米国、ロシア当局者らに制裁 ウクライナの子ども誘拐で

米国、ロシア当局者らに制裁 ウクライナの子ども誘拐で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN24DCP0U3A820C2000000/

『【ニューヨーク=佐藤璃子】米国務省は24日、ロシアがウクライナの子どもを連れ去っている問題を巡り、ロシアの当局者ら13の団体・個人に制裁を科すと発表した。国連の安保理会合で、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使が明らかにした。

米国は、ロシアが侵攻を続けるウクライナで子どもの強制連行を繰り返し、親ロ教育を受けさせたり、ロシア国籍に変えるよう迫ったりしていると主張。「サマーキャンプ」という名目で子どもたちをロシアに強制移住させた団体などを制裁の対象にする。米国内の資産凍結や財産取引の原則禁止を命じた。

ウクライナの子どもたちへの身体的虐待に関与していたなどとして、ロシア当局者の3人に対してビザ(査証)の発給を制限するとも発表した。ウクライナ政府によると、これまでロシアは占領地などで1万9500人以上の子どもを誘拐したという。

安保理は24日、ウクライナの独立記念日とロシアによる侵攻から1年半を迎えたのにあわせて会合を開いた。米国の制裁発表に対し、ロシアのネベンジャ大使は「ロシアが子どもを連れ去っているというのは噓であり、実際には子どもたちを救っている」と反論した。

会合の冒頭では国連のディカルロ事務次長とウクライナの市民2名が発言した。理事国に加えて、ウクライナやドイツ、イタリア、リトアニア、ポーランド、欧州連合(EU)も会合に参加した。』