子どもをつぶすのは劣等感でなく「劣等コンプレックス」

子どもをつぶすのは劣等感でなく「劣等コンプレックス」
https://woman.nikkei.com/atcl/column/23/101900011/062300026/?n_cid=nbpds_top3

『2023.06.29

「全人格的に広がる前に阻止することが大事」な理由とは/劣等感そのものは子の成長の糧にも

わが子と話していると「〇〇ちゃんは勉強が得意だけど、自分は苦手だし」「〇〇ちゃんは絵が上手だけど、自分は下手だから」などと、劣等感から来る言葉を耳にすることはないでしょうか。誰しも生きている以上、劣等感を持つことは当然ともいえますが、あまりにも度が過ぎるとなると将来が心配です。低学年の子どもの劣等感にはどう対処すればいいのでしょうか。東京学芸大学教育学部教授の松尾直博さんに聞きました。

【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】

(1) 親の過剰反応が「子どもの本音」を封じ込める
(2) 実体験が乏しい子は、勉強する目的が分からなくなる
(3) 「先回り親」は、子どもの安全基地にはなれない
(4) 「どうせ自分なんて」過度な劣等感から子を救うには ←今回はココ

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劣等感は子どもにどんな影響を与えるのか

 テストが返ってくると「〇〇ちゃんは100点だったけど、自分はダメだった」、運動会では「〇〇ちゃんは足が速いけど、自分は遅い」などと、わが子がほかの子と比べて劣等感を持ったり、落ち込んだりすることはないでしょうか。あらゆる分野で人より秀でることは難しいにしても、「どうせ自分はダメだし」と自信をなくし、何かにチャレンジする気力も持ちづらいとしたら心配です。

 東京学芸大学教育学部教授で、子どもの発達心理に詳しい松尾直博さんによると、子どもが自分と誰かを比較する「社会的比較」は、自然なことなのだそう。また、適度な劣等感は、成長の原動力にもなるようです。

 ただ、子どもによって、社会的比較の程度や種類が違ってきます。「過度な劣等感を抱き、解消されないまま成長すると将来的に悪影響を及ぼすこともあります。心の傷が深くならないうちに、家庭での声かけなどで子どもを救うことが大事です」

 子どもが自分と誰かを比べる社会的比較は、いつごろから、なぜ起こるのでしょう。また、過度な劣等感から子どもを救うために、親はどのような姿勢で、どう声かけをすればいいのでしょうか。詳しく聞いていきましょう。

次ページから読める内容

「能力の優劣」が気になり始める時期は
警戒すべき「劣等コンプレックス」とは
劣等感克服のために不可欠なものは

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