第3次大戦「抑止力で防げる」 米軍制服組トップ

第3次大戦「抑止力で防げる」 米軍制服組トップ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD147160U3A710C2000000/

『米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は14日、米国大使公邸で日本経済新聞などの取材に応じ、アジアや欧州をめぐる危機への対応を明らかにした。

ミリー氏は2019年10月に議長に就き、今年9月に退任する予定だ。この間、台湾海峡や朝鮮半島で緊張が高まり、ロシアがウクライナを侵略するなか、米軍を指揮してきた。

ウクライナでの戦争が欧州やアジアに広がり、第3次世界大戦に引火する危険をたずねると…

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『ウクライナでの戦争が欧州やアジアに広がり、第3次世界大戦に引火する危険をたずねると、即座に「そのような質問に答える必要がないようにすることが望ましい」と切り返した。

近い将来、戦争の危険が地上から消えることはないとしたうえで「抑止力によって、(新たな)戦争が起こらないようにすることが大事だ」と強調。「現代の兵器で紛争になれば、壊滅的な事態をもたらしてしまう」とも訴えた。

米軍は2010年代に、2つの大きな紛争に同時に対処する体制を放棄してしまった。欧州と台湾海峡などでの戦争を、どこまで抑止できるのか、不安が残る。

この点を問うと、「米軍の戦力は1つの大きな戦争に対処する構造になっているが、他の地域での戦争を防ぎ、抑止することはできる。米国は2つ目の戦争の危険を無視しているわけではない」と反論した。

米軍幹部の中には中国が台湾に27年までに侵攻しかねない、と警告する声もある。これについては「台湾が軍事力を強めれば、侵攻に伴うリスクとコストが利益を上回る、と中国側に思わせることができる」と指摘。そのためには「向こう数年間、台湾への防衛支援を加速する必要がある」と語った。

ミリー氏の在任中には、北朝鮮による核とミサイルの脅威も格段に高まった。この状況に関して「日本と同様に、米国は韓国の防衛にコミットしている。北朝鮮が韓国に攻撃すれば、米国は確実に戦争に関与する」と言明した。

さらに「韓国を攻撃すれば、北朝鮮は終わりを告げる。(朝鮮半島での戦争は)非常に暴力的で、血なまぐさいものになるだろう。恐ろしいことだが、北朝鮮は滅亡する」と警告した。

在任中でいちばん誇りに思う成果と、悔いていることは何か、最後にたずねた。前者については「米軍が、合衆国憲法を守ることに全力を注いできたことを極めて誇りに思う」と振り返った。

21年1月、トランプ大統領(当時)の支持勢力が米議会を襲撃した際、ミリー氏ら軍首脳は「憲法への攻撃だ」と非難する声明を全軍向けに発表。あくまでも襲撃に反対の立場を鮮明にした。ミリー氏の発言はこの経緯なども念頭にある。

一方で「後悔することはたくさんある」とも認め、その一つにアフガニスタンで多くの犠牲者を出し、勝利できないまま21年8月に撤収を強いられたことをあげた。

(本社コメンテーター 秋田浩之)』