中国恒大の最終赤字、2年で計11兆円 不動産の評価下げ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM141OT0U3A710C2000000/
『【この記事のポイント】
・2年間の最終赤字が計約11兆円、債務超過に
・住宅用地など開発用不動産の評価額引き下げ
・経営再建に向けた道筋は不透明感強まる
【上海=土居倫之】経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団が17日発表した2021年12月期と22年12月期連結決算は、2年間の最終損益合計が単純合算で約5800億元(約11兆2000億円)の赤字となり、債務超過に転落した。住宅用地など開発用不動産の評価額を大幅に引き下げた。外貨建て債務の債権者と交渉中の債務再編案は未決着で、再建に向けた道筋は不透明感が強まっている。
恒大は17日、延期していた21年12月期、22年1?6月中間期、22年12月期決算を発表した。21年12月期は4760億元の最終赤字、22年12月期は1059億元の最終赤字だった。
計5800億元の最終赤字の主因は、1兆元を超える規模に膨らんでいた開発用不動産の評価減だ。引き渡し不能を恐れる顧客の買い控えで、20年12月期には5000億元を超えていた売上高が22年12月期には約2300億元に急減。販売回復の可能性が後退していた。
同社は3月下旬、最長12年の債券や関連会社の電気自動車(EV)メーカーなどの株式への転換を盛り込んだ外貨建て債務の再編案を公表していた。合計約191億ドル(約2兆5千億円)のドル建て債を対象にしたものだが、合意契約を結んだのは一部の債権者グループに限られており、なお成立のメドがたっていない。恒大は近く債権者を招集し、債権者会議を行うと明らかにした。
同社は22年3月21日から香港取引所の株式売買を停止している。
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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説
一般市民が購入できないほどの住宅価格高騰と不動産業者の債務拡大に対応するために2020年にレッドライン政策をして業者の借り入れを制限した。これにより住宅建設にかかる支払いが困難になったとことがEvergradeの問題の発端だった。それにゼロコロナ対策が状況を悪化させ不動産業界に波及した。昨年レッドラインの緩和策を発表した。現在は第1・2線都市の価格は幾分回復しているが先延ばしになっていた住宅需要が一巡すると4月から再び需要は低迷している。新規住宅購入者の金利を引き下げたり開発業者が調達した資材の支払いが円滑に行えるような工夫が中心で、以前のような住宅市場のバブルをもたらすことには慎重にみえる
2023年7月18日 6:42
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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説
①11.2兆円の最終赤字。目を疑う金額です。日本企業の22年度の純利益は、上位10社の合計で11兆円あまり。たった1社でそれに匹敵する最終赤字を計上するとは、もはやあっぱれと言うほかありません。
②11.2兆円は投資の失敗。不動産市況の回復を祈ろうにも、そうは問屋が卸しません。第2、第3の恒大集団がそこかしこに存在するからです。彼らの財務内容も相当に傷んでいるはずで、不動産の上値は重い。
③不動産の不良資産は、金融機関には不良債権。貸し手と借り手の相互不信が募る中、中国は信用不安と資産デフレに飲み込まれつつあります。財政で景気をテコ入れしようにも、乾いた砂に水をまくようなものでしょう。
2023年7月18日 1:05』