プリゴジン氏の乗ったプライベート・ジェットが墜落。本人死亡と報道される。
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/32270021.html
『報道が何かしらの誤報で無い限り、ワグナーのプリゴジン氏が乗ったプライベート・ジェットが墜落して、乗客10人と共に死亡した模様です。証拠は出てこないでしょうが、暗殺でしょうね。このブログでは、プーチン政権が倒れていないのに、クーデターの矛を収めた時点で、プリゴジン氏は自分で死刑執行書にサインをしたようなものだと書きましたが、私の想定より早く始末されたようです。
この反乱について、プーチン氏は「罪を問わない」とし、刑事事件としての捜査も打ち切っていましたが、そんなわけがないです。独裁者が自分に牙を剥いた飼い犬を許すはずがない。私は、プリゴジン氏の名前が、余り表に出てこなくなった頃合い、3年後ぐらいに「事故」か「病気」という体で死ぬと予想していたのですが、さっさと手を出しましたね。アフリカにおけるワグナーの存在感は大きく、単独で事業を継続できるぐらいの規模で現地の紛争に介入しているようなので、こちらで考えるよりも、プリゴジン氏の存在は大きいのかも知れません。生きててもらうと、それだけでプーチン政権にとって都合が悪い存在だったのでしょうね。
関係が近いとされていたスロビキン空軍総司令も解任され、自宅軟禁状態のようです。今回のウクライナ侵攻で、今も機能しているスロビキン・ラインという堅牢な防衛線を構築した現場叩き上げの指揮官だったのですが、彼も表に出てくる事は今後は無いでしょう。ドニエプル川を挟んだ撤退戦では、西側陣営からも「見事な手際」と、その作戦行動を唯一称賛された指揮官だったのですが、それゆえプリゴジン氏と近かったのでしょうね。
彼らに留まらず、ロシアでは、戦争に協力的ではないオリガルヒ・学者・ジャーナリストなどが、次々と「事故」で死亡しています。まぁ、これは、今に始まった事ではなく、侵攻前でも体制に批判的な記事を書いていたジャーナリストは、クレムリン宮殿の見える大通りで、「狙撃」されて死亡しています。それに、選挙があると言っても、身元や思想調査があり、立候補できない事があるし、家族に対する脅迫で立候補を取り下げさせたり、中にはロシア国外に出る必要が生じたり、実質的に機能していません。それゆえ独裁政治と呼ばれています。
シンクロニティという言葉がありますが、中国の習近平氏の周辺でも、スパイ容疑で、軍の高官やら外交部の幹部が、逮捕されていますねぇ。習近平氏が力を入れて、お気に入りを送った部署から、情報漏洩が起きるという、まさに飼い犬に手を噛まれているのは、同じです。
憲法を改正して、任期を延長し、いつまでもトップを続けられるようにしたのも同じですし、この二カ国は双子のように似ています。一つ変わったのは、立場ですかねぇ。昔、誕生したばかりの中国の毛沢東は、ソ連の後ろ盾が必要だったので、スターリンに会いに行ったのですが、大いに見下していたスターリンは、わざわざ会いに遠路をやってきた毛沢東を3ヶ月も待たせて会談しています。それでも、待ち続けるくらい、当時の中国の立場は弱く、不安定でした。今は、逆でしょうねぇ。中国が資材の流通を止めたら、ロシアの経済は行き詰まるので、プーチン氏も習近平氏に逆らえない状態です。なんなら、このまま中国の衛星国になりかねない勢いです。
権力者のドタバタは、外から観ていられる限りは、ドラマですが、こちらにも影響が出てくるので、現実の問題として認識する必要があります。』