英中銀、経済予測見直し バーナンキ元FRB議長が主導

英中銀、経済予測見直し バーナンキ元FRB議長が主導
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR28DOE0Y3A720C2000000/

『【ロンドン=大西康平】英イングランド銀行(中央銀行)は28日、米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ元議長が主導して経済予測の見直しを始めると発表した。英中銀が高インフレを予測できず、金融引き締めが不十分だったとの批判に対応する。

今夏にも見直しを開始し、2024年春に調査結果を発表する予定だ。イングランド銀行のベイリー総裁は「英国経済は前例のない予測不能なショックに直面している。不確実な世界に対応するために必要なプロセスを振り返ることができる」とした。

バーナンキ元議長は「予測は中央銀行が経済見通しを評価するための重要な手段だ。大きな経済変動を受けて、予測の方法や政策決定での役割を見直すことは正しい」とコメントした。

英中銀には経済予測の精度と金融政策の決定過程への批判が出ていた。22年11月には政策金利の到達点は当時の市場予想を下回るとベイリー総裁が強調するなど、インフレ抑制に楽観的な見方を続けていたためだ。

6月の英消費者物価指数は前年同月比で7.9%上昇した。価格変動が大きいエネルギーや食品などを除くコア指数が6.9%上昇と、約31年ぶりの高水準だった5月の7.1%からほぼ変わらない水準が続く。米国やユーロ圏の5%前後と比べても高い。

イングランド銀行の四半期に1回の世論調査では、最新の6月発表で「同銀行によるインフレ制御のための政策金利の決定をどう思うか」との質問への回答で、満足から不満足を引いた割合がマイナス13ポイントと過去最低を更新していた。』