カンボジアのフン・セン首相、長男への交代「数週間以内」

カンボジアのフン・セン首相、長男への交代「数週間以内」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM263UF0W3A720C2000000/

『【ハノイ=新田祐司】カンボジアのフン・セン首相(70)は26日、辞任の意向を表明し、数週間以内に長男のフン・マネット氏(45)に首相職を譲ると明らかにした。他の閣僚についても世代交代が進むとみられる。フン・セン氏は政界引退はせず要職に残り、政権運営に一定の影響力を維持するとみられる。

26日午後、国営テレビなどのライブ配信で明らかにした。早ければ8月7日にもフン・マネット氏が首相に指名され、8月…

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『今回の選挙では、ソー・ケン副首相兼内務相ら人民党の実力者も子息子女を出馬させた。多くが内戦時代から活躍し、70歳代と高齢になっている。フン・セン氏による世襲に歩調を合わせ、彼らもそれぞれの職を後継者に譲る公算が大きい。親世代は閣僚退任後も政権運営に影響力を残し、院政をしく可能性がある。

下院選を巡っては国家選挙委員会により有力野党の参加が拒否されたり、政権に批判的なメディアが弾圧されたりして不正選挙との見方もある。米国報道官が「(選挙は)自由でも公正でもなかった」と断じるなど、国際社会からの非難が集中している。権力世襲についても、政権の私物化との批判はまぬがれない状況だ。

一方、政治経験に乏しいフン・マネット氏の政治手腕を疑問視する見方もある。厳しい内戦を戦い抜いた父親には人民党内の反対勢力を押さえ込むカリスマ性もあった。フン・マネット氏が父親譲りの指導力を発揮し、人民党を統率できるかは不透明だ。』