南シナ海問題とは――東南アジアの対応中心に
http://www.nids.mod.go.jp/publication/asagumo_seminar/pdf/2023/0727.pdf

州兵
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9E%E5%85%B5
『出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
曖昧さ回避 「州軍」はこの項目へ転送されています。同じく「州軍」と訳されることがあるアメリカ合衆国の州の軍事組織については「州防衛軍」をご覧ください。
州兵のエンブレム
州兵(しゅうへい、英語: National Guard、州軍とも)は、アメリカ合衆国における軍事組織の1つであり、通常時に州知事の指揮下で治安維持(暴動鎮圧)や災害救援などにあたる郷土防衛隊としての側面と、戦時体制において大統領・連邦政府の指揮下に入る、連邦軍の予備役部隊としての側面を兼ね備えている[1]。
名称の由来
1825年7月14日・ニューヨーク市にてフランスへの帰路でニューヨーク州National Guardの閲兵式に臨む(ないし栄誉礼を受ける)ラファイエット
「National Guard」という名称は、アメリカ独立革命(アメリカ独立戦争)で活躍したラファイエットが、フランス帰国後のフランス革命に際して自ら創設・指揮した「国民衛兵」(フランス語: Garde nationale、英語: National Guard)に由来する。両革命での活躍によって「両大陸の英雄」と呼ばれた彼が再びアメリカを訪れた1824年、ニューヨーク州の民兵隊は、彼に敬意を表して自ら「National Guard」と改称した。その後、南北戦争に際して同州が正式に「National Guard」を民兵隊の名称として承認したのを皮切りに他の諸州でも追随して民兵隊を「National Guard」と改称して全米に広まった結果、連邦議会が1916年の立法(1916年国防法(英語版))で正式な名称として認めたものである[2][3][4]。
ただしこのような来歴はあるものの、日本語圏における訳語としては、語源である「国民衛兵」や、英名を直訳した「国家警備隊」ではなく、アメリカでの歴史的経緯を踏まえた「州兵」という訳語が定着している[5]。
歴史
起源
マサチューセッツ植民地の民兵隊
現代の州兵は、アメリカ合衆国の植民地時代に各地で組織された民兵(Militia)を起源とする。これは基本的に入植民による自警団であったが、独立戦争で大陸軍とともに重要な戦力を担い、また、独立後も国内外の紛争・事案に動員されたことから、順次、連邦による統制の強化が図られていった[1]。
元来、アングロ・サクソン系諸国で一般的なコモン・ローでは、「全ての市民は、治安維持の任務に従事する基本的責任を有する」という伝統的思想があり[6]、イギリスでは、古くよりシャイアやカウンティなど地域を治める役人[注 1]の求めに応じて集まった市民が、その指揮のもとで集団警備力としての任に当たるという民警団(英語版)の伝統があった[7]。またその延長線上として、「全ての健康な市民は、共同防衛のため、いかなるときにも武器をとって戦える状態にあるべき義務と責任を有する」という思想が生じた[5]。
黎明期
アメリカ合衆国の植民地時代の1636年12月、マサチューセッツ湾直轄植民地において入植者たちによる自警団 (Massachusetts Bay Colonial Militia) が設置された[8]、これがアメリカでの民兵隊の端緒とされており、同年から1754年にかけて東部の入植地の大部分に同様の組織が設置された[9]。
1775年、レキシントン・コンコードの戦いで独立戦争の戦端を開いたのはマサチューセッツ植民地の民兵隊であった。以後、ジョージ・ワシントン司令官の求めに応じて多くの民兵隊が参集し[5]、8年に渡る戦役で約16万人にものぼる民兵隊が動員されて主要な戦闘を戦い抜いた。ミニットマンのように即応性を高めた民兵隊もあった。また、アメリカ植民地人の間で大規模な常備軍への反発が強かったことから、独立後も連邦政府の軍事力が最低限に留められており、軍事作戦の必要が生じた際には、各州が独自の組織として保有する民兵隊に依存せざるをえなかった。このため、1792年の連邦法 (Militia Acts of 1792) によって、これらの民兵隊の位置付けが明確化されるとともに、軍隊としての組織化を図る法的根拠が与えられた[9]。
またこのように軍事組織としての活動の一方で、国内での集団警備力としての運用もなされており、さっそく1794年のウィスキー税反乱で暴動鎮圧のために大規模に動員されている。またアメリカ合衆国の警察は、郡保安官や自治体警察といった地域ごとの設置を原則としており、20世紀に入るまでは州警察をもたない州も多かったが、地域の公安職は住民の民意に忖度する傾向もあったことから、郡保安官や自治体警察が地域住民に不評な州法の執行を拒否するのに対して州知事が州兵を用いて無法状態を回復することも行われていた[5]。
1916年国防法と世界大戦
完全装備の州兵隊員 1917年、ニューヨークにて
1860年代の南北戦争や1898年の米西戦争など独立後も多くの戦役が経験され、その規模拡大に伴って民兵隊も連邦軍を補完する戦力として期待されたが、従来の民兵隊のままでは、近代戦に対応できないことが問題になった。このことから、まず1903年の連邦法 (Militia Act of 1903) によって連邦政府による民兵隊への関与が強化され[8]、続けて1916年国防法 (National Defense Act of 1916) において連邦軍を補完する「National Guard」として明記された[9]。
翌年の第一次世界大戦参戦に際して派遣されたアメリカ外征軍には、連邦軍とともに多くの州兵部隊も参加した。兵力にしておよそ40パーセントを占め、交戦相手であるドイツ参謀本部が「最も優秀な米軍部隊」と称した8個部隊のうちの実に6個が州兵部隊であったとされている。この活躍を受けて、1933年には1916年国防法が改正されて、州兵への中央統制が強化された。また第二次世界大戦の際には、欧州情勢の急迫を受けて、参戦以前の1940年から既に州兵の動員が開始されており、最終的に戦闘師団18個規模に達する動員がなされた。これによって陸軍の兵力はほぼ倍増し、州兵部隊は全ての戦域に派遣された[9]。
1933年改正国防法(National Defense Act Amendments of 1933)は、連邦政府からの資金提供を受けている各州州兵(National Guard)の隊員について、新設された連邦政府の予備役組織たる合衆国州兵(National Guard of the United States)にも同時に登録されるものとした。これにより伝統的な州民兵組織と州兵は明確に分離され、また各州兵隊員には合衆国州兵隊員として連邦政府の指揮下に入る義務(二重の地位と任務)が付与されたのである。
空軍州兵の編成と遣外任務の増加
ハワイ空軍州兵のF-22戦闘機
1947年、国家安全保障法の制定によって、アメリカの安全保障体制は大きく改編・整頓された。このとき、陸軍航空軍が空軍として独立改編されるのとあわせて、州兵でも、既存の航空隊を独立改編して空軍州兵が編成された。これにより、州兵は陸軍州兵と空軍州兵という2つの組織をもつ体制が整備された[9]。
黎明期には頻繁に行われていた治安維持のための出動は、州警察の体制が整うにつれて減少していき、かわって国内任務としては災害救援が重視されるようになった。しかし1950年代・1960年代の学生運動・公民権運動に際しては、雑踏警備・暴動鎮圧のため、州兵による集団警備力が度々動員されている[5]。またリトルロック高校事件の際には、黒人生徒の登校に反対するアーカンソー州知事によって州兵が動員され、高校を封鎖した。これに激怒した当時のドワイト・D・アイゼンハワー大統領はそれら州兵を連邦軍に編入し、駐屯地へ帰還するように命じた。州兵達はこの命令に従ったため事態はこれ以上悪化しなかった。
アメリカ合衆国の軍事的プレゼンスの増大とともに、州兵の遣外任務も増加しており、朝鮮戦争には陸軍州兵13万8,000人と空軍州兵4万5,000人が動員された。またベトナム戦争では、戦争への国民的支持が希薄だったことから、戦争の長期化にもかかわらず州兵の大規模動員はなされなかったものの[10]、少数ながら陸軍州兵1万2,000人と空軍州兵1万人が動員されている[8]。またこの戦争では、戦争の長期化による連邦軍の人員損耗を補うため、補充要員としての州兵や予備役の比重が増加したことから、1973年、常備軍と予備部隊間の差異を小さくし、一体的な運用を行えるようにする総戦力方針 (Total Force Policy) が採択された。これを受けて、州兵の訓練・装備面での更なる充実が図られ、連邦軍に見劣りしないほどの人員装備を擁するようになった[1]。
湾岸戦争でも陸軍州兵6万3,000人と空軍州兵1万人が動員されたほか[8]、コソボ紛争、アフガニスタン侵攻、イラク戦争にも参加している[11]。またアメリカ同時多発テロ事件後には、国内の重要施設の警備のために大規模な出動もなされた[12]。
一方、上記のように治安維持のための出動は減少していたが、2020年は国内への出動件数は第二次世界大戦以後最大に達し[13][14][15][16]、2021年1月6日に起きた連邦議会議事堂襲撃事件では、暴徒鎮圧のために、命令された約1000人のうち約100人の州兵がワシントンD.C.から議事堂に展開され[17][18]、メリーランド州、バージニア州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、デラウェア州、ペンシルベニア州から6200人の州兵が展開する権限が与えられた[19]。
また、1月13日に下院で、この事件などを原因としたドナルド・トランプ大統領の弾劾訴追を審議していた最中には約6000人の州兵がワシントンD.C.に展開され、一部の州兵が議事堂内で警備のために夜を明かし、これは南北戦争以来約150年ぶりの出来事であった[20][21]。
1月20日の大統領就任式の際にも、引き続いてアメリカ全土から、アフガニスタンとイラクに派兵されている数の数倍に及ぶ約2.5万人の州兵がワシントンD.C.に展開された[22][23][24]。
組織・編制
指揮・監督
連邦政府と州政府による統制体制
原則として、通常時は、州知事の指揮下にある[注 2]。連邦政府で責任を負う機関として、国防総省に州兵総局(英語版)が設置されている。これは、陸軍省と空軍省との統合局であり、その監督の下で連邦政府から各州の州兵へ予算が支弁され、動員に備えた訓練や装備も施されている[5]。
州兵総局長は、大統領の指名・上院の承認を経て将官から任命され、統合参謀本部のメンバーであり、その下に、陸軍長官によって任用される陸軍州兵局長(Director, Army National Guard)、空軍長官によって任用される空軍州兵局長(Director, Air National Guard)が配されている[1]。
各州において州兵の制服組トップとなるのが州兵総監(英語版)であり、連邦軍における統合参謀本部議長と同様、州知事の軍事面における最高顧問となる他、日常の管理などにあたっている。一般的には州知事により任命されるが、サウスカロライナ州では州民の直接選挙、バーモント州では州議会によって任命される。州兵総監を長とする部局として州兵局(State Military Department)が設置されており、多くは知事直轄の独立機関であるが、公安局や防衛局に属している場合もある。なお州兵総監は、陸軍長官および空軍長官に対して所定の報告をする義務がある[5]。
役割・任務
州政府と連邦政府という二重統制による「二重の地位と任務」(dual state-federal mission)を付与されている[5][9]。
第一は、原則として州知事の指揮下で、州内における治安維持(暴動鎮圧)や災害救援など郷土防衛隊としての機能である[1]。「純然たる州任務に基づく地位」(Pure state status)の場合、基本的には各州法を根拠法とするが、アメリカ同時多発テロ事件後の国家緊急事態宣言に伴う出動のように、合衆国法典第32編第502条に基づき、連邦政府の要請を受けて各州知事が命令を発出することもでき、「州の指揮下で行う連邦任務」(State active duty)と称される。この場合、所要経費は連邦政府の負担となる。なおロサンゼルス暴動に対する出動は、当初は州の任務として発令されたものの、情勢悪化に伴って反乱法 (Insurrection Act of 1807) が発動され、連邦軍が動員されるのに伴って、後に連邦任務に移行した[12]。
第二に、連邦軍の予備役部隊としての作戦参加である。この「連邦政府の指揮下で行う連邦任務」(Federal active duty)は合衆国法典第10編第12302条を根拠法とするもので、州兵部隊は大統領令によって動員され、連邦政府の指揮下で各種任務に従事することになる[1]。アメリカでは、軍の国内活動には、民警団法(英語版)(PCA)による規制が課せられているが、州兵の場合、州知事の指揮下で通常の任務に服している場合は、その規制を免除される。ただし連邦政府の任務に動員されている場合は、陸空軍の他の部隊と同様にPCAの規制が課せられる[7]。
州独自災害等
(Pure state status) 国家的災害・治安維持
(State active duty) 国外軍事活動
(Federal active duty)
根拠法 各州法 合衆国法典第32編 合衆国法典第10編
指揮・招集権 州知事 州知事(連邦が州に出動依頼) 大統領
費用 州 連邦
警察権 有 無
実施部隊
陸軍に対応した陸軍州兵(Army National Guard、州兵陸軍[25]とも)と、空軍に対応した空軍州兵(Air National Guard、州兵空軍[26][25]とも)で構成され、連邦軍と同等の能力を発揮できるような実質を備えており、特に空軍州兵は、アメリカ本土防空を一手に担っている[1]。
陸軍州兵は、2001年度において35万人の人員を擁する[1]。これらの人員は、8個師団を基幹として、砲兵や工兵、後方支援などの独立旅団37個が編成されている。また2016年より、これらとは別に、3個旅団戦闘団およびいくつかの部隊が常備軍に編入されている[27]。
空軍州兵は、2001年度において16万人の人員を擁する。戦略爆撃飛行隊2個、 防空専任飛行隊4個、 戦闘攻撃飛行隊33個、 輸送飛行隊26個、 給油飛行隊23個のほか、 特殊作戦飛行隊1個などが編成されている[1]。
州兵隊員は定期的な訓練への参加が義務付けられている。基本的には連邦任務に備えたものであるが、治安維持や災害救援のような州の任務のための訓練もなされている。
週末に開講される訓練集会と年次定例訓練期間があり、年間に48単位の訓練集会と15日の年次定例訓練期間が義務付けられてきた[5]。
このことから、「ひと月に週末1回、年間に2週間」 (One weekend a month, two weeks a year) という標語も造られた。
しかし2000年代以降のアメリカ軍においては、対テロ戦争やイラク戦争の影響もあり、州兵を含む予備部隊が多数動員され、国内外で活動を行っている(テネシー州兵部隊は1950年代の装備のままで半年も派遣されていた)。そのため、フルタイム勤務が増加し、先の標語のような勤務状態ではなくなった。
ハリケーン・カトリーナ被災地で住民を救出するニューヨーク空軍州兵のHH-60
