軍用機やミサイル駆逐艦のパフォーマンスに占める「ソフトウェア」の割合は…。

軍用機やミサイル駆逐艦のパフォーマンスに占める「ソフトウェア」の割合は…。
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『Loren Thompson 記者による2023-8-14記事「Five Reasons Software Is Eclipsing Hardware In Pentagon Technology Plans」。

    軍用機やミサイル駆逐艦のパフォーマンスに占める「ソフトウェア」の割合は増す一方である。

 たとえば米空軍の次の戦闘機は、ソフトウェアで敵軍を圧倒しようとするもので、そのソースコードを剥ぎ取ってしまうと、機体そのものには任務達成力がほとんどなくなるという。

 しかしソフトが重くなれば、それを走らせる搭載コンピュータの性能もモノを言う。

 たとえばF-35の次のアップグレード。75項目を改善するが、そのすべてはソフトウェアにかかっており、それはまた、今より強力なコンピュータを載せることを前提にしているのだ。さもないとせっかくの改良ソフトウェアが速く走らない。

 イージス・システムの改善でも、これとまったく同じ話が聞かれるであろう。

 今日の先進国でも、ハードウェアづくりには時間がかかる。軍艦は、米議会が予算をつけてくれてから、7年しないと海軍へ現物を納品できない。

 F-35のハードウェアも、米空軍がロックマート社と契約を結んでから、仕上がるまで15年かかった。

 この前時代的なスローモー感と比較すると、ソフトウェアの改良・改善は、光のスピードで話が進む。
 億単位の話にはなるが、それでもハードウェア開発とくらべたなら、段違いに経費も小さい。

 大きなソフトウェアの開発では、利用できる「既存品」を博捜してそれを各部の要素として取り込んでしまうのが早道。いわばアマゾンで望みの商品を探すような能力が、この過程では、求められる。

 米国軍のような、志願制の軍隊が、1人の兵隊を雇用するため負担する経費は、年に40万ドルである。国からすると高く見えるが、だんだんと、それでも人を集められなくなりつつある。

 ソフトウェアの進化は、この「人手」の所要量を、まちがいなく節約してくれる。だから、そこに賭けるしかない。

 ハードウェア開発だって、今では、ソフトウェアの世話になりっぱなしだ。たとえばプロトタイプの仮想空間内での「試作」が、PCの中で、たちまちに、できてしまうのだから。』