ウクライナ軍、バフムト反攻「着実に前進」 ロシアに圧力

ウクライナ軍、バフムト反攻「着実に前進」 ロシアに圧力
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『【フランクフルト=林英樹】反転攻勢の本格化から1カ月が経過するなか、ウクライナ軍が東部ドネツク州の激戦地バフムトで成果を上げつつある。英国防省は8日「ウクライナ軍はロシア軍が支配するバフムトの北と南で着実に前進した」との分析を公表した。前線での局地的な戦果を重ね、ロシア政府に心理的な揺さぶりをかける狙いがある。

バフムトをめぐっては、5月にロシアの民間軍事会社ワグネルの部隊が撤退し、ロシア軍が防衛を引き継いだ。英国防省はロシア軍が士気や砲撃への対応能力の低下などに直面しているとの見立てを示したうえで、「バフムトの防衛に追加投入できる戦力がほぼない可能性が高い」と指摘した。

ウクライナのマリャル国防次官は7日、ウクライナ軍がバフムトの南方で1キロメートル以上前進したと説明した。米シンクタンクの戦争研究所も同日、バフムトでの反攻について「ウクライナ軍は戦術的に重要な成果を上げた」と評価した。

バフムトの制圧はロシアにとって数少ない戦果をアピールする象徴的な意味合いがあり、「ロシア指導部はバフムトからの撤退を政治的に容認できないと考えている」(英国防省)。

ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は8日の地元テレビ番組で、ロシアの政治システムの崩壊がすでに始まっているとの見解を示した。「ロシアが前線で2、3回敗北すれば、戦争がロシア国内に移り、様々なレベルの権力闘争が始まることになる」と述べ、反攻の狙いが直接的な領土奪還だけでなく、ロシア政府に心理的な圧力をかける点にあると明らかにした。

ウクライナのゼレンスキー大統領は9日公開の米ABCニュースのインタビューで、ワグネルによる反乱について触れたうえで「ロシアで新たな反乱、革命が起こるかもしれないという兆候がある。反乱を支持する人はたくさんいる」と述べた。

一方、ロシア軍も攻撃を強めている。東部ドネツク州リマンでは8日、ロシア軍の攻撃で民間人7人が死亡し、13人が負傷した。地元検察当局によると、多連装ロケットシステム(MLRS)による攻撃とみられ、民家や店舗、車などが損傷したという。

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