ハリケーン・カトリーナ被災地で住民を救出するニューヨーク空軍州兵のHH-60
ペンシルベニア駅でMTA警察と共に警邏にあたるニューヨーク陸軍州兵
ペンシルベニア駅でMTA警察と共に警邏にあたるニューヨーク陸軍州兵
コソボ派遣中、暴動鎮圧訓練において暴徒役を演じるノースカロライナ陸軍州兵。阻止線を張っているのはポーランド軍兵士。
コソボ派遣中、暴動鎮圧訓練において暴徒役を演じるノースカロライナ陸軍州兵。阻止線を張っているのはポーランド軍兵士。
M249パラトルーパーを携えたインディアナ陸軍州兵 アフガニスタンで
M249パラトルーパーを携えたインディアナ陸軍州兵 アフガニスタンで
その他の州軍事組織
「州防衛軍」も参照
ハドソン川で原子力発電所の警備にあたるニューヨーク海軍民兵の哨戒艇
アメリカ合衆国では、上記(#歴史)のコモン・ローに端を発する思想を背景として[5]、権利章典修正第2条で人民の武装権が規定されていることや、連邦政府と別個に州が強い権限を有する連邦制であること等から、州兵の他にも、テキサス州防衛隊のように州知事を最高指揮官とする独自の州防衛軍が設置されている州もあるが、州兵と違って連邦政府からの予算や訓練などの積極的な支援を受けておらず[1]、いくつかの連邦法に連邦との関係が規定されるのみである。
また、ニューヨーク海軍民兵のように海軍民兵(英語版) を設置している州もあり、港湾・河川での警備・救難を任務とし、州知事・州政府の指揮下にある点で州防衛軍と同様だが、こちらの要員の多くは、アメリカ海軍・沿岸警備隊の予備役にも登録している[注 3][8]。
脚注
[脚注の使い方]
注釈
^ リーヴ (Reeve) 、(現在でもイギリスやアメリカで地域の歴史的な役職名である)シェリフ (Sheriff) 、(現在イギリスの警察の階級で巡査を意味する)コンスタブル (Constable) など様々な名称で呼ばれた、日本で言う「代官」や「奉行」のようなイメージ。
^ コロンビア特別区空軍州兵・コロンビア特別区陸軍州兵は、他の州と異なり、ワシントンD.C.市長の指揮下になく、常に大統領・連邦政府の指揮下にあり、災害など州兵の出動が必要な際には、ワシントンD.C.市長が大統領に出動を要請する。
^ オレゴン州のように、州法に規定されているものの、実際には、編成されていない州も多い。
出典
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^ “Lafayette and the National Guard”. アメリカ国防総省. 2020年5月22日閲覧。
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^ “National Guard Birthday”. Museum of the American G.I. 2020年5月22日閲覧。
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^ “US National Guard had biggest mobilization this year since WWII”. NEW YORK POST. (2020年12月24日) 2021年3月1日閲覧。
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^ “National Guard force surpasses Hurricane Katrina response”. National Guard (2020年6月2日). 2021年3月1日閲覧。
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^ “Entire DC Guard, plus 500 from MD and others from VA, activated after pro-Trump protesters storm Capitol”. military times. (2021年1月6日) 2021年2月28日閲覧。
^ “What We Know So Far: A Timeline Of Security Response At The Capitol On Jan. 6”. npr. (2021年1月15日) 2021-02?28閲覧。
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^ “Photos: The National Guard Is Occupying The Capitol For The First Time In 150+ Years”. NOW THIS. (2021年1月14日) 2021年2月28日閲覧。
^ “National Guard sleeping in the Capitol an echo of Civil War”. AP. (2021年1月18日) 2021年2月28日閲覧。
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^ “One week after deadly attack, Capitol Hill halls filled with National Guard troops instead of tourists and staffers”. military times. (2021年1月13日) 2021年2月28日閲覧。
^ “26,000 National Guard troops came to DC and protected the inauguration without incident. Now the drawdown begins”. military times. (2021年1月21日) 2021年2月28日閲覧。
^ a b ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説コトバンク、2018年7月9日閲覧。
^ 輸送機が道路に墜落、9人死亡 米ジョージア州産経新聞、2018年7月9日閲覧。
^ Dwyer, Brian (2016年10月17日). “Patching Ceremony Unites 10th Mountain Division and Vermont Army National Guard Unit”. TCW News (Watertown, NY)
参考文献
上野, 治男『米国の警察』良書普及会、1981年。 NCID BN01113868。
小林, 成信「対イラク武力行使における米国ナショナル・ガードの役割」『外務省調査月報』第2004巻第4号、外務省第一国際情報官室、2005年3月、NAID 40006683579。
清水, 隆雄「米軍の国内出動―民警団法とその例外―」『レファレンス』第679号、国立国会図書館、2007年8月、NAID 40015610860。
鈴木, 滋「米国の「国土安全保障」と州兵の役割―9.11同時多発テロ以降の活動を中心に―」『レファレンス』第53巻第7号、国立国会図書館、2003年7月、NAID 40005896010。
関連項目
役種
アメリカ合衆国の警察
国防義勇軍 - 非常勤の将兵で編成される、イギリス陸軍の予備役組織。
アメリカ軍の予備役組織(英語版)
アメリカ陸軍予備役(英語版)
アメリカ海軍予備役(英語版)
アメリカ空軍予備役
アメリカ海兵隊予備役(英語版)
アメリカ沿岸警備隊予備役(英語版)
組織名を英訳すると「Natioal Guard」となる組織
ロシア国家親衛隊 - ロシアの国内軍組織。
ウクライナ国家親衛隊 - ウクライナの国内軍組織。
国民衛兵 - フランスの民兵組織。フランス革命やパリ・コミューン蜂起などで活躍したが解体された。2016年に再編成される。
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、州兵に関連するカテゴリがあります。
The National Guard - Official Website of the National Guard
アメリカ合衆国憲法(ウィキソース)
表話編歴
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国関連の主要項目
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アメリカ合衆国の軍事組織州兵
最終更新 2023年7月11日 (火) 08:30 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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』
州パートナーシッププログラム
https://www.nationalguard.mil/Leadership/Joint-Staff/J-5/International-Affairs-Division/State-Partnership-Program/
『(※ 翻訳は、Google翻訳)
国家パートナーシップ プログラムは 30 年間にわたり関係を構築することに成功しており、現在では世界 100 か国との 88 のパートナーシップが含まれています。
SPPは、バルト海地域に予備役の兵士と航空兵による統合連絡チームプログラムを設立するという1991年の米国欧州軍司令部の決定から発展したものである。その後の州兵局の提案では、米国の州と旧ソ連圏の新興 3 か国を組み合わせた SPP が誕生し、米国の安全保障協力の重要なツールとなり、国際的な民軍問題のあらゆる側面にわたる協力を促進し、人と人の間の交流を促進しました。州レベルでのつながり。
この費用対効果の高いプログラムは州兵局によって管理され、国務省の外交政策目標に従って指導され、戦闘員司令官および米国代表団長の安全保障協力目標と国防総省の政策目標を支援する州副官によって実行される。
SPP を通じて、州兵は防衛安全保障の目標を支援するために軍同士の交戦を実施するだけでなく、社会全体の関係と能力を活用して、軍、政府、経済、社会の領域にまたがるより広範な機関間の関係や必然的な交戦を促進します。 』
アフリカにおけるワグネル・グループと米国の安全保障部隊支援の変化と挑戦的な力学 (Military Review)
https://milterm.com/archives/3315
『2023年6月23日に起こり、2日後には収束したワグネル・グループの反乱以降、報道では、民間軍事会社と言われるワグネル・グループの創始者であるエフゲニー・プリゴジン氏の去就が注目されていた。それらの報道の中で、ワグネル・グループがアフリカ諸国で活動していた、あるは活動していることも理解されているところである。そんな中ワグネル・グループが活動していたとされる西アフリカのマリの隣国のニジェールで起きた軍によるクーデターが生起した。ワグネル・グループは、国力に劣る国などの軍隊の治安能力の向上に一役買っている(その国の安全保障上の支援)ようにもみえる。
一方、米国はState Partnership Program(SPP)という米国の連邦の各州がパートナー国に対して安全保障協力を行うプログラムを持っている。State Partnership Program ? The National Guardによると、「州パートナーシップ・プログラムは30年にわたり関係構築を成功させており、現在では世界100カ国と88のパートナーシップを結んでいる。SPPは、1991年に米欧州軍司令部が予備役部隊の兵士と航空兵を使ってバルト海地域で合同連絡チーム・プログラムを立ち上げることを決定したことから発展したものであり、SPPは米国の重要な安全保障協力手段となり、国際的な民軍事のあらゆる側面にわたる協力を促進し、州レベルでの人と人との結びつきを奨励している。この費用対効果の高いプログラムは、国務省の外交政策目標に導かれて州兵局が管理し、州准将が戦闘指揮官と米任務部長の安全保障協力目標および国防総省の政策目標を支援して実施する。SPPを通じて、州兵は国防安全保障目標を支援するために軍対軍の関与を行うだけでなく、社会全体の関係や能力を活用して、軍、政府、経済、社会の各領域にまたがる、より広範な省庁間および付随的な交戦を促進する」としている。
米陸軍は、このSPPに連携して安全保障部隊支援(Security force assistance :SFA)を専任に行う米陸軍安全保障部隊支援旅団(SFABs)(2021年4月8日にMILTERMに掲載)を2018年に設立している。
ここで、紹介するのは、アフリカにおけるワグネル・グループと米陸軍の安全保障部隊支援(SFA)について論じたMilitary Reviewの記事である。
パートナー国の軍隊の技能向上などの対外的な防衛協力を行うにあたって参考となる内容もあると考える。パートナー国との良好な関係構築には長い時間が必要なことだけは確かなようである。
ちなみに、この投稿ではSecurity force assistanceを「安全保障部隊支援」としているが、以前の投稿では「治安部隊支援」とも訳している。(軍治)
アフリカにおけるワグネル・グループと米国の安全保障部隊支援の変化と挑戦的な力学
The Wagner Group and U.S. Security force assistance in Africa Changed and Challenging Dynamics
Dr. Christopher Spearin
Military Review July-August 2023
クリストファー・スピアリン(Christopher Spearin)博士は、トロントのカナダ軍大学(CFC)にあるカナダ王立軍事大学の防衛学部の教授である。マクマスター大学、カールトン大学、ブリティッシュコロンビア大学で学位を取得している。スピアリン(Spearin)博士は、部門長を含むさまざまな管理およびカリキュラム開発のポストを歴任し、カナダ軍大学(CFC)のすべての主要なオンサイトおよび遠隔教育プログラムで教えてきた。彼の研究は、非国家主体と暴力、傭兵、および安全保障民営化に関するものである。
ジブチで2021年10月20日、安全保障部隊支援旅団(SFAB)の隊員とジブチ介入ラピド部隊の兵士をM240B機関銃の性能について支援する「アフリカの角(Horn of Africa)」統合任務部隊タスクフォース・アイアン・グレーの第102歩兵連隊第1大隊(山岳部隊)D中隊のベン・レヴィーン(Ben Levine)米陸軍三等軍曹。安全保障部隊支援旅団(SFAB)は、米アフリカ軍の関心領域で外国の治安部隊を支援する軍事顧問で構成されている。
(撮影:クリストファー・ダイアー(Christopher Dyer)米空軍二等軍曹)
過去の分析では、米国の安全保障部隊支援(SFA)が直面する課題が指摘されている[1]。統合ドクトリンにあるように、「安全保障部隊支援(SFA)活動はしばしば、作戦環境(operational environment :OE)の形成や、安全保障や安定に対する内外の脅威に対するパートナー国(partner nation :PN)の防衛を支援するために用いられる。安全保障部隊支援(SFA)活動は、外的脅威から防衛するために、あるいは多国籍作戦に貢献し、他国の治安部隊や支援機関の発展や改革を支援するために、パートナー国(PN)を支援するために使われることもある」[2]。
