トルコの行動分析に見る特異性への警戒と付き合い方
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『サウジの、国際会議誘致セレモニーにしか見えないサミットはどうでもいいが、何かにつけ、ウクライナ戦争の行方にトルコの存在が浮上する。 過去ブログ:2023年8月サウジでロシア抜きのウクライナ和平会議と水上攻撃:2022年5月NATOはトルコを論破しなければならない
以下は参照記事からの抜粋編集
FireShot Webpage Screenshot #922 – ‘webp (WEBP Imagヨシュカ・フィッシャー(Joschka Fischer)元ドイツ外相:右は、トルコのエルドアン大統領はスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟への異議を取り下げて西側に回帰したが、彼の振る舞いは欧州連合(EU)とトルコがいかに違うかを示したとしつつ、トルコの重要性に鑑み、この違いは管理されねばならない、と論じている。要旨は次の通り。
20140705_EUM937何年もの間、エルドアン(Recep Tayyip Erdoğan)のさらなる権威主義化、終わる見通しのないクルド労働者党(PKK)との戦争などのトルコの国内的な問題が、NATOおよび西側とトルコとの関係の障害となって来た 英文記事。
2017年のロシアのS-400対空ミサイルシステム購入の決定は米国とトルコの軍事協力の終わりを告げるもののように思われた。その時までに、EUとの和解はほぼ完全に行き詰まっていた。そして、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟申請へのトルコの拒否によって事態は危機的となった。過去ブログ:2021年11月トルコ軍へ投降するPKK女性兵士の映像 イラク:
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しかし、過去一年ほど、エルドアンは既に静かに西側と接触を持ち、黒海を通じるウクライナの穀物輸送を可能とする合意について仲介者の役目を務めつつあった。
ビリニュスのNATO首脳会議において、エルドアンは、米国によるF-16戦闘機(ウクライナにも、時期は未定だが提供される 米ロッキード・マーチン社製のF16は長距離攻撃能力に優れ、空中戦や地上への爆撃など多様な作戦をこなす)売却の約束の見返りに、遂にスウェーデンの加盟に対する拒否を取り下げた。
更に、彼はウクライナの将来のNATO加盟に支持を表明した。クレムリンにとっては不快であったろうが、エルドアンは西側の船団に完全に回帰した。
isutan73 トルコの地理的な位置と地政学的な重要性も無視できない。
トルコはロシアの中東と東地中海へのアクセスをボスポラス海峡によってコントロールしている。
中東、中欧アジア、コーカサス、バルカンにおける主要なプレーヤーであり、EUの主要国におけるトルコ系市民に対して重要な影響力を有している。
トルコは数百万の難民の受け入れ国となっており、彼らが殺到することを防ぐ上でEUはトルコに依存している。
しかし、エルドアンは、スウェーデンのNATO加盟の一件に見られるように、目的を前進さ、恐喝その他の攻撃的な手段に訴えることを厭わない。常に賢明に行動する保証もない。過去ブログ:2022年5月フィンランド、スウェーデンの戦力とウクライナ戦況:
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そうであっても、トルコは無視するには重要過ぎるので、好むと好まざるにかかわらず、欧州の首脳はエルドアンと仕事をする必要がある。
協力は安全保障や移民のような相互に関心のある問題に絞ることが最善である。
EU共通市場、関税同盟へのトルコのアクセスを含む、経済関係の改善も可能かも知れない。
しかし、完全なEU加盟は問題外である。
ウクライナ戦争はトルコと欧州が互いを必要とすることを明らかにしたが、エルドアンの振舞いはEUとトルコがいかに違うかを明確に示した。
しかし、トルコの大きさと重要性に鑑み、これらの違いは管理されねばならない。
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エルドアンがスウェーデンのNATO加盟に対する異議を取り下げたこと、あるいは、彼がウクライナのNATO加盟を支持し、ロシアに解放された(トルコにとどまることが条件だったらしい)「アゾフ連隊」の司令官5人の捕虜の帰国を認めたことに着目して、この新たな事態の展開は欧州あるいは西側がトルコとの関係を調整する機会を提供するとの見方が行われている。
エルドアンにスウェーデンの加盟に対する異議を撤回させる上での説得材料はF-16戦闘機の売却とトルコが保有する旧型F-16戦闘機80機の改良であろうということは当初から憶測があったが、バイデン政権は、消極的だった議会を説得して、実現の時期はともかく、F-16戦闘機の支援をトルコに事実上約束した模様である。
F-16戦闘機のトルコへの売却との関連では、ギリシャのF-35戦闘機の売却要請の取り扱いの問題がある。米国議会にはトルコがギリシャに対して優位に立つことへの懸念があり、両案件の間の何等かのバランスが図られる必要があるが、未だ決着していないようである。そうであっても、エルドアンは取るべきものは取ったと言えるだろう。
スウェーデンからはテロ対策の強化の約束を取り付けた。
2023年7月10日の両国首脳とNATO事務総長の三者の報道声明には「スウェーデンはEU・トルコ関税同盟の近代化とビザの自由化を含むトルコのEU加盟プロセスの再活性化の努力を積極的に支持する」とあるが、他のEU加盟国からも貿易面での何らかの譲歩を得た可能性はあろう。
エルドアンは潮時と判断したものであろう。しかし、彼に西側との関係の全面的な調整の動機が働いたかどうかは疑わしい。
tu-area大きすぎる地政学上の重要性:西側にとってのトルコの地理的な位置と地政学の重要性はこの論説が指摘する通りである。近年の軍事力・d58e450c軍事産業の拡大に裏打ちされた地域覇権の野心と地理的な位置に由来する戦略的な重要性――本能的にロシアの膨張には反対する――の故に、西側はどのみちエルドアンを無視は出来ない。
スウェーデンのNATO加盟の一件にも見られたが、彼のアプローチは個々の案件に則した取引的なものである。
エルドアンが完全に西側に回帰することは有り得ず、つかず離れずの態度となろう。原則とルールにもとる行動には厳しく対処する必要があるが、安定的な関係の構築のために、状況に応じて取引を利用する巧妙さも必要だろう。
48ab9809-s EUではトルコとの関係の再検討が進行中のようであるが(トルコの人権問題、キプロス問題、東地中海の境界紛争は全体的な関係改善の障害である)、EU・トルコ関税同盟の近代化とトルコ市民のためのビザなし渡航の交渉再開には応ずることになろうと思われる。
ただし、トルコのEU加盟の見通しは立ち難い。過去ブログ:2017年1月キプロス問題:』