米大統領と中国首相、G20協議見送り 11月首脳会談探る

米大統領と中国首相、G20協議見送り 11月首脳会談探る
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『【ニューデリー=坂口幸裕、田島如生】バイデン米大統領と中国の李強(リー・チャン)首相が9?10日の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせた協議を見送る方向になった。11月に米国で開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)でバイデン氏が意欲を示す中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談実現を探る。

中国の国家主席がG20首脳会議を欠席するのは2008年の初開催以来、初めて。米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は8日、インドの首都ニューデリーに向かう大統領専用機で記者団に「今週末にバイデン氏が中国首相と会う予定は現時点でない」と述べた。

バイデン氏は6月に習氏を「独裁者」と呼んだ。偶発的な軍事衝突を避けるにはトップ同士の意思疎通が重要との立場で、ナンバー2の李氏でなく権力が集中する習氏との会談が不可欠だとの判断がある。

習氏との対面会談にこだわるのは米国の国内事情もある。バイデン氏は再選をめざす24年11月大統領選に向けて与野党とも対中強硬に振れやすくなるのを見越し、米中関係を安定させるべきだと考えているもようだ。

中国はバイデン氏との会談を急いでいないフシがある。習氏がG20への出席を見送った一つの要因は、国内経済の低迷をはじめとする内政の課題が山積していることだ。7日には洪水に見舞われた黒竜江省の村を訪れ、被災者らを慰労した。

中国外務省の毛寧副報道局長は8日の記者会見で、バイデン氏と李氏の会談予定がないとしたサリバン氏の発言について「提供できる情報はない」と述べるにとどめた。

米中関係の対立は根深い。中国外務省は7日、東アジア首脳会議(EAS)でのハリス米副大統領の発言に反論する報道官談話を出した。ハリス氏は「南・東シナ海での中国の挑発的な行動」に懸念を示し、台湾海峡の安定の重要性を強調した。

7日に閉幕したインドネシアでの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合に居合わせたハリス米副大統領と李氏も接触はなかったもようだ。

米中はブリンケン米国務長官が6月に訪中したのを機に、閣僚を含む高官対話を重ねる。中国の王毅(ワン・イー)共産党政治局員兼外相の訪米も調整している。

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菅野幹雄
日本経済新聞社 上級論説委員/編集委員
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ひとこと解説 もはや米中トップが中途半端な序列で会うスタイルはないということでしょう。中国は国家主席と首相の2枚看板を首脳外交のカードとして使い分け、大国ぶりを誇示する一方で相手に序列の違いを認識させる戦略をとっているように思います。それは最大のライバル米国には通用しない。

バイデン大統領は習近平国家主席のG20出席を「望んでいる」と発言し、今回のインドでの首脳会談実現に意欲を示していました。格下とは会えないということか。

首脳外交ルートはあくまでバイデン=習両氏。11月、サンフランシスコでのAPEC首脳会議の場で実現する可能性はなお高そうですが、習氏が欠席となると、中国の「弱さ」が印象づけられそうです。

2023年9月8日 19:00 』