米国が安全保障部隊支援(SFA)の提供国として世界最大であることは、その活動範囲、参加国数、支出額のどれをとっても間違いない。にもかかわらず、米国の安全保障部隊支援(SFA)の取組みは、しばしば自責の念、(時には認識されていない)限界、そしてわずかな効果に悩まされている。ある研究によれば、「安全保障部隊支援(SFA)の実際のコストとリスクは過小評価されやすく、その軍事的利益はしばしば過大評価されてきた」[3]。
本稿では、アフリカにおける米国の安全保障部隊支援(SFA)の課題が、クレムリンがますます好んでいる武装非国家主体(armed nonstate actor)であるロシアのワグネル・グループによってどのように高まっているかを検証する。拡大解釈すると、2018年のランド研究所報告書(RAND report)によれば、安全保障部隊支援(SFA)はアフリカにおける米国の主要な関与形態である[4]。
したがって、紛争を減らし、テロに対抗し、大陸における民主主義と説明可能な民軍関係を促進するという複数の目標を考えれば、米国の安全保障部隊支援(SFA)を改善することは重要であり、またそれだけでも並大抵のことではない。
アフリカにおけるワグネル・グループとその関係者は、現在、支援のための代替手段があるだけでなく、ロシアを強化しながらも、手段と最終目的(means and ends)という点でまったく異なることを行う、競争する提供者でもある。アフリカ大陸におけるワグネル・グループの存在感の高まりは、米国による長期的なパートナーシップ志向の対応の緊急性を強調している。
ワグネル・グループは多くのアフリカ諸国で事業を展開しているが、本調査では主に2つの事例から証拠を抽出した。中央アフリカ共和国(Central African Republic :CAR)とマリ(Mali)である[5]。前者については、2017年にロシアの要員が到着し、国連(UN)は2,300人もの人物が活動していると報告している。
名目上は「指導員(instructors)」とされているが、彼らの活動は訓練にとどまらず、同国の内戦における中央アフリカ共和国(CAR)の武装勢力との戦闘、採掘場の安全確保、ファウスティン・アルチェンジ・トゥアデラ(Faustin-Archange Touadera)大統領の政権に対する親密な警護などにも及んでいる。マリ(Mali)については、2021年12月以降、約1000人のワグネル・グループ要員が訓練、テロ対策、政権保護業務に従事している[6]。
この2つのケースは、米国を含む西側諸国と過去に軍事的関係を持った国として重要である。ロシアがワグネル・グループの活動のために磨き上げているモデルを象徴している[7]。最後に、地政学的な意味で、中央アフリカ共和国(CAR)とマリ(Mali)は、ワグネル・グループの活動や他の同様のロシアの活動家(Russian actors)の活動を助長すると考えられる、より大きな地域にある[8]。
ワグネル・グループ:The Wagner Group
米国の文脈で見ると、民間軍事・警備会社(private military and security company :PMSC)は、一見したところ、ワグネル・グループに最も近い活動家(actors)かもしれない。米国は民間軍事・警備会社(PMSC)と広範な関係を持っており、特に今世紀初頭のアフガニスタンとイラクへの2度の大規模な介入の過程で培われた関係である。
こうした民間軍事・警備会社(PMSC)の取組みは、警備、防衛、訓練サービスに対する米国政府のニーズを反映したものであり、複数の大統領政権が防衛分野に民間の活動家(private actors)を導入することを長年望んできたことに沿ったものであった[9]。
競争的な契約と持続的な需要の組み合わせにより、民間軍事・警備会社(PMSC)は、2006年の4年ごとの防衛レビュー(Quadrennial Defense Review)で特定された「総合的な戦力」のコンセプトを形成するのに役立つ請負業者プール(contractor pool)の重要な一部となった[10]。
そのニーズを満たすために、米国政府は米国の民間軍事・警備会社(PMSC)と他の国の民間軍事・警備会社(PMSC)の両方に依存していた。同様に、米国は民間軍事・警備会社(PMSC)の重要なクライアントだったが、その収入源は唯一のものではなかった。民間軍事・警備会社(PMSC)は、時には米国政府の要求と同時に、他の国、企業、国際機関、および非政府組織との商業的関係を模索した。
ワグネル・グループが異質な存在であることを示す最初の兆候は、民間軍事・警備会社(PMSC)に分類されることが多い一方で、分析ではしばしば他の表現も使われているという事実にある。例えば、以下のようなものだ。「ロシア国家の代理組織(proxy organization)」、「軍事力と商業的・戦略的利益を組み合わせた不透明なネットワーク(nebulous network)」、「『疑似民間(pseudo-private)』軍事会社」、「非公式の半国家的安全保障グループ」などである[11]。
これに対応して、米国務省はワグネル・グループを「ロシア国防省の代理(surrogate)」と位置づけている[12]。このように、ワグネル・グループはそのサービスをオープンな市場で提供するのではなく、クレムリンや、特にエフゲニー・プリゴージン(Yevgeny Prigozhin)につながるオリガルヒ・ネットワーク(oligarchic networks)のニーズに応えている[13]。ワグネル・グループは、ロシアの軍事インフラ、プラットフォーム、キットを頻繁に利用している。契約は、それが適切な言葉であるとしても、オープンで透明性のあるものではない。
2022年9月頃、中央アフリカ共和国の武装勢力に戦術訓練を施すワグネル・グループの傭兵(mercenary)
(写真はワグネル・グループのウェブサイトより)
ワグネル・グループの合法性も同様に斜め上である。一方では、法的な法人登記を欠いている。また、傭兵(mercenary)に関するロシア連邦刑法第359条の下では、ワグネル・グループのような組織は一見禁止されているように見える[14]。
一方、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は法的な水域を濁している:「もし……ワグネルがロシアの法律に違反しているのであれば、検事総長が捜査を行うべきだ。もし彼らがロシアの法律に違反していないのであれば、彼らは世界のどの地域でもビジネスの利益を追求することができる」[15]。一般検察官は、2014年にロシアとの関係が始まって以来、ワグネル・グループやその名の下に活動する企業に対して行動を起こしていない。
ワグネル・グループが提供するサービスには、さらなる違いがある。米国の民間軍事・警備会社(PMSC)の経験と同様、ワグネル・グループは防護、防衛、訓練のサービスを提供している。しかし、米国の民間軍事・警備会社(PMSC)のケースとは異なり、ワグネル・グループは、主導権を握り、領土を奪い、政治的現状を変えるという点で、攻撃的な暴力を用いている。
米国の連邦調達規則(Federal Acquisition Regulation)は、「警備請負業者(security contractors)は、直接的な戦闘活動や攻撃的な作戦を行うことは許されない」と明言している[16]。これと比較すると、ロシアの軍当局は、彼らが「民間軍事会社(private military companies)」と呼ぶものを、潜在的に攻撃志向で本質的に破壊的な手段であると認識している[17]。
米国の安全保障部隊支援(SFA)の課題:U.S. Security force assistance Challenges
目標とインセンティブ:Objectives and incentives
米国にとって安全保障部隊支援(SFA)の魅力は、大規模な軍事的コミットメントに代わって、パートナー国(PN)活動や開発に重点を移すことにある。この取組みの一部は、テロや反乱への対抗に関連する米国の安全保障上のニーズに、費用対効果の高い方法で対処することにある。
もうひとつは、アフリカの国家安全保障機構をより専門的にし、民主主義を志向させ、暴露(exposure)、指導(guidance)、訓練、教育を通じて、米国と関連した民軍関係の規範を認識させることである。
(地図はスタンヤード(Stanyard)、ヴィルクーロン(Vircoulon)、ラデマイヤー(Rademeyer)著「グレイ・ゾーン:アフリカにおけるロシアの軍事・軍事メンバー・犯罪関与(The Grey Zone: Russia’s Military, Member, and Criminal Engagement in Africa)」 [ジュネーブ:国際組織犯罪に対するグローバル・イニシアティブ、2023年2月])
安全保障部隊支援(SFA)の調査範囲の広さは、高邁な意図と内在する緊張感の両方を浮き彫りにしている。他の調査でも、質問によって設定されたハードルの高さが明らかになっている。2018年のランド研究所の報告書(RAND report)は、「米国が提供した装備や訓練によって向上した能力を、パートナーの治安機関は安定に貢献し、暴力を減らすような形で利用しているか」と問いかけている[18]。
同様に、オイシュタイン・ローランドセン(Oystein Rolandsen)、マギー・ドワイヤー(Maggie Dwyer)、ウィリアム・リノ(William Reno)は、「安全保障部隊支援(SFA)の提供は、被援助国の人々をより安全にするのか?安全保障部隊支援(SFA)の提供は、被援助国が自国の領土と住民を責任ある方法で管理することを可能にするのか?[19]リタ・アブラハムセン(Rita Abrahamsen)がアフリカの環境における「闘争的矛盾(combative contradictions)」と呼ぶもののために、これらの質問に対する答えを求めることは極めて重要である[20]。
一方では、安全保障部隊支援(SFA)はアフリカの安全保障機関が脅威に対抗できるようにすることである。他方では、「開発、民主主義、文民監視の名の下に(in the name of development, democracy and civilian oversight)」、ますます強力になるこれらの機関を同時に抑制することでもある[21]。
安全保障部隊支援(SFA)の矛盾は、安全保障制度を制約し形成することよりも、安全保障制度を強化することの方がより顕著になってきているため、ますます明白になってきている。分析によれば、1990年代後半から米国の政策の波が次々と押し寄せ、そのバランスが変化してきた[22]。
アブラハムセン(Abrahamsen)の言葉を再び引用すると、対テロ世界戦争の勃発は、「『訓練と装備(‘train and equip’)』の必要性が、国防支出を制限し、民主的な監視と説明責任を確保するという、より発展的で政治的な野心よりも……支配的になった」ことを意味する[23]。この強調は、パートナー国(PN)と米国の利益を同様に脅かす行為者(actors)との戦闘の緊急性を高めるものである。
しかし、それはまた、変革的パートナーシップの持続を妨げるような、より少ない目標、より深い内容、より短い期限での関与を示唆するものでもある。これは、パートナー国(PN)における実質的な変革に向けた米国のコミットメントが単なるレトリックではなくなるよう、バランスを調整し直すことである。
安全保障部隊支援(SFA)の目標が、パートナー国(PN)指導者やエリートたちのインセンティブ構造(incentive structures)と必ずしも一致しないことから、米国には緊張が伴う。それには3つの要因がある。第一に、安全保障部隊支援(SFA)の根底にあるのは、サービスや安全保障の提供において国家が不可欠であるという、先進国で一般的な成果主義的正統性(performance-based legitimacy)である。
たとえば、アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は、2021年2月のサヘル(Sahel)に関するサミットでの発言で、このことを強調している。「歴史的な社会的不満、利用しやすい公共サービスの欠如、政治プロセスからの排除……これらすべてが、人々の目から見た政府の正当性(legitimacy of governments)を侵食する」[24]。しかし、このような国や市民社会への浸透は、多くのアフリカ諸国で地域/民族レベルで機能している非公式の権力仲介(informal power brokerage)を動揺させる危険性がある。
数字はワグネルの攻撃による死傷者数。
(地図はスタンヤード(Stanyard)、ヴィルクーロン(Vircoulon)、ラデマイヤー(Rademeyer)著「グレイ・ゾーン:アフリカにおけるロシアの軍事・軍事メンバー・犯罪関与(The Grey Zone: Russia’s Military, Member, and Criminal Engagement in Africa)」 [ジュネーブ:国際組織犯罪に対するグローバル・イニシアティブ、2023年2月])
二つ目は、安全保障部隊支援(SFA)が安全保障関係者の地位や影響力を内部的にどのように変化させるかという点である。安全保障部隊支援(SFA)は安全保障関係者全体の地位を向上させるかもしれないが、その一方で、機会や装備の配分が現実的か否かにかかわらず不均衡になると、内部のパワー・バランスが崩れる可能性がある。それどころか、国防総省の指導者たちは、安全保障部隊支援(SFA)の大盤振る舞いを特定の部隊に向けることで、安全保障部門を分断し、全体として弱体化させ、ひいてはクーデターによる支配をより強固なものにしようとすることが多い。
三つ目は、先の2つに関連して、米国が長期的なコミットメントを明確にしていない場合、指導者たちはこうしたリスクのある大幅な変革は考えないということである[25]。戦術的、作戦的な取組みは、統治や専門化に関する取組みよりも早く実現する傾向があることから、パートナー国(PN)はしばしば特定の利益を強調し、他の利益を軽視する。
権威主義国家(authoritarian state)であるロシアは、米国のような心配はしておらず、ワグネル・グループやプリゴジン・イニシアティブ(Prigozhin initiatives)を通じた活動は、現地のインセンティブや機会に沿ったものである。分析者たちは、アフリカの指導者の多くが異なる動機を持っているだけでなく、現代の国際情勢もまた、彼らの目的を達成するための特別な道を提供していることを認識している。
ミック・ムーア(Mick Moore)が言うように、典型的な先進国の一方的な指揮・統制の理想像に目を奪われてはならない。むしろ、「能力(capacity)は、国家機構内、国家間、国家主体(state actors)と非国家主体(non-state actors)との間のネットワークとつながりの強さと動員能力から、より多くのものを導き出す」ことを理解する必要がある[26]。
資源と正統性は、ますます内部からではなく、外部からもたらされるようになっている。安全保障という具体的な領域では、指導者は、軍事力の行使を通じて、国民と国家との関係を構築し、その正当性を確認するために国民に頼る必要はないかもしれない[27]。内部の資源を最小限に抑え、外部の人間を利用することもできる。
中央アフリカ共和国(CAR)とマリ(Mali)の指導者は、国家の脆弱性を高める可能性があるにもかかわらず、これを利用している。中央アフリカ共和国(CAR)では、ロシアで訓練を受けた現地要員が欧州連合(EU)の訓練ミッション(2021年12月に中断)に再統合されなかったため、並列的な治安構造の下地ができた[28]。
