女性記者襲撃、衝撃広がる チェチェン独裁者に厳しい目―ロシア

女性記者襲撃、衝撃広がる チェチェン独裁者に厳しい目―ロシア
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023070500682&g=int

『ロシア南部チェチェン共和国で4日、独立系紙「ノーバヤ・ガゼータ」の女性記者らが襲撃されて重傷を負い、全土に衝撃が広がった。独裁者カディロフ首長はSNSで「究明」を約束。もっとも私兵を使って強権支配し、この記者らを脅迫していたのは他ならぬカディロフ氏で、厳しい目が注がれている。

チェチェン有力者、安否情報交錯 「ウクライナ砲撃」本人ら否定―ロシア

 記者はエレナ・ミラシナ氏。同紙は2021年、編集長がノーベル平和賞を受賞した。06年にチェチェンの人権問題を告発した所属記者アンナ・ポリトコフスカヤ氏の射殺事件があり、悪夢がよみがえった。

 人権団体などによると、4日朝、中心都市グロズヌイの空港からタクシーで裁判の傍聴に向かう途中、覆面の集団に襲われた。同行した弁護士は脚を刺された。
 ミラシナ氏は、顔面などを殴打されたほか、頭は丸刈りにされて緑色の液体を浴びせられた。病院で「異常だが、理解できる。われわれはチェチェンの体制を批判していたからだ」とカディロフ氏を非難した。

 カディロフ体制の影響下にある地元人権オンブズマンは「襲撃犯は特定されていない。ナンバープレートのない車で移動していた」と説明。その上で「非常に不愉快な事件。チェチェンのイメージを損なわせる汚い挑発だ」と述べ、体制に責任はないと主張した。
 2度の紛争に揺れたチェチェンを巡っては、政権がカディロフ氏の独裁を容認。同氏はプーチン大統領に忠誠を誓い、私兵をウクライナ侵攻に参加させるなどし、共存関係を継続した。

 ミラシナ氏らの襲撃について、ペスコフ大統領報道官は「非常に深刻」だと懸念を表明。プーチン氏に報告済みだと明らかにしている。

 ただ、仮に襲撃犯が拘束されても、黒幕が解明されない可能性がある。15年、チェチェン問題を追及してきた野党指導者ボリス・ネムツォフ元第1副首相がモスクワで暗殺された際、カディロフ氏の私兵が実行犯として逮捕・起訴され、事件は幕引きとなった。』