警官が少年射殺、住民抗議 パリ郊外、交通検問中

警官が少年射殺、住民抗議 パリ郊外、交通検問中
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB290AB0Z20C23A6000000/

『【パリ=共同】フランス・パリ郊外ナンテールで27日、交通検問中の警察官が、車の停止命令に応じなかった少年(17)を射殺した。事件に怒った住民らが同日夕から翌日未明にかけて警察に抗議、車や建物に火を放つなどした。フランスメディアが伝えた。

事件当時、少年は交通規則違反で警察官に停車を命じられた。ソーシャルメディアに出回った映像によると、警察官2人のうち1人が少年に銃を突き付け、少年が再び車を発進させた際に至近距離から発砲したとみられる。発砲した警察官は身柄を拘束された。

ナンテールやほかのパリ郊外の町では住民らが抗議、警察と激しく衝突した。ダルマナン内相は28日、抗議で31人が逮捕されたと明らかにした。警察官24人が軽傷を負い、車約40台が放火され、抗議に対処するため警察官約2千人を動員する予定という。

マクロン大統領は事件について「不可解で許しがたい」と非難。暴力的な抗議が拡大しないよう国民に冷静な対応を求めた。

フランスでは昨年、交通検問中の警察官の発砲による死者が過去最高の13人に達し、関与した警察官の刑事責任を問う声が高まっている。』