さらに、特に機密性の高い仕事は外国人だけに任されていた。セワ・セキュリティ・サービス(Sewa Security Services)は、ワグネル・グループやプリゴジン(Prigozhin)と連携し、ファウスティン・アルチェンジ・トゥアデラ(Faustin-Archange Touadera)大統領や政府の主要メンバーに警備の詳細を提供している。選挙関連の暴力やトゥアデラ政権を脅かす不安定な情勢を懸念し、2020年12月にはワグネル・グループの国内人員も増加した。
2022年末頃、中央アフリカ共和国での訓練を監督するワグネル・グループのメンバー。
(写真提供:グレイ・ダイナミクス社、アーメド・ハッサン氏経由、ロシア政府)
マリ(Mali)に関しては、ワグネル・グループは、その緊密な保護活動(protection activities)を通じて、同国の民主的な将来を再調整しながら、支配層の支配を阻止している。当初は1年半の移行期間が設けられる予定だったが、現在は選挙が2026年に延期され、5年間となった。
国際戦略研究センター(CISS)が認識しているように、「マリ(Mali)の政権がロシアとワグネル・グループに寝返ったのは、国内の安全保障に有意義に対処するためではなく、国内の政治的立場を強化するためである」[29]。また、資源採掘に関するインセンティブ構造にも注目してほしい。
アフリカの多くの国で見られるいわゆる「資源の呪い(resource curse)」は、エリートが資源開発から利益を得ることを可能にし、その結果、彼らの支配/統治を強固なものにしている。エリートたちは、サービスや安全保障の見返りとして、税金や取組みの見返りを市民に求めるのではなく、グローバル市場に依存することができる[30]。
ワグネル・グループと関連するプリゴジン・ネットワーク(Prigozhin network)は、この「資源の呪い(resource curse)」と結びついており、独自の力学を加えている。中央アフリカ共和国(CAR)では、ロシア進出の見返りとして、プリゴジン(Prigozhin)のもうひとつの企業であるロバイエ・インベスト(Lobaye Invest)が金とダイヤモンドの採掘権を確保している。ワグネル・グループ/セワ・セキュリティー・サービス(Sewa Security Services)は、現場の保護と関税の徴収を行っている[31]。
その収益は同時に、彼らの存在とトゥアデラ(Touadera)政権の存在を支えている。マリ(Mali)に関しては、ワグネル・グループの導入に伴い、3つの金採掘権へのアクセスが可能になった[32]。確かに、マリ(Mali)の鉱物資源は中央アフリカ共和国(CAR)のケースほど頼りにされていないが、その理由のひとつは、多くの採掘地が反政府勢力の支配地域にあること、また中央や部族レベルで採掘を統制していることがある[33]。
とはいえ、ロシアはマリ(Mali)の資源に継続的な関心を示しており、マリ(Mali)の鉱業法が変更され、ロシアによる採掘活動の拡大が可能になったというコメントもある[34]。
人権:Human rights
米国は、安全保障部隊支援(SFA)を受けるパートナー国(PN)軍事部隊の人権遵守(human rights observance)に関して長年関心を持ってきた。1990年代後半以降、リーヒー法(Leahy Law)はこの関心の代表的な現れである。米国務省と米国防総省の双方に適用される法的規定により、米国政府は、「その部隊が重大な人権侵害(gross violations of human rights :GVHR)の遂行に関与していることを示す信頼できる情報がある」パートナー国(PN)軍事部隊に対する安全保障部隊支援(SFA)への資金提供を禁じられている[35]。
これらの違反行為には、レイプ、拷問、超法規的殺人、強制失踪が含まれる。場合によっては、「リーヒ不適格(Leahy-ineligible)」のパートナー国(PN)軍事部隊における人権と法の支配の尊重を促進するための安全保障部隊支援(SFA)は許可されるが、重大な人権侵害につながる信頼できる情報がある個々の部隊員や指揮官については許可されない[36]。
この特別な方針は、2015年の国防授権法(National Defense Authorization Act:NDAA)から生まれ、2017年の国防授権法(NDAA)以降、すべての安全保障部隊支援(SFA)に人権訓練(human rights training)を含めるよう求める要求に組み込まれた[37]。
安全保障部隊支援(SFA)のパートナー国(PN)部隊がその後、違反を犯した場合、米国にとって二重の意味で厄介なことになるのは当然である。ひとつは、米国が加担しているように見えること、もうひとつは、特定のパートナー国(PN)との関係を正当化し、維持することが難しくなることである。
分析によれば、このような違反(violations)がアフリカで起こった多くの事例が確認されており、このような侵害(transgressions)を制限するために安全保障部隊支援(SFA)の大幅な削減を求める論拠となっている[38]。米国の安全保障上の必要性から、条件性が行使されず、それでもなおパートナー国(PN)との関係が維持される場合、ワシントンの人権へのコミットメントは「流動的(fluid)」と軽蔑的にみなされ、その評判(reputation)は損なわれる[39]。
確かに、ワグネル・グループのアフリカでの活動は人権批判(human rights criticism)に直面してきた。たとえば、2021年にワグネル・グループが中央アフリカ共和国(CAR)の要員とともに攻勢をかけた活動のさなか、人権高等弁務官事務所(Office of the High Commissioner of Human Rights)は「大量略式処刑、恣意的な拘束、尋問中の拷問、強制失踪、民間人の強制移住、民間施設の無差別標的化、健康に対する権利の侵害、人道支援活動家への攻撃の増加に関する報告」を受けた[40]。
同様に、2022年、マリ(Mali)の国連多次元統合安定化ミッションは、マリ(Mali)の兵士によって引き起こされた「国際人権法および人道法の重大な違反の大幅な急増」を特定し、「多くの場合、ロシアの要素を伴った」[41]。
2014年5月5日、中央アフリカ共和国のガム村にある伝統的な鉱山で、子供たちが金の採掘を行っている。ワグネル・グループのマリや中央アフリカ共和国での活動には、ロシアの採掘利権が絡んでいることが頻繁に報告されている。鉱山労働者に対する多数の致命的な攻撃や、採掘のための児童労働の搾取に関する一般的な慣行は、ワグネル・グループの工作員によるものとされている。
(写真提供:イスフ・サノゴ、フランス通信社)
ブルッキングス研究所(Brookings Institution)の調査は、この違いを強調している。ワグネル・グループは、「米国とは異なり、人権的責任に制約されることなく、対反乱・対テロ作戦を実施する能力を提供し、アフリカ政府が好きなだけ残忍な軍事的取組み(military efforts)を行うことを可能にしている」[42]。
その結果、条件設定(conditionality)は存在せず、ワグネル・グループを通じたアフリカでのロシアのプレゼンスに人権上の問題が生じることもない。政策面では、ロシアはリベラルなスタンスに反して、暴力の効用と主権を重視し、人権(human rights)をあまり重視しない安定化アプローチに従っている[43]。
中央アフリカ共和国(CAR)とマリ(Mali)の指導部の観点から見ると、この暴力と主権への依存により、歓迎されない介入を回避し、不安を封じ込め、国内の課題に対応する上でより自由な手を与えることができる[44]。さらに、ワグネル・グループを支援する部隊やワグネル・グループ職員の人権侵害(human rights transgressions)は、二つの点で法的にクレムリンに悪影響を及ぼすことはない。
ひとつは、クレムリンが指揮・統制関係を否定できるようにする、前述のワグネル・グループの不透明さに関連している。傭兵(mercenaries)の使用に関する国連作業部会の議長であるソーチャ・マクラウド(Sorcha MacLeod)にとって、「ロシア国家とグループとの距離」は意図的なものだ。「グループは不透明な状況で活動しており、本当に透明性が欠如しており、それがすべてだ」[45]。
二つ目は、ロシアが国連を通じて外交的なトップカバーを広げていることだ。2022年の中央アフリカ共和国(CAR)では、ロシアと現地の職員による虐待を調査しようとする米国の試みを、ロシアは国連安全保障理事会で押し切った。また、国連武器禁輸監視団の更新も阻止した。
マリ(Mali)の場合、ロシアは2022年3月にモウラ(Moura)で起きた、マリ(Mali)兵とワグネル・グループのメンバーによって約300人が殺害されたとされる事件について、国連が独立調査を開始するのを妨げた。これらを総合すると、さらなる精査からの保護は、ロシアのアプローチを強固なものにし、アフリカのパートナーに対するロシアの継続的なコミットメントを象徴するものである。
次の段階:Next Steps
ワグネル・グループを通じたロシアの活動は、アフリカにおける米国の安全保障部隊支援(SFA)の再構築と再活性化の動機となりうる。前述のように、安全保障部隊支援(SFA)は米国の主要な関与形態ではあるが、それは、気まぐれな政治的および制度的支援のみを享受するアプローチでであることが多い[46]。このことは、先に分析した範囲と時期の狭さを補強している。
競争が米国の政策立案者を掌握し、不謹慎にも「戦略的ディザリング(strategic dithering)」と呼ばれてきた政策を後退させる可能性がある[47]。これはロシアのアプローチを模倣することではない。それは米国から見れば単に最下位への競争に過ぎない。代わりに、競争はアフリカ諸国との必要かつ継続的なパートナーシップの(再)開始につながる可能性があるが、それは単にワグネル・グループに強力な代替手段を提供するためではない。
むしろ、米国の安全保障部隊支援(SFA)が実を結ぶためには、実質的なパートナーシップが必要である。米国の安全保障部隊支援(SFA)は、政治的、文化的な関係や理解を深めるためのものである。さらに、安全保障部隊支援(SFA)は客観的に見てパートナー国(PN)に多くのことを要求するだけでなく、パートナー国(PN)の指導者たちにもやり方を変えたり、リスクを冒したり、他のインセンティブに従ったりすることを求めていることを認識している。
米国の支援と援助が長期にわたって行われることを理解し、変化は段階的にしか起こらない可能性があることを認識することが重要である。ロシアとの競争はこのアプローチの根拠となるかもしれないが、米国の政策立案者は安全保障部隊支援(SFA)を通じた効果的なパートナーシップを目標として見失うべきでない。
2022年12月1日、バンギで行われた軍事パレードで、中央アフリカ共和国独立64周年を祝うために到着し、群衆に手を振る中央アフリカ共和国のファウスティン・アルチェンジ・トゥアデラ(Faustin-Archange Touadera)大統領を警護するワグネル・グループの工作員
(写真提供:バーバラ・デバウト、フランス通信社)
この競争はさらに激化し、米国のシフトの緊急性はさらに高まるだろう。ワグネル・グループの現在の存在は、2014年のクリミア侵攻後、米国などが実施した経済的・政治的孤立から逃れるために開始された、より大きなロシアの「アフリカへの軸足(pivot to Africa)」の一部である。
それ以来、多様化を進めるため、クレムリンは20カ国以上のアフリカ諸国と軍事協定を結び、ロシアの採掘企業はアフリカ大陸での拠点を拡大してきた。2022年のウクライナ侵攻以降、制裁の影響を避け、主導権を握ろうとするクレムリンの勢いは増すばかりだ。
金とダイヤモンドの採掘と販売は、ロシアの銀行部門に対する制裁を回避することができる[48]。アフリカの天然資源採掘にロシアが投資すれば、違法に得た資金の洗浄が可能になるかもしれない[49]。また、アフリカの石油やガスの権益を開発することで、クレムリンはヨーロッパ諸国がどのようにエネルギー需要を満たすかについて、より大きな影響力を持つことになる[50]。
従って、2022年にワグネル・グループの一部の要員がロシアの作戦を支援するためにウクライナに移ったとはいえ、グループの部隊の大半が中央アフリカに留まったことは示唆的である[51]。これは、既存のアフリカのパートナーに対するコミットメントを示すとともに、ワグネル・グループを通じてロシアが提供するものに惹かれるかもしれない他のパートナーに対する決意を示している。
確かに、多くのアフリカ諸国はそのように考えている。これもまた、米国が長期的なパートナーになれるかどうかわからないという不安と相まって、米国の安全保障部隊支援(SFA)にかなりの要求があることに部分的に関係している。ロシアがワグネル・グループの関与を通じて提供するのは、同じようなしがらみのない、競争する代替案である。
しかし、魅力(attractiveness)は、ロシアの立場に対するアフリカ人の共感にも明らかである。2022年のウクライナ侵攻を受けて、国連総会の非難や国連人権理事会からのロシアの資格停止処分における棄権者数が最も多かったのはアフリカからだった。
また、アフリカ諸国もロシアへの経済制裁を全面的に受け入れているわけではない。トニー・ブレア地球変動研究所(Tony Blair Institute for Global Change)が強調しているように、「米国とその国際同盟の影響力を弱めようとするプーチン(Tony Blair Institute for Global Change)の取組みにとって、アフリカは急速に重要な存在になりつつある」のである[52]。
終わりに当たって:Concluding Remarks
ロシアはソビエト連邦のような意図的で大規模な活動をしているわけでも、中国のような成長しつつある力を持っているわけでもないが、ロシアは「ニッチな強み(niche strengths)」を利用して、効果的に「自重以上のパンチ力(punch above its weight)」を発揮してきたと認識するのが妥当だろう[53]。ワグネル・グループは、その行動、能力、不透明性を考えると、中央アフリカ共和国(CAR)とマリ(Mali)で適用されたニッチのひとつを形成している。
そのため、ロシアを単に「地政学的なグレムリン(a geopolitical gremlin)」と見なすべきではない[54]。ロシアには一定の到達目標があり、それは部分的には地位向上への欲求に基づくものであり、部分的には2014年以降、そして2022年のウクライナ侵攻以降、ロシアが孤立を深めていることを受けての必要性に基づくものである。
ワグネル・グループを通じて提供されるのは、アフリカの政治状況や彼らが直面するインセンティブを考慮すれば、アフリカの指導者によっては魅力的に映るかもしれない、まったく異なる手段や目標を持つ、競争する別の関与方法(method of engagement)である。このことは、米国の安全保障部隊支援(SFA)の取組みを圧迫するが、ロシアの挑戦への対応以上の長期的なパートナーシップの形成を通じて、方向転換を可能にする可能性がある。
本稿から導かれる今後の研究課題については、外部と内部の両方に目を向けることができる。対外的には、米国の政策立案者がアフリカにおける支援と援助を、志を同じくする西側の同盟国に求めていることは明らかである[55]。
