ニジェール軍事政権、フランスとの軍事協定破棄

ニジェール軍事政権、フランスとの軍事協定破棄
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB042RW0U3A800C2000000/

『【ナイロビ、パリ=共同】西アフリカ・ニジェールの軍事政権は3日、フランスとの間で結ぶ複数の軍事協定を破棄したと発表した。ロイター通信が伝えた。イスラム過激派対策のためニジェールに駐留する1000〜1500人規模のフランス軍部隊の地位が不安定になる恐れがある。

ニジェールと周辺国にまたがるテロ頻発地域では、既にマリとブルキナファソが駐留フランス軍を撤収に追い込んだ。ニジェールからも撤収を求められれば、フランスはこの地域で対テロ作戦の拠点を失うこととなる。

一方、ニジェール大統領公邸で軍事政権の監視下にあるとされるバズム大統領は3日の米紙ワシントン・ポスト電子版に寄稿し、クーデターには「何ら正当性はない」と主張。国際社会に「憲法に基づく秩序を取り戻す手助けをしてほしい」と訴えた。クーデター後、バズム氏が自身のまとまった意見を表明するのは初めてとみられる。

フランスメディアによると、フランスのニュース専門局「フランス24」と公共ラジオ「ラジオ・フランス・アンテルナシオナル」は3日、ニジェールで同日午後から放送が遮断されたと明らかにした。フランス外務省は非難声明を出した。

ニジェールでは旧宗主国フランスへの反発が強まっている。クーデターで事実上発足した軍事政権が政権強化のため反仏感情を利用しているともいわれ、首都ニアメーでは7月30日にフランス大使館が放火される事件が発生。フランスは自国民らの退避支援を余儀なくされた。』