プーチン大統領「ワグネル、国防省との連携に難色」

プーチン大統領「ワグネル、国防省との連携に難色」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR1485N0U3A710C2000000/

『ロシア有力紙のコメルサントは13日、プーチン大統領が「ワグネルはロシア国防省との連携に難色を示した」と述べたと報じた。民間軍事会社としてのワグネルは法的に存在しないとも発言した。

コメルサントによると、プーチン氏はワグネル戦闘員の前線での戦いをたたえた上で「(反乱に)巻き込まれたことは遺憾」と述べた。国防省の傘下での戦闘継続を提示したが、ワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏が「みんなはこの決定に賛成していない」と難色を示したという。

プーチン氏は「ワグネルというグループはあるが、民間軍事会社についての法律はなく、法的には存在しない」と述べた。プーチン氏は民間軍事会社のあり方について「議会や政府で議論されるべきことで簡単な問題ではない」とも指摘し、ワグネルなどの存在について何らかの規制を導入する可能性を示唆した。

一方で、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は13日、プリゴジン氏が武装反乱を始めた数時間後に、ロシアの治安当局がウクライナでの軍事作戦で副司令官を務めるスロビキン氏ら少なくとも軍高官13人を拘束、15人が職務停止や解任されたと報じた。

スロビキン氏は事前にワグネルによる反乱計画を知っていたとされ、所在が不明の状況が続いている。プーチン政権はロシア軍内部で反乱に関わった軍人の情報を公開していないが、粛清を進めている可能性がある。

プリゴジン氏は6月23日夜に武装蜂起の開始を宣言し、24日朝に南部ロストフナドヌーの軍司令部を制圧したと発表した。部隊の一部はモスクワに向けて進軍した。だがプーチン氏の意を受けたベラルーシのルカシェンコ大統領がプリゴジン氏との仲介役となり、同日夜に武装蜂起の停止で合意。反乱は1日で収束した。

ロシアのペスコフ大統領報道官は10日、プーチン大統領とプリゴジン氏がワグネルの反乱鎮圧後の6月29日に首都モスクワで会談していたと明らかにした。プーチン氏はワグネルとの会談について「彼らが戦場で何をしたかを評価し、6月24日の反乱について述べた」という。』