ここで重要なのは、安全保障部隊支援(SFA)の外国の提供者も同様に、ロシアの行動空間(space to maneuver)を制限するだけでなく、アフリカ諸国とのパートナーシップを長期的に発展させ、維持することに尽力することである。内部的には、安全保障部隊支援(SFA)を提供する米軍は、訓練、言語能力の成熟(maturing of language competencies)、適時の承認と昇進の面で、しばしば短期間で変更するという批判がある[56]。アフリカ諸国とのパートナーシップを精力的に維持し、すべての当事者にとって有益なものにするには、米軍のエコシステム内部でこうした変動要因を考慮し続ける必要がある。
ノート
[1] Note the arguments and the literature review in Jahara Matisek and William Reno, “Getting American Security Force Assistance Right: Political Context Matters,” Joint Force Quarterly 92 (1st Quarter, 2019): 65?73, accessed 26 April 2023, https://ndupress.ndu.edu/Portals/68/Documents/jfq/jfq-92/jfq-92_65-73_Matisek-Reno.pdf.
[2] Joint Publication (JP) 3-20, Security Cooperation (Washington, DC: U.S. Government Publishing Office [GPO], 23 May 2017), B-1, accessed 11 April 2023, https://www.jcs.mil/Portals/36/Documents/Doctrine/pubs/jp3_20_20172305.pdf.
[3] Stephen Biddle et al., “Small Footprint, Small Payoff: The Military Effectiveness of Security Force Assistance,” Journal of Strategic Studies 41, no. 1-2 (2018): 132, https://doi.org/10.1080/01402390.2017.1307745.
[4] Stephen Watts et al., Building Security in Africa: An Evaluation of U.S. Security Sector Assistance in Africa from the Cold War to the Present (Santa Monica, CA: RAND Corporation, 2018), 23, accessed 11 April 2023, https://www.rand.org/pubs/research_reports/RR2447.html.
[5] Other substantial Wagner Group engagements include Libya, Madagascar, Mozambique, and Sudan.
[6] Column Lynch et al., “Russia Flounders in Ukraine but Doubles Down in Mali,” Foreign Policy (website), 14 April 2022, accessed 15 May 2023, https://foreignpolicy.com/2022/04/14/russia-ukraine-mali-wagner-group-mercenaries/.
[7] Raphael Parens, The Wagner Group’s Playbook in Africa: Mali (Philadelphia: Foreign Policy Research Institute, 18 March 2022), accessed 11 April 2023, https://www.fpri.org/article/2022/03/the-wagner-groups-playbook-in-africa-mali/; Catrina Doxsee, “Massacres, Executions, and Falsified Graves: The Wagner Group’s Mounting Humanitarian Cost in Mali,” Center for Strategic and International Studies, 11 May 2022, accessed 11 April 2023, https://www.csis.org/analysis/massacres-executions-and-falsified-graves-wagner-groups-mounting-humanitarian-cost-mali.
[8] Adam R. Grissom et al., Russia’s Growing Presence in Africa: A Geostrategic Assessment (Santa Monica, CA: RAND Corporation, 2022), 18, accessed 11 April 2023, https://www.rand.org/pubs/research_reports/RR4399.html.
[9] Christopher Spearin, Private Military and Security Companies and States: Force Divided (London: Palgrave Macmillan, 2017), 2.
[10] U.S. Secretary of Defense, Quadrennial Defense Review Report (Washington, DC: U.S. Department of Defense, 6 February 2006), 4, accessed 11 April 2023, https://history.defense.gov/Portals/70/Documents/quadrennial/QDR2006.pdf?ver=2014-06-25-111017-150.
[11] For these examples, please see the following: Danielle Paquette, “Russian Mercenaries Have Landed in West Africa, Pushing Putin’s Goals as Kremlin Is Increasingly Isolated,” Washington Post (website), 9 March 2022, accessed 11 April 2023, https://www.washingtonpost.com/world/2022/03/09/mali-russia-wagner/; Declan Walsh, “Putin’s Shadow Soldiers: How the Wagner Group Is Expanding in Africa,” New York Times (website), 31 May 2022, accessed 11 April 2023, https://www.nytimes.com/2022/05/31/world/africa/wagner-group-africa.html; Nick Mitchell, “What Is the Wagner Group?,” National World, 24 March 2022, accessed 11 April 2023, https://www.nationalworld.com/news/world/wagner-group-russian-mercenaries-ukraine-3589837; Justin Ling, “Moscow Turns U.S. Volunteers into New Bogeyman in Ukraine,” Foreign Policy (website), 15 March 2022, accessed 11 April 2023, https://foreignpolicy.com/2022/03/15/russia-mercenaries-volunteers-ukraine/.
[12] U.S. Department of Defense Inspector General, East Africa Counterterrorism Operation and North and West Africa Counterterrorism Operation: Lead Inspector General Report to the United States Congress, 1 July 2020?30 September 2020 (Washington, DC: U.S. Department of Defense, 2020), 36, accessed 11 April 2023, https://media.defense.gov/2020/Nov/25/2002541626/-1/-1/1/LEAD%20IG%20EAST%20AFRICA%20AND%20NORTH%20AND%20WEST%20AFRICA%20COUNTERTERRORISM%20OPERATIONS.PDF.
[13] Patrick Wintour, “Russia’s Wagner Group ‘Have as Much Power in Kremlin as Ministers,’” The Guardian (website), 1 November 2022, accessed 11 April 2023, https://www.theguardian.com/world/2022/nov/01/russias-wagner-group-have-as-much-power-in-kremlin-as-ministers. Though Yevgeny Prigozhin long denied his connection with the Wagner Group, he finally acknowledged it in September 2022.
[14] Catrina Doxsee, “Putin’s Proxies: Examining Russia’s Use of Private Military Companies” (testimony, Washington, DC: House Oversight and Reform Subcommittee on National Security, 15 September 2022), 1, accessed 15 May 2023, https://csis-website-prod.s3.amazonaws.com/s3fs-public/congressional_testimony/ts220915_Doxsee.pdf?VersionId=vq98tVmBbPiPezNppw52ANt_nrnaj8yP.
[15] Sergey Sukhankin, “War, Business and Ideology: How Russian Private Military Contractors Pursue Moscow’s Interests,” Jamestown Foundation, 20 March 2019, accessed 11 April 2023, https://jamestown.org/program/war-business-and-ideology-how-russian-private-military-contractors-pursue-moscows-interests/.
[16] Federal Acquisition Regulation for Contractor Personnel in a Designated Operational Area or Supporting a Diplomatic or Consular Mission, 73 Fed. Reg. 10944 (28 February 2008) (to be codified at 48 C.F.R. pts. 2, 7, 12, 25, 52), accessed 15 May 2023, https://www.govinfo.gov/content/pkg/FR-2008-02-28/pdf/FR-2008-02-28.pdf.
[17] Anthony H. Cordesman, Russia and the Color Revolution: A Russian Military View of a World Destabilized by the US and the West (Key Briefs) (Washington, DC: Center for Strategic and International Studies, 28 May 2014), accessed 11 April 2023, https://csis-website-prod.s3.amazonaws.com/s3fs-public/legacy_files/files/publication/140529_Russia_Color_Revolution_Summary.pdf.
[18] Watts et al., Building Security in Africa, 24.
[19] Oystein H. Rolandsen, Maggie Dwyer, and William Reno, “Security Force Assistance to Fragile States: A Framework of Analysis,” Journal of Intervention and Statebuilding 15, no. 5 (2021): 573, https://doi.org/10.1080/17502977.2021.1988224.
[20] Rita Abrahamsen, “Defensive Development, Combative Contradictions: Towards an International Political Sociology of Global Militarism in Africa,” Conflict, Security & Development 19, no. 6 (2019): 544?45, https://doi.org/10.1080/14678802.2019.1688960.
[21] Ibid.
[22] Stephanie Burchard and Stephen Burgess, “U.S. Training of African Forces and Military Assistance, 1997?2017: Security versus Human Rights in Principal-Agent Relations,” African Security 11, no. 4 (2018): 345, https://doi.org/10.1080/19392206.2018.1560969.
