「黒海を脅迫に使っている」 米国務長官、ロシアを非難

「黒海を脅迫に使っている」 米国務長官、ロシアを非難
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN030950T00C23A8000000/

『【ニューヨーク=佐藤璃子】国連安全保障理事会は3日、紛争と食料安全保障をめぐる公開会合を開いた。議長を務めたブリンケン米国務長官はウクライナ産の穀物輸出をめぐり「黒海を脅迫に使うのはもうたくさんだ」とロシアを非難した。

戦争の手段で飢餓を利用することや民間人から生存に不可欠なものを奪うことを非難する議長声明を採択した。

ブリンケン氏は、ロシアが黒海経由の穀物輸出に関する合意履行を停止したことを批判し「ウクライナ侵攻が引き起こした世界の食料システムへの脅威に対処しなければならない」と指摘した。

米国が起草した、食料を武器に利用することをやめるといった内容の共同声明に90カ国近くが賛同したと述べた。

日本から出席した山田賢司外務副大臣は「ロシアの合意停止を遺憾に思う」とし、ロシアに合意を再開するよう求めた。

一方、ロシアのポリャンスキー国連次席大使は「西側諸国が世界の飢餓問題を懸念するようになったのは最近のことであり、ロシアを悪者にするためにこの話題を利用しているだけだ」と反論した。

世界の小麦市場においてはロシアの方がウクライナよりもシェアが大きく、食料安全保障に貢献できていると主張した。

ブリンケン氏は会合で、持続可能な作物の生産にも言及した。アフリカ11カ国とハイチに、飢餓対策などを目的に新たに3億6200万ドル(約500億円)を拠出すると発表した。

同氏は「小国が自国の大きさを超えて力を発揮することを歓迎するが、世界最大の経済大国は世界最大のドナーであるべきだ」と強調した。』