「ロシア軍、黒海南部に軍艦配置」英国防省

「ロシア軍、黒海南部に軍艦配置」英国防省
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR267J60W3A720C2000000/

『英国防省は26日、ロシア軍がコルベット艦「セルゲイ・コトフ」を黒海南部に配置し、ボスポラス海峡とウクライナ南部オデッサを結ぶ航路をパトロールしていると指摘した。ウクライナに向かう民間船舶の拿捕(だほ)を目的とする可能性があり、「海域での衝突リスクが高まる」との分析を示した。

英国のスナク首相は25日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、ロシア軍が黒海で商船を攻撃の対象に加える可能性などに…

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『ロシアはウクライナ産農産物の輸出をめぐる合意の履行を停止して以降、オデッサの港にある穀物倉庫や市街地への攻撃を繰り返している。ウッドワード氏は「ロシア軍はウクライナの穀物施設に対する標的をさらに拡大し、黒海において民間の船も攻撃しかねない」と警戒を示した。

同氏は「ロシア軍がウクライナの港への航路に追加の機雷を設置した情報がある」とも指摘した。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官も20日、ロシアが民間船舶も攻撃する可能性があると言及していた。

ロシア軍は24日、オデッサ州を流れるドナウ川沿いに位置し、ルーマニア領と接するレニの穀物倉庫や港湾施設を攻撃した。黒海経由の主要な代替ルートとなるドナウ川のインフラ施設を攻撃し、ウクライナ産穀物の輸出を妨害する狙いとみられる。

ルーマニアのヨハニス大統領は「黒海の安全に深刻なリスクをもたらす」とツイッターに投稿し、ロシアを非難した。ウクライナのメディアによると、レニへの攻撃でルーマニアの船舶に軽微な被害が出たほか、水上輸送に混乱が生じているという。

欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のボイチェホフスキ委員(農業担当)は25日、ウクライナ産の農産物についてEU加盟国の道路や鉄道を経由して「ほぼ全量を輸出する用意がある」と強調した。EUは輸送にかかる追加コストの負担案を検討していると述べた。

一方、ポーランドなど東欧5カ国は同日、ウクライナ産穀物の輸入規制の制限を9月15日から年末まで延長することを提案した。陸送ルートの経由国である東欧諸国では、安価なウクライナ産の流入で自国の農業が影響を受けるとの懸念が強い。 』