[23] Rita Abrahamsen, “Return of the Generals? Global Militarism in Africa from the Cold War to the Present,” Security Dialogue 49, no. 1-2 (2018): 25, https://doi.org/10.1177/0967010617742243.
[24] Antony J. Blinken, “Video Remarks to the G5 Sahel Summit,” U.S. Department of State, 16 February 2021, accessed 11 April 2023, https://www.state.gov/video-remarks-to-the-g5-sahel-summit/.
[25] For analysis such as this, see Matisek and Reno, “Getting American Security Force Assistance Right,” 66?67; Rolandsen, Dwyer, and Reno, “Security Force Assistance to Fragile States,” 569; Burchard and Burgess, “U.S. Training of African Forces and Military Assistance,” 347; Jahara Matisek, “International Competition to Provide Security Force Assistance in Africa: Civil-Military Relations Matter,” PRISM 9, no. 1 (October 2020): 104, accessed 1 May 2023, https://ndupress.ndu.edu/Media/News/News-Article-View/Article/2383173/international-competition-to-provide-security-force-assistance-in-africa-civil/.
[26] Mick Moore, “Globalisation and Power in Weak States,” Third World Quarterly 32, no. 10 (November 2011): 1761, https://doi.org/10.1080/01436597.2011.610572.
[27] Lawrence W. Serewicz, “Globalization, Sovereignty and the Military Revolution: From Mercenaries to Private International Security Companies,” International Politics 39, no. 1 (March 2002): 85, https://doi.org/10.1057/palgrave.ip.8895132.
[28] Kimberly Marten, “Russia’s Back in Africa: Is the Cold War Returning?,” Washington Quarterly 42, no. 4 (2019): 163, https://doi.org/10.1080/0163660X.2019.1693105.
[29] Jared Thompson, Catrina Doxsee, and Joseph S. Bermudez Jr., “Tracking the Arrival of Russia’s Wagner Group in Mali,” Center for Strategic and International Studies, 2 February 2022, accessed 11 April 2023, https://www.csis.org/analysis/tracking-arrival-russias-wagner-group-mali.
[30] Moore, “Globalisation and Power in Weak States,” 1765; Daniel Kaufmann, “Poverty in the Midst of Abundance: Governance Matters for Overcoming the Resource Curse,” Brookings Institution, 13 September 2012, accessed 11 April 2023, https://www.brookings.edu/opinions/poverty-in-the-midst-of-abundance-governance-matters-for-overcoming-the-resource-curse/.
[31] Mucahid Durmaz and Murtala Abdullahi, “‘White Hands’: The Rise of Private Armies in African Conflicts,” Al Jazeera, 28 April 2022, accessed 11 April 2023, https://www.aljazeera.com/features/2022/4/28/white-hands-the-rise-of-private-militaries-in-african-conflict.
[32] Jared Thompson, “The Wagner Group Has Its Eyes on Mali: A New Front in Russia’s Irregular Strategy,” Modern War Institute at West Point, 14 October 2021, accessed 11 April 2023, https://mwi.usma.edu/the-wagner-group-has-its-eyes-on-mali-a-new-front-in-russias-irregular-strategy/.
[33] Parens, The Wagner Group’s Playbook in Africa.
[34] “French Commander Accuses Wagner of ‘Preying’ on Mali,” The Defense Post, 22 July 2022, accessed 11 April 2023, https://www.thedefensepost.com/2022/07/22/french-commander-wagner-mali/.
[35] “About the Leahy Law,” U.S. Department of State, 20 January 2021, accessed 11 April 2023, https://www.state.gov/key-topics-bureau-of-democracy-human-rights-and-labor/human-rights/leahy-law-fact-sheet/.
[36] Ibid.
[37] Burchard and Burgess, “U.S. Training of African Forces and Military Assistance,” 340.
[38] Kersti Larsdotter, “Security Assistance in Africa: The Case for Less,” Parameters 45, no. 2 (Summer 2015): 28?29, 32, https://doi.org/10.55540/0031-1723.2906.
[39] Burchard and Burgess, “U.S. Training of African Forces and Military Assistance,” 364.
[40] “CAR: Experts Alarmed by Government’s Use of ‘Russian Trainers’, Close Contacts with UN Peacekeepers,” Office of the High Commissioner for Human Rights, 31 March 2021, accessed 11 April 2023, https://www.ohchr.org/en/press-releases/2021/03/car-experts-alarmed-governments-use-russian-trainers-close-contacts-un.
[41] Simon Marks, “UN Probes Allegations of Russian Mercenary Rights Abuses in Mali,” Bloomberg, 11 March 2022, accessed 11 April 2023, https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-03-11/un-probes-allegations-of-russian-mercenary-rights-abuses-in-mali.
[42] Federica Saini Fasanotti, “Russia’s Wagner Group in Africa: Influence, Commercial Concessions, Rights Violations, and Counterinsurgency Failure,” Order from Chaos (blog), Brookings Institution, 8 February 2022, accessed 11 April 2023, https://www.brookings.edu/blog/order-from-chaos/2022/02/08/russias-wagner-group-in-africa-influence-commercial-concessions-rights-violations-and-counterinsurgency-failure/.
[43] David Lewis, “Contesting Liberal Peace: Russia’s Emerging Model of Conflict Management,” International Affairs 98, no. 2 (2022): 660, https://doi.org/10.1093/ia/iiab221.
[44] Serewicz, “Globalization, Sovereignty and the Military Revolution,” 84. However normatively problematic from a Western viewpoint, these dynamics have been long understood.
[45] Victoria Kim, “What Is the Wagner Group?,” New York Times (website), 31 March 2022, accessed 11 April 2023, https://www.nytimes.com/2022/03/31/world/europe/wagner-group-russia-ukraine.html.
[46] Matisek and Reno, “Getting American Security Force Assistance Right,” 71; Watts et al., Building Security in Africa, xviii?xix; Jahara Matisek, “The Crisis of American Military Assistance: Strategic Dithering and Faberge Egg Armies,” Defense & Security Analysis 34, no. 3 (2018): 270, https://doi.org/10.1080/14751798.2018.1500757.
[47] Matisek, “The Crisis of American Military Assistance,” 270.
[48] Mikhail Klimentyev, “Putin’s Exploitation of Africa Could Help Him Evade Sanctions,” Time (website), 10 March 2022, accessed 11 April 2023, https://time.com/6165246/putin-africa-evade-sanctions/.
[49] Ase Gilje Ostensen and Tor Bukkvoll, “Private Military Companies ? Russian Great Power Politics on the Cheap?,” Small Wars & Insurgencies 33, no. 1-2 (2022): 141, https://doi.org/10.1080/09592318.2021.1984709.
[50] Janos Beseny?, “The Africa Policy of Russia,” Terrorism and Political Violence 31, no. 1 (2019): 137, https://doi.org/10.1080/09546553.2018.1555976.
[51] Amy Mackinnon and Robbie Gramer, “Russian Mercenaries Staged Atrocities in Mali, France Says,” Foreign Policy (website), 26 April 2022, accessed 11 April 2023, https://foreignpolicy.com/2022/04/26/russian-mercenaries-staged-atrocities-mali-france-says/. One can also note, qualitatively, that the use of convicts to fill out the Wagner Group’s ranks in Ukraine did not extend to Africa.
[52] Emman El-Badawy et al., Security, Soft Power and Regime Support: Spheres of Russian Influence in Africa (London: Tony Blair Institute for Global Change, 23 March 2022), accessed 11 April 2023, https://www.institute.global/insights/geopolitics-and-security/security-soft-power-and-regime-support-spheres-russian-influence-africa.
[53] Martin Russell and Eric Pichon, “Russia in Africa: A New Arena for Geopolitical Competition” (Brussels: European Parliamentary Research Service, November 2019), 2, accessed 11 April 2023, https://www.europarl.europa.eu/RegData/etudes/BRIE/2019/642283/EPRS_BRI(2019)642283_EN.pdf; Nathaniel Reynolds, Putin’s Not-So-Secret Mercenaries: Patronage, Geopolitics, and the Wagner Group (Washington, DC: Carnegie Endowment for International Peace, July 2019), 1, accessed 11 April 2023, https://carnegieendowment.org/2019/07/08/putin-s-not-so-secret-mercenaries-patronage-geopolitics-and-wagner-group-pub-79442.
[54] Terminology taken from Robert Dalsjo, Michael Jonsson, and Johan Norberg, “A Brutal Examination: Russian Military Capability in Light of the Ukraine War,” Survival 64, no. 3 (2022): 22, https://doi.org/10.1080/00396338.2022.2078044.
[55] “Secretary Antony J. Blinken at a Virtual Panel Session on ‘A Just and Lasting Peace in Ukraine,’” U.S. Department of State, 28 March 2023, accessed 15 May 2023, https://www.state.gov/secretary-antony-j-blinken-at-a-virtual-panel-session-on-a-just-and-lasting-peace-in-ukraine/; “Blinken says West has More to Offer Troubled Sahel than Russia,” Radio France Internationale, 17 March 2023, accessed 15 May 2023, https://www.rfi.fr/en/international-news/20230317-blinken-says-west-has-more-to-offer-troubled-sahel-than-russia.
[56] See, for instance, Matisek and Reno, “Getting American Security Force Assistance Right,” 67.
