新合成麻薬「トランク」で生きたまま腐るアメリカ人
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『アメリカの薬物中毒患者が世紀末的になってきました。より強く、長い効果を求めて、合成麻薬と呼ばれる刺激の強い薬剤が開発されています。今、問題となっているのは、フェンタニルという鎮痛剤の成分なのですが、これと牛とか馬とかの鎮静剤として処方されるキシラジンという薬剤を混ぜた、合成麻薬が出回り始めました。これを「トランク」と呼んでいます。
この薬物のヤバいところは、文字通りに生きながら体が腐るところです。最初は、肌に黒い痣が浮いてきたり、皮膚が赤黒くなるのですが、そのうち皮膚が破れて、壊死していきます。症状が進むと、骨が見えるまで体組織が壊れます。その様子は、まさに生きたまま腐ったゾンビのようです。フェンタニルの致死量は僅か2mgという劇薬なのですが、処方に関する注意を喚起する事無く、特効効果のある鎮痛剤として緩い基準で処方されました。これによって、爆発的に中毒患者が増えてしまいました。
このブログでも何回か言及していますが、フェラディルフェアやサンフランシスコなどで、白昼からゾンビのように人々が徘徊する区域が増えています。もともと、アメリカでゾンビ映画が人気になったのは、泥沼の中で這いずり回って敗戦したベトナム戦争の影響です。いわゆる、ベトコンと呼ばれる現地民のレジスタンスが、いつ襲ってくるか判らない恐怖が、ゾンビという形で転嫁されました。
そもそも、ホラー映画というのは、その時代の潜在的な恐怖を題材にします。フランケンシュタインやドラキュラなど、ハマー・プロダクションの異形の怪物がヒットした時代は、傷病軍人が社会に溢れて、顔や手足の一部が欠損した人間が爆発的に増えた時代と合致します。戦場から帰ってきた帰還兵は、急激に進化した爆薬や毒ガス、新兵器によって、体の多くの箇所に障害を持っていました。それは、銃後で国の経済を支えていた人にとっては、まさに異形の怪物に見えたのです。
そして、いまや、映画の世界が現実になっています。この原因は、もともとは剥き出しの資本主義の強欲によるものです。アメリカの資本主義の本質は、「消費しない奴は、存在する価値が無い」です。命と引き換えても、消費してこそ、存在する価値を認めてやる事ができる。それが、資本主義の最前線のルールになってしまいました。プロテスタント的な隣人愛が、昔は、この衝動を押し留めていたのですが、今や金融を中心に、その牙を抑えるものが存在しません。
その為、フェンタニルも、製薬会社は危険性を周知していましたが、一方で処方薬として流通すれば、莫大な利益を得られる事も知っていました。なので、ロビー活動で、「鎮痛剤の特効薬」として認可させたのです。中毒になってしまえば、何をしてでも薬を買ってもらえます。その結果は、行政の問題であって、自分達の責任ではないという事です。そして、トランクです。混ぜているキシラジンは、対処方法が確立されていない薬です。なので、治療できるかも難しい。使ってしまったら、悲惨な最後を遂げるのは、確定と言って良いでしょう。
アメリカ、中国、ロシア。世界のビッグ・スリーですが、どこも幸福とは、程遠い場所にいると思うのは、私だけですかねぇ。また、体制は全ての国家が違いますが、結果が似ていると思うのは、私だけでしょうか。』