです。なので、彼が年齢に似合わない、ムキムキの筋肉美を晒して、柔道を披露し、ライフルを片手に乗馬したり、皮ジャンを着て重量バイクを運転していたりする写真を発表するのは、英雄像を示す事で、国家の健全性を示す意味合いもあります。
今は、排除されてしまいましたが、イラクの独裁者だったフセイン氏も、良く川で遠泳とかをやって見せて、健康と体力を誇示していました。あの地域では、英雄的な強さを演出する事は、国の指導者をやるのに必要な事なんです。その為、中国ではプーチン氏を「頼もしい兄貴」として、礼賛する書物が多数販売されています。
こう考えると、独裁者を生む土壌というのは、国民性にも原因があるのかも知れません。例外無く、自分の代わりに問題を解決してくれる強力な指導者を、実は望んでいたりします。崇拝対象が欲しいのですね。なので、中国の地方に行くと、毛沢東が神として祀られている事があります。自分達を飢饉で苦しめて、親戚の中に必ず毛沢東の政治の犠牲になった人間がいる言われる大災厄を国家にもたらした独裁者ですが、それでも、国家統一を成し、強力に指導したという一点を持って、神とか英雄に昇格し、崇める人というのは出てきます。 』