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インドネシア軍がトルコ製UCAVを調達、アジア諸国のAnka導入は3ヶ国目
https://grandfleet.info/indo-pacific-related/indonesian-military-procures-turkish-made-ucavs-third-asian-country-to-introduce-anka/
『カザフスタン軍やマレーシア軍に続きインドネシア軍もトルコ製UCAV「Anka」を選択、新たな成功と成長を求めてアジア市場に狙いを定めたトルコ航空宇宙産業が着実に受注を伸ばしている。
参考:Indonesia buys 12 Anka drones from Turkey’s TAI business
取得するAnkaの半分は技術移転が行われインドネシアで生産されるらしい
インドネシアはMQ-1やCH-4に相当するMALE(中高度を長時間飛行できる無人機を指すカテゴリー)タイプのUCAV「Black Eagle」開発を2015年に開始、風洞モデルのテストを経て2019年末にプロトタイプを公開したものの、飛行テストを行わないまま開発が中止(理由は不明)され、インドネシア国防省は2日「トルコ航空宇宙産業(TAI)から12機のAnkaを購入した」と発表した。
Ankaは当初「非武装のISR向けUAV」として2010年に実用化されたが、武装可能なUCAVバージョンのAnka-A、合成開口レーダーを追加したAnka-B、衛星通信に対応したAnka-Sへと発展、さらにAnkaを双発化して大型化したAnka-I、Anka-Sを双発化したAnka-IIがあり、もはやAnkaシリーズの原型を留めないジェットエンジンを搭載したステルスUCAV「Anka-III」が今年3月に公開され、まもなく初飛行に挑戦する予定だ。
BAYKARの成功が規格外過ぎて「Ankaシリーズ」の存在は忘れられがちだが、海外市場では着実に受注を伸ばしており、トルコ軍、チェニジア軍、チャド軍、カザフスタン軍(共同生産)、マレーシア軍、パキスタン軍が採用、今年の6月には「094」と書かれたAnka-Sが確認されているため「シリーズ全体」の総生産は3桁に到達している可能性があり、6月に総生産数が500機を越えたTB2、約1年で運用国を7ヶ国に増やしたAkinciの成功を除外すれば「非常に人気の高いUAV」と言えるだろう。
インドネシア国防省が購入したAnkaのバージョン(Anka-BかAnka-Sのどちらか)は明かされていないが、トルコメディアも海外メディアも「契約の価値は3億ドル相当だ」と報じているので、関連費用を含む1機あたりの取得コストは2,500万ドル(調達単価ではない)となり、しかも取得するAnkaの半分は技術移転が行われインドネシアで生産されるらしい。
欧州・中東・アフリカの無人機市場でTAIやBAYKARはトップの地位を確立したため、新たな成功と成長を求めてアジア市場に狙いを定めており、恐らくAnka-SはTAIがアジアを攻略するための尖兵なのだろう。
関連記事:トルコが狙うアジアの無人機市場、マレーシアもトルコ製UCAVを選択
関連記事:来日中のトルコ外相、UCAVを含むトルコ製装備品の導入を日本に提案か
関連記事:カザフスタン、MQ-1Cに匹敵するUCAVアンカをトルコと共同生産
関連記事:インドネシア、国産UCAV向けの精密誘導兵器をトルコと共同開発
関連記事:サウジアラビアがAkinci導入、トルコは史上最大の武器輸出契約を獲得
※アイキャッチ画像の出典:Turkish Aerospace Industries
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投稿者: 航空万能論GF管理人 インド太平洋関連 コメント: 1 』
ドイツ与党、KEPD350の提供はATACMSとセットでなければならない
https://grandfleet.info/european-region/german-ruling-party-kepd350-must-be-provided-as-a-set-with-atacms/
『英仏は反攻作戦の開始に合わせてストーム・シャドウを提供したが、米独は同等の長距離攻撃兵器の提供を拒否し続けており、ドイツ社会民主党の報道官は6日「KEPD350を提供するならATACMSとセットでなければならない」と言及した。
参考:House’s draft defense bill pressures Pentagon on Space Command HQ
参考:Депутат в?д СДПН п?дтримав постачання в Укра?ну ракет Taurus
米下院がNDAAの盛り込んだ「ATACMSに関する条項」に期待すると失望しかないないので注意した方がいい
米英独仏はウクライナに80km先の目標を攻撃できるGMLRS弾と多連装ロケットシステムを提供、ドニエプル川右岸の占領地=ヘルソン解放で重要な役割を果たしたが、ロシア軍は司令部や兵站拠点をGMLRS弾が届かない地域に移動させ、GMLRS弾の射程圏内もPole-21(半径50km以内のGPS信号を妨害する装置)を用いることでHIMARSやMLRSの攻撃抑制に成功したため、GMLRS弾と多連装ロケットシステムによる攻撃効果は決定的なものでは無くなってしまった。
出典:SAAB GLSDB
そのためウクライナはGMLRS弾よりも遠くの目標を攻撃可能な「長距離攻撃兵器」を要請、これを受けてバイデン政権は今年2月にGLSDB(地上発射型小口径爆弾)の提供を発表、HIMARSやMLRSで使用できるGLSDBは「クラスター弾非活性化のため用済みになるM26弾のロケットモーター」と「アフガニスタン紛争で余ったSDB」を再利用した地上発射型の滑空爆弾で、150km先の目標を攻撃できるものの「現物」がなく初回出荷は10月頃になる予定だ。
英国とフランスは反攻作戦の開始に合わせてストーム・シャドウ(仏名:SCALP-EG)を提供、MTCRの規定に準拠した射程短縮バージョン=300km以下を提供しているのか、オリジナルバージョン=500km以上を提供しているのかは不明だが、これまで手が届かなかったルハンシクやクリミアを攻撃するため同ミサイル(Su-24で運用)を使用して効果を上げている。
出典:Zelenskiy/Official
ただ英国とフランスが提供できる数(英国の推定保有は700発~1,000発/フランスの推定保有は500発)には限りがあり、ウクライナは米国(ATACMS)とドイツ(KEPD350)にも同種の長距離攻撃兵器を提供して欲しいと要求しているが、今のところ実現の目処はついていない。
バイデン政権はATACMSの提供に否定的で、米下院は2024会計年度の国防権限法(NDAA)に「ATACMSをウクライナに供給するための資金」を盛り込んだものの、上院バージョンのNDAAには同種の内容が含まれていないため1本化作業の過程で削除される可能性があり、仮にNDAAの最終バージョンに生き残ったとしてもATACMSがウクライナに届くのは2025年以降になるはずだ。
出典:Photo by John Hamilton MLRSから発射されたATACMS
下院はNDAAの中で「ウクライナ安全保障支援イニシアチブ(USAI)に3億ドルの資金を配分」して「この資金の一部=最低でも8,000万ドルをATACMSの調達に供給しろ」と規定、つまり下院は米軍備蓄から引き出される大統領権限(PDA)経由ではなく、産業界から新たに調達するUSAI経由の資金で「ATACMSをウクライナに送れ」と言っているため、2023年末までにNDAAが成立しても実際の納品までにはリードタイムが発生する。
米陸軍はPrSM(精密ストライクミサイル)の調達に移行しているためATACMSを発注しておらず、ロッキード・マーティンの生産ラインは海外顧客向けで埋まってるため、米陸軍分の契約をウクライナ分の契約として振り替えるも不可能で、予算成立後=2024年にATACMSを発注しても納品されるのは2025年以降、現実的にはもっと時間(各種兵器のリードタイムは現在20ヶ月~60ヶ月)がかかるだろう。
出典:Lockheed Martin PrSM
更に言えば8,000万ドルの資金で調達できるATACMSの数は54発(2022年の単価は約147万ドル)に過ぎず、下院がNDAAの盛り込んだ「ATACMSに関する条項」に期待すると失望しかないないので注意した方がいい。
因みに新アメリカ安全保障センターが6月に発表したレポートによると各種兵器の年間生産数とリードタイムは以下のようになっている。
兵器 ウクライナ提供数(2023年5月時点) 年間生産数 リードタイム
GMLRS弾 約5,500発 2023年:14,004発 18ヶ月
2024年:14,004発 20ヶ月
ジャベリン 約10,000発 2023年:2,100発 57ヶ月
2024年:ー ー
スティンガー 約1,600発 2023年:生産なし ー
2025年:720発 60ヶ月
エクスカリバー砲 約7,000発 2023年:200発 18ヶ月
2024年:400発 27ヶ月
AMRAAM 非公開 2023年:400発 24ヶ月
2024年:1,200発 52ヶ月
PAC-3弾 非公開 2023年:550発 29ヶ月
2024年:ー ー
APKWS 非公開 2023年:25,000発 不明
2024年:ー ー
追記:ドイツ政府もKEPD350の提供を拒否、ピストリウス国防相も「ドイツがKEPD350を提供する必要性を感じない。ドイツの役割は防空システムや装甲車輌の供給だ」と主張していたが、議会の主要政党はKEPD350の提供を求めており、ドイツ社会民主党の報道官は6日「米国と共同でならKEPD350のような兵器の供給の可能だ」と言及、つまりレオパルト2とエイブラムスの提供と同じとやり方=KEPD350を提供するならATACMSとセットでなければならないという意味だ。
もしATACMSをウクライナに早く提供するなら「PDA経由による提供」をバイデン大統領が決断しなければならないが、米国もPrSMを十分確保できるまでATACMS(恐らく欧州や中東でのリスクに備える目的)を手放す訳には行かないため中々難しい問題と言える。
関連記事:米国、150km先を攻撃可能な長距離攻撃兵器を含むウクライナ支援を発表
関連記事:英国がウクライナへのストーム・シャドウ提供を発表、クリミア大橋が攻撃可能に
関連記事:マクロン大統領、NATO首脳会議でSCALP-EGのウクライナ提供を発表
関連記事:米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ドル
関連記事:ドイツ政府、ウクライナからKEPD350提供に関する要請を受け取る
※アイキャッチ画像の出典:Philipp Hayer/CC BY-SA 3.0
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投稿者: 航空万能論GF管理人 欧州関連 コメント: 16 』
米紙、ウクライナ軍とロシア軍の戦いは短距離走ではなくマラソンだ
https://grandfleet.info/us-related/ukrainian-russian-warfare-is-a-marathon-not-a-sprint/
『ウクライナ軍は反攻作戦に関する情報提供を制限してきたが、最近は報道関係者に前線や兵士への取材を許可するようになり、ニューヨーク・タイムズ紙も南部戦線で戦っているウクライナ人兵士に取材を行い「この戦いは短距離走ではなくマラソンだ」と報じている。
参考:‘It’s Not a Sprint,’ Ukraine’s Marines Insist. ‘It’s a Marathon.’
各国のウクライナ支援は強化され続けており、最も重要なウクライナ人の戦意が折れていない以上、この戦いはまだまだ続くだろう
ニューヨーク・タイムズ紙に取材が許されたのは南部戦線で戦う第35海兵旅団、第37海兵旅団、第38海兵旅団で、同旅団の指揮官達は「数日間の戦闘で多くの死傷者が発生した。この作戦に参加した殆どの部隊にとって初めての戦闘で過酷な経験だった。新兵の中には精神的に参っているものいる」と明かしたが、この大損害も戦闘経験が豊富な指揮官達にとっては日常的な出来事で「我々は過去16ヶ月間の戦いで何度も部隊が壊滅するのを見てきた」と述べ、失った戦車や装甲車輌についても「戦争で装備が失われるのは普通のこと」と気にしていない様子だ。
出典:Telegram経由
第37海兵旅団のオレクサンドル大隊長は「反攻作戦について多くの人は『戦いがハイテンポで進んで秋にはクリミアに入れるだろう』と考えていたが、木々が生い茂るゾーンを1メートル進むだけも非常に困難で、この戦いは短距離走ではなくマラソンだ」と、第38海兵旅団のプロフェット中隊長も「司令官達は非常に慎重なアプローチを採用している。敵は強く狡猾なので、この反撃には着実な準備が必要だ。水が石を切り裂くように、我々も少しづつ進んで行くだろう。最初は小さな流れでも最後には大きな川になるはずだ」と述べているのが興味深い。
因みにニューヨーク・タイムズ紙は取材結果に基づき「少なくとも新たに編成された1個旅団は甚大な人的被害を被り、再編を行うため戦場から撤退した」と報じており、反攻作戦の初手でウクライナ軍が予想外の損害を被ったのは確実だが、これだけで「反攻作戦の成否」や「戦争の行方」を決めるのは早計だろう。
出典:Генеральний штаб ЗСУ
もう珍しくなくなったので取り上げていないが、各国のウクライナ支援は強化され続けており、最も重要なウクライナ人の戦意が折れていない以上、この戦いはまだまだ続く見込みで、ロシア軍も決して余裕というわけではないため何が起きても不思議ではない。
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
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ウクライナの精鋭、失敗から学んだロシア軍は手強く困難な相手に豹変した
https://grandfleet.info/us-related/ukrainian-elite-russian-army-learned-from-failure-turns-into-formidable-and-difficult-opponent/
『ロシア軍と戦うウクライナの特殊部隊は「侵攻初期なら比較的簡単だった作戦も今では要求される犠牲を見極める必要がある」と述べており、敵の背後を叩く作戦にドローンの使用が増えているものの、昨年秋の失敗から学んだロシア軍も無策ではない。
参考:Ukraine’s elite forces rely on technology to strike behind enemy lines
特殊部隊による潜入作戦すら地雷原のため実行不可能、ロシア軍の後方を叩くのにドローンは不可欠
ウクライナのアルファ部隊は厳しい選抜(体力テスト、ポリグラフ検査、心理テストなど)をパスした人材だけで構成される保安庁(SBU)所属の特殊部隊で、侵攻直後はゼレンスキー大統領を含む主要な指導者と政府高官の護衛任務に従事していたものの、現在はアルファ部隊も前線に投入されており、昨年秋の失敗から学んだロシア軍が如何に手強く困難な相手に変貌したかをワシントン・ポスト紙に明かしている。
出典:Служба безпеки Укра?ни
アルファ部隊の兵士は一般的なウクライナ軍兵士よりも練度が高く、少人数編成の部隊で敵に大きなダメージを与える潜入作戦が得意で、砲撃戦=遠距離攻撃が主体の戦場でも敵の背後に回り込み戦果を上げてきたが、オレフ(コールサイン)と呼ばれる指揮官は「地雷のせいで敵の背後に回る込むのはもう不可能だ。もし地雷除去装置を使用すれば居場所を敵に知らせることになる」と述べ、バフムート周辺はザポリージャの戦場に比べて地雷の数が少ないものの、それでもアルファ部隊のチームがロシア軍陣地に近づこうとしただけで14人も犠牲者が出たらしい。
オレフは「我々の部隊にとって14人の損失は大きすぎる。(一方的に我々がやられているのではなく)敵も損失を被っているが、この状況下において我々の損失が妥当なものかは分からない。1年半前や1年前になら比較的に簡単に出来たことも、今は妥当性=要求される犠牲を見極める必要がある」と、ザポリージャ方面で戦うアルファ部隊の兵士も「放棄された敵の塹壕に味方の兵士が近づいた瞬間、仕掛けられていた地雷が爆発し、近くに隠れていたロシア人が銃撃を開始して4人の味方が死亡した。残りの1人は味方の砲撃に助けられ脱出することができた」と明かした。
RAM II UAV was presented at @ForcesForum in Prague, Czech Republic
????Ukraine creates modern trends and technologies in defense and security!#RAMuav #RAMloitering #RAM2com #UA #loiteringmunition pic.twitter.com/rYuH695ZGK
? ramuav (@ram2uav) October 26, 2022
アルファ部隊の砲兵将校も「まず大砲で敵を掃討し、それから歩兵が当該地域の制圧に向かうが、隠れている敵の抵抗に合えば再び大砲で掃討しなければならず、前進はこのプロセスの繰り返しなので非常にゆっくりとしか進まない。これが我々の現実だ」と述べており、アルファ部隊は潜入作戦を止めて国産の自爆型ドローンを使用した作戦を増やしている。
オレフは「これまでに戦車・装甲車両×322輌以上、砲兵装備×48門、電子戦装置を含む特殊装備×65台をドローンで破壊もしくは損傷させた」とワシントン・ポスト紙に明かしているが、パシャ(コールサイン)と呼ばれるドローン部隊の指揮官は「これも現在では難しくなっている。ロシア軍がPole-21(半径50km以内のGPS信号を妨害する装置)を積極的に使用しているため、前線地域で地形やランドマークを頼りにドローンを飛ばしているが、目標を捉えた瞬間に妨害電波のせいで映像が真っ黒になることも多い」と指摘。
出典:Photo by Lance Cpl. Nicholas Guevara
このPole-21は「HIMARSで使用するGMLRS弾」や「155mm榴弾砲で使用するエクスカリバー砲弾」の命中率に影響を及ぼしており、アルファ部隊は手動操作で飛ばすドローンでPole-21の破壊を優先しているらしい。
ワシントン・ポスト紙は「アルファ部隊は7月にポロヒー(ザポリージャ州オレホボ周辺の集落)の煙突に設置されていたPole-21を手動操作のドローンで破壊、GPS信号の受信状態が回復するとウクライナ軍はPole-21が設置されていた煙突をHIMARSで破壊した。この種の作戦はアルファ部隊を含む特殊部隊のトレードマークになっている」と報じているが、パシャは「妨害の少ないドネツク方面で働く方が良かった」と付け加えており、同紙も「反攻作戦に備えて敵はザポリージャ方面に電子戦システムを集中させたため、彼らは働く環境の変化(ドネツクへの移動)を切望している」とも書いているのが興味深い。
Крас?во, ярко, динам?чно..
