北朝鮮で米兵拘束 米国防長官「自発的に越境」

北朝鮮で米兵拘束 米国防長官「自発的に越境」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN18CXJ0Y3A710C2000000/

『2023年7月19日 4:56 (2023年7月19日 12:51更新)

【ワシントン=中村亮】オースティン米国防長官は18日の記者会見で、米兵1人が韓国と北朝鮮の軍事境界線にある板門店の共同警備区域で北朝鮮側に入ったと明らかにした。「自発的に無許可で越境した」と指摘し、身柄を拘束されていると説明した。

オースティン氏は米兵が共同警備区域を見学中に越境したと指摘した。詳しい経緯を調査しているとして「兵士の健康を極めて強く懸念している」と語った。
18日、オースティン氏は米兵が北朝鮮に拘束されていると説明した(国防総省)

ジャンピエール米大統領報道官は18日の記者会見で、国防総省が米兵の拘束をめぐり北朝鮮に接触していると言及した。やり取りの詳細には触れなかった。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、在韓米軍所属の米兵は暴行容疑で逮捕されて最近釈放された。米国に戻るため韓国の空港に付き添いと訪れたが、飛行機に乗らず板門店の見学ツアーに参加した。米国に戻れば追加の懲戒処分を受ける予定だったという。

米兵は共同警備区域に着くと見学ツアーのグループから離れ、北朝鮮側に走って侵入した。ツアーの主催者は追いかけたが間に合わず、米兵が拘束される様子を目撃した。

北朝鮮が米国との対話を拒否するなか、米兵の問題をどのように扱うかが焦点になる。米国での懲戒処分を逃れる狙いもあったとの見方もあり、本人が米国への帰国を望むかどうかは不明だ。

韓国紙・朝鮮日報は在韓米軍軍人の亡命であれば、1965年に越境した元米兵の故チャールズ・ジェンキンスさん以来だと伝えた。

拘束者の解放の成否が、今後の米朝関係を左右する可能性もある。2018年には米国のトランプ前大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長(当時)との米朝首脳会談を前に、拘束されていた平壌科学技術大学教授のキム・サンドク氏ら米国人3人が解放された。3人はスパイ容疑などで拘束されていた。

一方で16年に北朝鮮で拘束された当時大学生だったオットー・ワームビア氏は、17年に昏睡(こんすい)状態で解放され、米国へ帰国後に死亡。北朝鮮に対する米世論が硬化するきっかけとなった。

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