闇の企業家プリゴジン氏、政権との蜜月に幕 組織解体も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR28D130Y3A620C2000000/
『ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏は、ソ連崩壊後に急速に事業を広げた企業家の顔を持つ。ワグネルだけでなく世論操作をする組織など闇の企業グループを形成してきた。武装蜂起の失敗でプーチン政権とのつながりを失い、グループは解体される可能性がある。
ワグネルの武装蜂起が続いていた24日、ロシア北西部サンクトペテルブルクの高級ホテル近くに駐車中の小型トラックを治安機関のメンバーが…
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『プリゴジン氏と政権の間にはウクライナ侵攻前からあつれきが生じ始めていた。22年からはプーチン氏に近いベグロフ・サンクトペテルブルク市長との関係が悪化し、市関連の受注も減った。ワグネルのアフリカの利権を国防省が狙っていたとの見方もある。
プリゴジン氏は国防省がワグネル解体に動いたと反発し、ショイグ国防相ら軍幹部が利権のために侵攻作戦を始めたと非難した。ワグネルの戦闘員の死亡が急増したことも暴発の原因となった。
「何も盗んでいないと期待する」。27日の軍部との会合でプーチン氏はプリゴジン氏の汚職を追及する姿勢を示した。軍への食料供給で「年800億ルーブル稼いでいた」と指摘し、ワグネルにも国家予算から860億ルーブル以上が支払われていたと不信感をあらわにした。
プーチン政権と対立したオリガルヒ(新興財閥トップ)は資産没収や追放の憂き目にあってきた。「石油王」ミハイル・ホドルコフスキー氏は約10年の服役の後、事実上の国外追放となった。エリツィン政権の黒幕として知られたボリス・ベレゾフスキー氏は13年に英国で死亡した。今のところ、プリゴジン氏も同じような道をたどっているように見える。』