Працю? ЦСО “А” СБУ?? pic.twitter.com/UpNfv3f5KG
? Gulli_ver (@Gulli_ver_sn) July 18, 2023
因みにウクライナ軍が要求する情報・監視・偵察(ISR)用途向けのUAVは「4桁」ではなく「5桁」に到達しており、侵攻後にウクライナ軍が養成したUAVオペレーターの数は1万人を突破していたが、フェドロフ副首相兼デジタル化担当相は6月「新たに1万人のオペレーター養成を開始する。ロシアとの戦いは技術戦争の側面が強く、専門の知識をもったオペレーターを出来るだけ多く養成するのが重要だ。今日の戦いでUAVが果たす役割りは計り知れないものがある」と述べている。
ここまでUAVを大量に使用した大規模戦争は世界初で、広大な戦場が要求するISR任務の需要を「高価なミリタリー仕様のUAV」で満たすのは物理的にも資金的にも不可能に近く、ウクライナ軍もロシア軍も商用向けの固定翼機やクワッドコプターを大量に使用しており、入手性、機体サイズ、カメラの性能の点からDJI製のMavic3に人気が集まっているらしいのだが、戦場のUAVオペレーターに求められる技術や能力は商用向けのオペレーターとは完全に別ものだ。
出典:Сухопутн? в?йська ЗС Укра?ни
戦場で活動する航空偵察チームは安全な後方でUAVを操縦しているのではなく、狙撃兵にように2人1組で前線に出て1人はUAVを操縦し、もう1人はUAVのカメラ映像と地図を比較して発見した目標の座標を特定、この情報を参謀本部のサーバーに送信しなければならず、UAVオペレーターになるには「無人機を飛ばす技術」の他に「戦場を移動するための戦術」「カモフラージュ技術」「地図や地形に関する情報」「UAVに関する技術的理論」「サプライヤーが課す技術的制限を回避する方法」などを学ぶ必要があるらしい。
特に重要なのはGPS信号が妨害されている環境下でもUAVを飛ばすための「手動飛行技術」で、他にも戦場で商用向けUAVを使用するためには幾つもの手順(例えばUAVのカメラは発射地点からある程度離れるまでスイッチを入れない=墜落したUAVから映像データを吸い出した敵が運用地点に砲撃を加えてくるの防止するため)があり、商用向けのオペレーターをただ戦場に連れてきても殆ど意味がなく、恐らくウクライナ軍が確立した運用ノウハウと戦場での経験はNATOにとって計り知れない価値をもたらすだろう。
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投稿者: 航空万能論GF管理人 米国関連 コメント: 46 』
トルコの第5世代機開発にアゼルバイジャンが参加、パキスタン参加も濃厚
https://grandfleet.info/european-region/azerbaijan-participates-in-turkish-5th-generation-aircraft-development-pakistan-participation-is-also-strong/#comment_headline
『幾つかの国は「非米国製で輸出可能なトルコの第5世代戦闘機計画」に関心を示していたが、プロトタイプの完成と地上試験の開始を受けてアゼルバイジャンがカーン・プログラムに参加、パキスタンも正式参加に向けて協議を開始する予定だ。
参考:Milli Muharip Ucak KAAN Azerbaycan ile geli?tirilecek
参考:After Azerbaijan, will Pakistan also join Turkey’s 5th generation fighter program?
カーンが完成すれば「イスラム教徒が多数を占める国」が入手できる初の第5世代機になる
トルコ航空宇宙産業(TAI)は国内の防衛産業企業がもつ技術と経験をフル活用して第5世代戦闘機「TF-X」の開発を進めており、今年3月にプロトタイプがロールアウト、エルドアン大統領は5月1日の式典でTF-Xの正式名称が「カーン(TAI KAAN)」になると発表し、このままプロトタイプの地上試験が順調に進めば12月末に初飛行を行う予定だ。
TAIはカーンの調達コストについて「1億ドル前後になる」と予測しており、幾つかの国は「非米国製で輸出可能なトルコの第5世代戦闘機計画」に関心を示していたが、トルコ産業界にとって本格的な戦闘機開発は初めての経験で、実機も存在しない設計図上の計画に手を挙げる国=開発参加や導入に踏み込んでくる国はいなかったものの、プロトタイプの完成と地上試験の開始を受けてインドネシアのプラボウォ国防相は6月「トルコとインドネシアン・エアロスペースとの交渉を模索している」と言及。
アゼルバイジャンもカーン・プログラムに参加するため7月末にトルコと協定を締結、両国は共同生産に向けてアゼルバイジャン側の産業評価を行い「一部のサブシステムをアゼルバイジャンで生産する予定だ」と報じられているため、アゼルバイジャンは事実上「MiG-29やSu-25の後継機にカーンを選択した」と解釈するのが妥当で、トルコのトゥフェクチ国防副大臣は2日「近いうちにカーン・プログラムへの正式参加をパキスタンと協議する」と発表したため注目を集めている。
米ディフェンス・メディアは今回の動きについて「アゼルバイジャンは主にカーン・プログラムを資金面で支援し、パキスタンはJF-17の開発と生産で得た経験でカーン・プログラムを支援することになる」と予想しているが、依然として国産エンジンの開発状況は謎に包まれており、カーン・プログラムが予定通り開発スケジュールを消化できるのか疑問視する声も多い。
プロトタイプのエンジンにはF110を採用しているが、カーンは海外輸出が前提なので量産機には「制約のない国産エンジン」の採用が不可欠で、昨年6月に発行された提案依頼書(RFP)にはTRMotor、Tusas Engine Industries、Kaleとロールス・ロイスのコンソーシアム(TAEC)が応じたものの、まだ開発の枠組みすら決定されていない状況だ。
カーン・プログラムは複数のBlockで構成され、現在のプロトタイプはBlock0と呼ばれており、トルコ空軍に引き渡すカーンの初期型=Block1は2029年までに開発され2030年~2033年の間に納品する予定なので、トルコは10年以内に国産エンジンを開発しなければならず、これに失敗すればF110の使用に関する承認を米国から取り付けるか、すでに見つけていると公言している「代替エンジン」を入手しなければならないが、トルコはウクライナの協力を確保しているため国産エンジンを本当に完成させてくるかもしれない。
トルコのエルドアン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領は2020年10月「国防や防衛産業に関連した21の分野で2ヶ国間協力を拡大させる法的枠組みを含む軍事協定」に署名、この協定について当時のトルコメディアは「航空機用エンジン、装甲車両向けディーゼルエンジンの共同開発、TB2の共同生産に関する内容が含まれている」と報じていたが、BAYKARが製造するAkinciにAI-450S、開発中のK?z?lelmaにAI-25、TAIが開発中のATAK2にTV3-117VMAの供給が始まっており、トルコの次世代巡航ミサイルにもAI-35の採用が決定。
出典:Оф?с Президента Укра?ни
航空機用エンジンや装甲車両向けディーゼルエンジンの共同開発に関する情報はないものの、カーン向けの「国産エンジン」やアルタイ向けの「国産ディーゼルエンジン」にウクライナ企業や技術者が関与していても不思議ではなく、パキスタンがカーン・プログラム参加を決断するなら「エンジン問題に関する見通しが提示されている」と考えるのが妥当だろう。
因みにカーンが完成すれば「イスラム教徒が多数を占める国」が入手できる初の第5世代機になるため、その需要は非常に大きなものになるはずだ。
関連記事:トルコが開発中の第5世代戦闘機TF-X、プロトタイプがロールアウト
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※アイキャッチ画像の出典:Ismail Demir
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投稿者: 航空万能論GF管理人 欧州関連 コメント: 7 』
クーデターで欧米の傀儡政権が倒されたニジェールへあのヌランドが乗り込んだ | 《櫻井ジャーナル》 – 楽天ブログ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202308090000/
『?アメリカのビクトリア・ヌランド国務副長官代理が8月7日にニジェールの首都ニアメを訪問?、ムーサ・サラウ・バルムーなどクーデターを主導したグループの軍人と会談した。席上、クーデターで大統領の座を追われたモハメド・バズームの復権を要求したという。
ヌランドがバルムーと会ったひとつの理由は彼がアメリカの特殊部隊で軍事訓練を受けていたからだが、クーデターを指揮したアブドラフマン・チアニ准将と面会できず、バズームとも会えなかったという。アメリカはニジェールに軍事基地を保有し、約1100人の部隊を駐留させている。
ヌランドの「上司」にあたるアントニー・ブリンケン国務長官は3月にニジェールを訪問しているが、これは中国やロシアのアフリカへの影響力が強まることを抑え込むことが目的だったと言われている。
ニジェールはフランスの植民地だった国だが、西アフリカの中心に位置していることからアメリカ軍は基地を建設し、ドローン(無人機)を飛ばす拠点にしている。この基地はAFRICOM(米アフリカ軍)と連携し、北アフリカや西アフリカにおける軍事作戦の要でもあるが、新しい指導者たちはその基地を閉鎖したとも伝えられている。
クーデター後、ニジェールの代表団がマリでワグナー・グループに戦闘への参加を要請したようだが、ロシアは今のところ慎重。それでもヌランドはクーデターを実行した軍人グループがワグナー・グループを接触することを警戒している。
7月26日にクーデターが実行された翌日、ロシアのサンクトペテルブルクではロシアとアフリカ諸国の首脳が有効的な雰囲気の中、会議した。これもアメリカ政府は意識していると見られている。もしアメリカ政府に服従しないなら軍事介入も辞さないとヌランドは示唆したとされている。
2013年11月から14年2月にかけてアメリカのバラク・オバマ政権はネオ・ナチのグループを使い、選挙で成立したウクライナの政権を倒したが、現場で指揮していたのはヌランド。そのヌランドはニジェールで旧宗主国の手先になっていた大統領を排除したクーデターを批判している。
ウクライナでは排除された大統領を支持していた南部のクリミアでは住民投票を経てロシアの保護下に入り、東部のドンバスでは住民がクーデター体制を拒否、内戦になった。ニジェールの首都ニアメではクーデターの直後に人びとがフランス大使館の周辺に集まり、クーデターを支持する意思表示をした。?「フランスを潰せ」、「マクロンを潰せ」、そして「ロシア万歳」と叫ぶ一方、ロシアの国旗が振られていた?。
アフリカ諸国はCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動で西側医療利権の宣伝に躍らず、「ワクチン」と称する遺伝子操作薬を拒否した。アフリカ諸国は欧米を信用していないのだ。アメリカ、イギリス、フランスなどが2011年にリビアで行ったことも忘れていないだろう。
ニジェールは金やウランで有名だが、石油も地下に眠っている。資源は豊かなのだが、欧米に従属しているため国民は貧困なままだ。欧米諸国は植民地という看板を下ろしたが、収奪システムは維持している。そうした状態からアフリカを抜け出させるため、リビアのムアンマル・アル・カダフィは「ディナール」という金貨をアフリカの共通通貨にしようとしていた。
最終更新日 2023.08.09 02:02:21 』