ウクライナ政府は、もうこれ以上人的動員のできる「のびしろ」を余していない。

ウクライナ政府は、もうこれ以上人的動員のできる「のびしろ」を余していない。
https://st2019.site/?p=21340

『Hlib Parfonov 記者による2023-7-26記事「Ukraine’s Manpower Requirements Reaching a Critical Threshold」。

   全部が公開されているわけではないソースによる2022-1-1の推計値では、ウクライナの人口は3100万人らしい。これはウクライナ政府が公表している3400万人よりも少ない。

 20年前はウクライナには4800万人も人口があった。これがガックリと減ったのは同国の混乱の歴史を考えると、不自然ではない。

 露軍が占領中の領土にとどまっているウクライナ人は200万人だという。

 ウクライナ軍の人的資源(動員済み将兵)は、1年前には100万人だと政府によって発表された。現況は秘密にされていて、外野としては推定ができるだけだが、400万人近くが動員されたうちの半数が負傷や病気によって除隊して、今は200万人ではないか。なお、戦時がつづくかぎり、招集された健全な兵隊の除隊帰郷は、無い。

 これは何を意味するか。ウクライナ政府は、もうこれ以上人的動員のできる「のびしろ」を余していない。
 すでに総人口の10%が軍務に関与しているのだ。

 ちなみに、老齢年金生活者でウクライナから去らずにいる者は、1070万人。この老人たちが徴兵されることはない。

 ベトナム戦争中、南ベトナム政府は、総人口の11.7%を徴兵していた。当時のベトナムは今のウクライナのような高齢化した社会ではない。それでも11.7%が総動員の限度だったのだ。

 WWII中のフィンランドは、全国民のうち14%から15%を動員したようである。民生経済のすべてを犠牲にした根こそぎ動員だ。

 ウクライナでは、当時のフィンランドと同様の現象が報告されている。エネルギー産業や工場の現場に人手が足りなくなっている。

 7月23日の時点でウクライナ政府は、目標とする徴募人数の半数しか徴募できていない。それが直近3ヵ月、続いているという。

 ※つくづくクラウゼヴィッツは正しい。

戦争中に「騎兵」(今日の機甲)と「歩兵」を一から教練するなどという迂遠な邪道を選ばせた米軍のアドバイザーが、ウクライナ国家にとりかえしのつかない不利益を与えつつあるのだ。もちろん、それを歓迎し期待したウクライナ政府の自己責任だが……。

クラウゼヴィッツが教えた通りに、援助の資源はことごとく「砲兵」の強化に集中しなくてはいけなかったのである。宇軍側が砲弾物量戦に集中していたらドンバス占領区を取り戻せたかもしれない2023春の泥濘期が無為に過ぎていく間に、クレムリンは長期戦の肚を括ってしまった。もう遅いわ。』