米軍、中東に戦闘機・艦船を追加配備 イランへ対処
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN180Q70Y3A710C2000000/
『【ワシントン=中村亮】米国防総省は17日、中東地域に戦闘機や艦船を追加配備すると発表した。原油輸送の要衝であるホルムズ海峡周辺でイランによる商船の拿捕(だほ)を阻止する。イランに対抗姿勢を示し、イスラエルとの関係改善を探る。
国防総省のシン副報道官は17日の記者会見でステルス戦闘機F35や戦闘機F16、ミサイル駆逐艦トーマス・ハドナーを中東に派遣すると明らかにした。ホルムズ海峡周辺でイランの脅威が続くと説明し「配備を増やして監視能力を高める」と強調した。
米海軍は7月上旬、ミサイル駆逐艦マクフォールがオマーンの沖合でイラン艦船による拿捕を2回防いだと説明した。1回はイラン艦船が商船に向けて発砲して緊迫した。海軍によると、イランによる航行妨害や拿捕の件数は2021年以降で20回近くにのぼる。
米軍高官は14日、記者団に対して商船の国籍や積載物、位置を把握し、拿捕のリスクが高い商船を見極めて戦力の配置を決めていると説明した。「目に見える存在が抑止効果を生む」と強調し、イランの監視を強めると言明した。
米軍は5月、ホルムズ海峡周辺で艦船や航空機のパトロールを増やし、イランによる商船の拿捕を防ぐ方針を示していた。
バイデン米政権がイランへの対抗策を打ち出すのは、イスラエルとの関係修復につなげる狙いもある。
バイデン大統領は17日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話協議して秋に米国で会談することで一致した。ネタニヤフ氏のホワイトハウス訪問が実現すれば22年12月に首相へ復帰してから初めて。
ホワイトハウスの声明によると、両首脳は電話協議で「米国とイスラエルの協力がイランの核兵器取得を阻止するうえで土台になる」と確認した。軍事演習を通じ、イランの脅威に対抗すると申し合わせた。
イランは15年に結んだ国際枠組みであるイラン核合意の義務履行を相次いで停止して核開発を推進。イスラエルが懸念を強めてきた。バイデン政権は発足直後に核合意の再建を目指す立場を打ち出し、イスラエルと意見が食い違った。
バイデン氏とネタニヤフ氏は、イスラエルの司法制度改革やパレスチナ政策でも溝が目立つ。
バイデン氏が3月に司法改革に関し「撤回を望んでいる」と発言。その後にネタニヤフ氏はツイッターで「イスラエルは親友を含む外国の圧力ではなく、国民の意思に基づいて決断をする主権国家だ」と断言し、バイデン氏の撤回要請を一蹴した。』